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心屋さんが、心屋を手放したこと

心屋仁之助さんに、いつか読んでもらえたら嬉しい。その気持ちで書きます。

今日、私は一つの衝撃的な記事を読みました。

心理カウンセラーの心屋仁之助さんが、心屋の看板、仕事を手放されるという内容でした。

昨今、心屋さんは色々な出来事があり、
心屋バブルは終わった、などの言葉から
いつかこんな日が来るのではと思っていました。

私は認定講師でもありませんし、心屋さんにお会いしたこともありません。でも「私がカウンセラーという仕事を選択したこと」は、心屋さん無しでは絶対あり得ませんでした。

人の心を救いたいと、思う様になったのはいつからだったのか分かりません。今思えば、私は私の心が分からなくて、傷つきたくない、傷つけたくない、みんな仲良くしてほしい。苦しい気持ちがあるなら助けてあげたい。そんな気持ちを抱いていました。

しかし、大学で心理学を学んだり、テレビに出てくる心理学の専門家のお話を聞く度に私の気持ちはどんよりしました。
なんというか、助からないんです。
こういうトラウマがあるから、こうなります。
こういう家庭に育つとこうなります。
それはわかった。ではどうすればいいのか。
催眠セラピーなどで、自分の気持ちを解放しましょう。トラウマに負けないように心を強くしましょう。鬱には薬を出しましょう。あなたの悪いところはこれです、治しましょう。

なんだか私にはピンと来ませんでした。

催眠セラピーなんて、気軽に受けられるイメージでもありませんでしたし、心を強くする?心が弱い人はどうすればいいのでしょう。鬱の薬を処方されるまで病院に行かないと救われないのか。悪いところは治さなきゃいけない、また苦しんで、それでも治らなければ?我慢をして生きていけということなんだろうか。

どこか、それらの全てが他人事に聞こえたのかもしれません。

15年前、ナイナイアンサーという番組で複数のカウンセラーや占い師、心理学専門家がお悩み解決をするコーナーがありました。

いつものやりとりが広がっていました。あなたはこうですね、ここを治しましょう。治そう治そう。トラウマはこれですね、ではこういう病院はどうでしょう。

たくさんのカウンセラーの中で、心屋仁之助さんが話し始めた時、私の心は揺れました。

確か、北陽の虻川さんがゲストでした。

当時心屋さんは「魔法の言葉」を投げかけるカウンセラーとして参加していました。

「私、女の子だよ」

虻川さんの目に涙が浮かびます。溢れて止まりません。

それまで、私も含めて会場は
「男性らしくしたい私を受け入れてくれない」と笑う虻川さんを、そりゃ旦那さんも男みたいだから受け入れ難いだろう、女らしくすればいいのにな、かわいいのに。なんて思っていました。

その涙で、私も、虻川さんの旦那さんも、スタジオの皆さんも気づいたと思います。

虻川さんは、本当は女の子だった。でもそれを消さないと生きてこれなかった。ずっと抑圧して、ずっと我慢して、女の子じゃない自分を信じてきました。だから、女の子扱いも受け入れられず、口汚く、男性の様に振る舞って、それを受け入れてほしいとがんばってきたのだと。

助ける心理学、助けるカウンセリングはこれなのだと思いました。
ただ当時の私はまだ、自分と向き合う準備ができておらず
心屋さんが、いい人をやめろと言っている本をペラッとめくり、そんなはずはないと、閉じました。

あれから15年、私はいい人でいること、わたしだけ我慢していればなんとかなっていたこと、自分の感情を全て塞ぐ様に努めていたことに限界を感じ、また心屋さんの本やポッドキャストに手を伸ばしました。

救われました。
あなたはあなたのままで、そこに在ればいい。

そんなこと、絶対ダメだと思っていました。そんなわけがない。私は普通の人と違うんだ、努力してやっと人並み。人を許してやっと存在を許される。心の汚いところを消して、聖人になる才能がある。だから努力しないといけないのだと。

わたしは、わたしを無視するのをやめました。そして、その救いをみんなにも分けたいと思い、カウンセラーを始めました。
なにも資格や経験がないのに、暖かい言葉、人生が変わったなどのお話もいただきました。私がしたのは、心屋さんに救ってもらった様に、誰かを救いたいと願ったことくらいです。

心屋仁之助さん、この文章がもしあなたに届いていたとしたら、伝えたいことがあります。

あなたは私に、人の心の救い方を教えてくれました。穿った目で見られたこともあったと思います。私は色々な心屋さんの弱さも、Twitterやブログを見て感じているつもりです。幕引きが出来ない葛藤も、怖さも、あったと思います。ご自身の信じていた心の仕組みに、ご自身が添えずに飲まれそうになったことも、もしかしたらあるかもしれません。私はその度に、心屋さんの人間らしさを感じました。気づけば沢山の事を背負われているのに、何も背負ってない様にしなくてはいけない。そんなことできないから人間らしさを伝えたい。でも、よく分からない人が寄ってきて傷つけてくる。僕ならこんな状況の人に何と言っただろう、どうしなさいと話しただろう。

私はカウンセリングを始めて1年半です。
心屋さんからしたら、
だれやおまえ!です。
でも、私は心屋さんに何かを返したかった。たくさんのものを頂いたのに、何も返せないなんて嫌でした。
こんな文章ですが、私の在り方です。

心屋さんありがとう。
私の人生を救ってくれてありがとう。
これからは、荷物を下ろして
たくさん楽しんでください。
私は認定講師ではなくて、つたないカウンセラーですが
後は任せてください。
歌ってください。人を救うのに疲れたら鼻歌でもいいです。
笑ってください、人を救いたくなったらしらねーばーかって笑っていてください。
本や言葉や教え子たちが、なんかしらんけど人を救います。
もう誰も救わなくていいです。
たのしくたのしく、過ごしてほしいです。

心屋さんおつかれさまでした。
ありがとう。

サラスバティ

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