見出し画像

那須 アートビオトープで自然を体験してきたよ

バズる一歩手前(だと勝手に思ってる)アートビオトープに行ってきました。行き方や、見たこと、感じたことのレポートを残します。

そもそもアートビオトープとは?

アートビオトープは、栃木県 那須にある人工の森林郡。二期倶楽部というリゾート施設が2007年から運営している施設で、クリエイターが長期滞在し、自然の中で創作に打ち込める長期滞在型レジデンスとして使われていたそうです。

そして2018年、隣接する土地に、建築家・石上純也氏が手掛ける〝水庭〟が作られました。水庭は、もともとそこにあった樹木318本と、川の水をパイプで循環させて作った160の池からなる、人工の自然空間です。

画像2

iPhone Xで撮影。無加工でこんな幻想的な風景が撮れました。

情報感度が高い人たちが集う場所(のはず!)

この水庭の写真が、アートや旅行に詳しい人のSNSや、建築系の雑誌などに出ているのを見かて、ずっと気になっていたんです。圧倒的に写真映えする空間であるにも関わらず、東京から新幹線+車を使わないと辿り着けないという行きにくさゆえに、まだインスタグラマーたちの映えスポット化していない。絶妙にレアな旅先なんだなぁ…と感じていました。

『Casa BRUTUS』2018年12月月号では、嵐の櫻井翔さんが水庭を訪れた際の写真が表紙を飾った。

一部のアーリーアダプターと、自然や建築を心から愛する人たちしかいないそんな空間に、同伴者としてちょっぴりだけお邪魔してきました。

画像2

施設の入り口。水庭を俯瞰した絵画が迎えてくれる。駐車場は満車だった。

水庭ツアーの時間は要チェックでした

水庭見学ツアーは完全予約制(平日は14時の回のみ。土・日・祝日は11時の回 or 14時の回がある。その他にランチとセットのプランなども)。私たちは平日に訪れたので、14時からの回に参加しました。

前日は近くの温泉旅館に泊まっていたので、チェックアウトの時間の都合上、12時頃にアートビオトープについてしまいました。ですが、2時間の待ち時間も、山の中で過ごすにはちょうどいい長さでした。

画像10

カフェ & 施設受付に飾ってあった素敵な紙袋。パンチの穴が花弁みたい。

待ち時間を過ごすならカフェがおすすめ

施設内にはKantanというカフェが。お店の方も、待ち時間を過ごす人の対応に慣れているようで、入店前に「カレーとワッフルのみのシンプルなメニューです」と丁寧に説明をしていただきました。朝食をたくさん食べたあとだったので、ワッフルとハーブティーをいただきながらのんびりすることに。

画像11

ブルーベリーワッフルはちょうどいい甘さ。

画像12

お花が浮いてるかわいいハーブティー。

しばらく店内を見ていると、那須高原駅からシャトルバスで訪れる人、宿泊客らしき人が徐々に増えてくる。女性の一人客も多かった。静かな空間は、たしかにおこもり旅に良さそうです。カレーを頼んでいる人たちには、福神漬けなどがアフタヌーンティーみたいな3段トレーに載って出てきていて、ちょっと羨ましくなったりも。

カフェの外にはワークショップができるスペースが。すぐそばには、サービスのホットティーが置いてあります。その日は若めのカップルが、テラス席に座って談笑していたりもした。寒そうだったけれど、ものすごく楽しそうにしていてこちらまで和やかな雰囲気に。

画像13

中庭にある大テーブル。本やワークショップ用と思われるグッズが置かれていた。

店内にある雑誌を読んだりぼーっとしながら過ごしていたら、2時間は意外とあっという間でした。

水庭ツアーの流れ

集合時間になったので、中庭へ。参加者は5組で、合計12人くらい。先ほどのカフェにいた女性たち、テラス席にいたカップル、建築学生っぽいグループなど、なんだか情報感度が高そうなひとたちが集まっています。

タブレットを持ったスタッフさんに案内されて水庭まで移動します。最初に水庭の歴史や背景について話を聞いて、その後は自由行動!

