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植物のにっき 20200603

ナスタチウムが朽ちた。彼女は、最期の最期まで明るかった。最後に一輪、おひさまみたいな花をつけて。

初めて出逢ったのは、畑だった。お世話になっている方から、ひと株、譲っていただいたのが、はじまりだった。はじまりは、突然に。そんなにいつも、目をかけ、声をかけたわけでもなく。ただ、仕事に行く前は、カラッと、笑いながら、励ましてくれた。そこに居てくれると、ほっとした。家族みたいな、親近感を、勝手に感じていた。

今回は初めて、プランターでみることに。やっぱり、居てくれるとパッと家に明かりがついたみたいに、げんきになった。

けれど、だんだん、葉がダニか、虫に食べられてげんきがなくなっていった。それでも、パァッと明るく、花が咲いてくれていると、安心した。

今日、朽ちてしまった。「いのちを、終えられたのか。」と、悲しくない、寂しくないふりをした。夕飯の支度をして、リフレッシュに半身浴もした。

けれど、うぁーっと、悲しみなのかなんなのか、どんどん湧いて出てきた。はじめは、何故に、なにに、こんなに悲しいのか、わからなかった。理由は、わからなくても、いいとも思っていた。

世界で起きていることにも。色々知っていくうちに、同じ、いのち。人としてって。ともに生きるって。何なんだろう。そんなことを感じて、悲しくなった。

ナスタチウムが居なくなって。

今、わたしに、湧いてくる悲しみを、存分に感じきろう。そう思った。それは、悲しみとくくれるものではなく、感謝と祈りでもある。

わたしは、わたしへ、いのちへ還ることを、もっと手を放し、よろこんであげよう。




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