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あの日、あの時、あの場所で

初めて登山をした。
頼れるイケオジ2人に、後輩の山ガール1人。
そして初心者の私。

イケオジAは、多趣味で交友関係も広い。ビーチバレー、テニス、登山と、知っているだけでも複数のコミュニティに所属していて、おそらくどこでも中心的な人物として場を回している。そんな姿が容易に浮かぶ。清潔感があって、ジェントルマンで、正直憧れる。年中、日焼けしていて、若々しい。多分、すね毛ツルツルだったはず。女性にモテるだろうなと思うし、とあるイケオバMは「世の男はイケオジAを見習ってほしい」とまで言っていた。
お酒を飲んだら呂律が回らなくなっていくけど。
タバコ吸うけど。
時々、男尊女卑っぽいこと言うけど。
生まれながらの陽キャ。

イケオジBは、知り合って間もないため、Aほど知らないが、これまた多趣味そうだ。一人で雪山に登ったり、カメラが好きで景色を撮りに行ったりと、孤高の人だと思う。趣味は多い気がするけど、人間関係は狭く、浅く、という気がする。笑うと顔がクシャクシャになるけど、シラフの時は鉄仮面というか、あまり人当たりは良くない思う。馴れ馴れしくしてほしくなさそうなオーラがある。最近知ったが、アニヲタらしい。自分で言っていた。ウマ娘とかラブライブとか、好きらしい。
生粋の一匹オオカミ、みたいな。

後輩の山ガールも、多趣味だ。乗馬クラブに入ってたり、バレーボールやったり、話を聞いてる感じだと、予定もなく家でゴロゴロしてることはなさそうなタイプ。我が強くて男勝りで、生きることへの熱量が溢れている。論理的に考えて正論をかますのが好きそう。何事にも因果関係や合理性、効率を求めていて、彼女の頭の中は常に何かしらの演算が回っている。気がする。そんな彼女でも、仕事で落ち込むことが少なくないらしい。それでもストイックに頑張っているから、応援したくなる。なんだか、寄り添ってあげたくなる。


このメンバーで登山すること、もうないかな。

山ガールは、地方転勤で2年ほど帰ってこない。帰ってきたら、おそらく彼女は転職する。

私は膝の半月板を怪我してしまった。
山登りは、膝にはキツい。イケオジたちは、これからも山に登ることだろうけど、この膝で彼らについていける気がしない。


山頂で撮ったポラロイドの写真、机の右の引き出しにしまってる。たまに、見る。
スマホじゃなくて、データじゃなくて。
うまく映らないし、一枚しか残らないけど。
人生一度きりってことを分からせてくれる。
儚さ、みたいな、その瞬間の価値を感じられる。
みたいな。

登山は、もうできないかもしれないけど、
ちゃんと覚えてんだって、
ポラロイド見て、たまに、懐かしむ。


イケオジたちみたいに、個性を磨くぞ!

後輩山ガールのストイックさを見習うぞ!


それでは、また、どこかでお会いしましょう。
あの日、あの時、あの場所で。

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