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MTG 偽物っぽい本物の話(ミラージュ編)

はじめに

ご覧いただきありがとうございます。さらよ と申します。
まず、こちらの画像をご覧下さい。

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どちらも、同じ英語版のファイレクシアン・ドレッドノートですが、明らかに、左側のカードが赤みが強い事が分かると思います。
では、この二枚のカードどちらが本物でしょうか。

答えは、どちらも本物です。

偉そうに言っていますが、初めてこのカードを見たとき、私はどちらも本物であると言い切る根拠を持ち合わせていませんでした……。
知識のある方であれば、「何を言ってるんだお前は」くらいの問題であろうと思います。

偽物の特徴について説明した記事は比較的見かけますが、見た目に差異はあるけれど実はこれも本物だよ、という説明をしている記事については、あまり見かけない気がしています。
見た目の違うカードを手に入れて、不安だという方がもしいらっしゃれば、判断の一助になればと思い、記事にする事にしました。

購入の経緯

昨今、紙のMTG界隈ではミドルスクールやあの頃ブロック構築など、多種多様な遊びが生まれる中で、活躍の場が久しく無かった往年の名カード達が、再び脚光を浴びるようになりました。
子供の頃憧れたカード達が、再び暴れている姿を見られる事は、本当に嬉しい限りです。

思い立ったが吉日という事で、ミドルスクールに参入しようと、二枚のドレッドノートを購入する事にしました。

一枚は有名なお店から購入出来ましたが、もう一枚はいろいろなお店のサイトを巡っても在庫が無かった為、フリマサイトでの購入する事にしました。
(在庫復活まで待てなかった……。)
重さを計測している画像付きだった事や、過去の取り引き内容等から問題ないだろうという判断でした。
また、旧枠のカードであれば慣れ親しんでいるので、真贋鑑定は可能だという自負もありました。

――― そして、めちゃめちゃ判断に迷います。アホです。

結果本物であろうと判断できましたし、今回取引してくれた方は、梱包も丁寧で素晴らしい方でした。フリマサイトが悪というわけでは無い事は、付け加えておきます。

質感の違うドレッドノート

さて、手元に同時に届いた二枚のドレッドノートは、最初の画像の通り、色味が全く違いました。
元々所持していたドレッドノートは色味が薄い物だった為、見た目には三枚が同じ色、一枚だけ赤みが強いという状況でした。加えて、赤みが強い一枚に関しては、質感にも少し違和感がありました

画像2

一枚だけ品質が異なるとなると、少し不安になってきます。
とりあえず、基本的な真贋鑑定をしてみる事にしました。

真贋判定

いまさらですが、私はMTG歴だけは長いものの、ただのカジュアルプレイヤーであり、カードのプロではありません。
普段お店でカードを購入する事がほとんどで、自身で真贋判定をする機会は、今までほとんどありませんでした。

せっかくの機会(?)だったので、BIGMAGIC様の記事や、海外の方の記事を参考に真贋判定を行ってみました。内容はそちらの方が詳しいので気になる方は参考にしてみて下さい。

今回は、どの試験も全く問題が無く本物の特徴を示していました

特にドットパターンについては、色味が違っていても特徴が出ており、判断材料としてはかなり有効だと感じました。今回調査した限りでは、印刷を完全再現している贋作の情報は見つける事ができませんでした。

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とはいえ、所詮素人の見立てです。
確証を得るために、こういった事例があるのか調べてみる事にしました。

ミラージュブロックの印刷品質について

ミラージュブロックのカードは印刷品質にバラつきがあるという話は、比較的有名なので、知識としては持ち合わせていました。
実は、日本語版のドレッドノートについては、少し赤みの強いものを見たことがあります。しかし、今回は4枚とも英語版です。同言語で、これだけ顕著に品質に違いが出るのか判断がつきません。

そこでふと、以前 Dark visons と呼ばれる、かなり黒っぽい見た目のカードを見せて貰った事があるという事を思い出しました。ビジョンズだけでなく、同ブロックのミラージュでも似たような事が起こるのであれば、なんとなく可能性はありそうです。

そこで調査してみると、面白い事実が分かりました。
Magic Librarities のフォーラムに以下のような記載があります。

Mirageには、ざらざらした仕上げの濃いプリントと、滑らかな仕上げの薄いプリントの2つの大きな違いがありました。濃いミラージュはアメリカで、薄いミラージュはベルギーのカルタ・ムンディで印刷されました。

どうやら、ミラージュは、同時期に別々の印刷工場で刷られていた事があったようです。
MTGsalvationのこちらのフォーラムでは、英語版のドレッドノートについて贋作を疑った質問がなされていました。
やはり、ミラージュに関しては、同じ英語版でも顕著に質感や色味が違う事があるようです。

上記の記載が正しいとすれば、どうやら問題のカードはアメリカ版の可能性がありそうです。

偽物っぽい本物は沢山ある

今回は、基本的な真贋鑑定に加えて、実際に印刷品質に対する情報が見つかった事により、ほぼ本物であろうという判断が出来ました。

普段意識していませんが、ミラージュブロックや、アルターネイト版のように印刷品質が大きく異なっていたり、ショーケースにずっと鎮座していた事で色が抜けていたり、一見偽物っぽい本物のカードは多数存在しています。

問題は、実際にそういったカードを手に取ってみた事が無いと、判断がつかないという点です。
さらに、情報も統合されているわけでは無いので、特に初心者の方は悩ましい部分かと思います。

そういう情報、大手ショップのyoutubeチャンネルとかで取り扱ってくれないかなあ……。


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