東京ドームのグラウンド1つ分の広さがある水庭は、外から見るとコンパクトな印象を受けます。でも、実際に足を踏み入れると、端までたどり着くのに結構時間がかかるんです。というのも、地面に埋めてある飛び石が蛇行していて、先が読めないから。歩幅が広くなったり狭くなったり、ときには池の上を渡ることもあって、散歩道というより、アスレチックのように感じました。

画像4

飛び石の間隔も、支線や歩幅に合わせてデザインされているそう。

ガイドのお姉さん曰く、野生の動物たちが見られることもあるそう。その日は奥の方の池に鴨がいました。

人間も体を動かすと野生に還るのか、スーッと泳いでいく鴨たちをみると、なぜか無性に追いかけたくなったりした。

画像5

鴨を追いかけていくうちにどんどん奥へ…。

入り口の反対側は高台になっていて、水庭が一望できるようになっています。とても写真映えするロケーションだけれど、まだ人の手に染まりきっていないスポット。

観光客が少ないご時世であること、敷地自体が予約制であることなど、いろんな条件が重なって見られた景色でした。

画像6

みんなだんだん奥に集まってくるので、無人で撮りたい場合はお早めに!
ちなみにこの写真も、人以外は無加工。

高台の反対側には「フォレストキッチン」という看板があって、何やら開発途中らしい趣。目線を変えると、建築中のレジデンスも見える。ここで、人と自然はどう馴染んでいくんだろう…?と想像してしまいます。

ガイドで聞いた水庭のコンセプト

水庭がある土地は、かつて森林、水田、牧草地という歴史を辿ってきたそう。歴史のレイヤーを、水と木と苔という素材で再現しているのだそうです。

画像13

池の周辺の苔も、周囲に生息しているものを集めてきたそう。

「この水庭がこれから何年もかけて、自然にどう溶け込んでいくのか。私たちも見守っていきたいと思っています」

ガイドさんのお話は、そんな未来への展望で締め括られる。私たちは、この場所でただ観察者として自然を眺めるのではなく、足を踏み入れて身体を動かすことで、自然と人間の調和を体験することができるのだな…と感じました。

水庭ではたっぷり1時間ほど過ごした。帰り道、「新緑の季節や雪の時期にまた来たいね」なんて話し合う。ビオトープと一緒に、私たちも時間を重ねていけるといいな。

帰り道は黒磯のカフェストリートへ

せっかく那須まで来たのだからと、車で20分ほどの「黒磯」という街まで寄りました。黒磯の一角には、山間の町とは思えないくらいおしゃれなカフェやインテリアショップが集まっていて、一部の界隈では有名なのだそう。歴史としては、1988年にSHOZO CAFEというリノベカフェが作られたのを皮切りに、移住者をはじめとする若い世代がこの地にお店を出すようになった…とのことです。

そのムーブメントが、今ではSHOZOストリートと呼ばれる観光地にまで発展しました。

画像7

ホイップが乗ってるのに甘すぎないミルクティー。茶葉の香りが芳醇でおいしかった。一緒にいただいたスコーンも焼き立てで最高。

ふと顔を上げると、ある女性と目が合う。なんとアートビオトープにいた人だった。お互い(きっと)認識するも、そっとしておく。多分アートビオトープからSHOZOストリートの順路は、情報感度が高い人の定番コースみたいになってるんだろうな。私は今回の旅行で初めて知ったけれど…。

周囲のお店もすごくおしゃれで、土地や建物の広さを活かした、東京では見かけないようなつくりになっていました。

画像9

大通りを曲がったところにかわいい壁を発見。

画像9

どこのお店の敷地かわからなかったけど、おしゃれで広いスペースが。

ショップやカフェをめぐって、那須塩原駅まで車で戻り、夕方の新幹線で帰京。いい旅行でした!


アートビオトープの歴史や予約情報について、詳しくは公式HPへどうぞ。人が集まりすぎない場所なので、気分転換にもおすすめです。



いただいたサポートは、すてきなお買い物に使わせていただきます。