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勇者ホルス十二獣 解体新書(2024.5)【遊戯王 マスターデュエル】

※相変わらず全編無料で読めます。

前回のラビュリンス記事を書いた時から生活環境がかなり変わり時間がなかなか確保できず、執筆欲はありつつ色々記事を書こうと思っては書きかけのまま没になって…みたいな時期がはや1年。


書こうと思ったがあきらめたシリーズ


忙しいなりにもマスターデュエル自体は継続できていて、以前のようなペースとはいかなくても最低限月内のマスター1達成は苦労しながらもこなす…といった日々を過ごしていました。

現代社会は疲れる


そんな中、直近5月は【ホルス】をあれやこれや触ってました。
ダイヤ帯は色々構築を試して勝率の安定しなさに悪戦苦闘していましたが、これが一番強そうかな?と思った今回の【勇者】+【十二獣】を組み合わせた構築でいざマスター帯に乗り込んだところ、

・道中15連勝
・マスター5~1間勝率:23-3(88.4%)

という凄まじい好成績で一瞬で終わる異常事態が発生。


対戦中も先後問わず(特に後手の)デッキパワーをひしひしと感じ、「このデッキもしかして本物では???」と思って終わってから色々調べるも、OCGの歴史に存在しなかった組み合わせなのでろくな文献がないということが発覚。

それもそのはず、この組み合わせは

・《十二獣ドランシア》(禁止)
・《流離のグリフォンライダー》(禁止)
・《SRベイゴマックス》(制限)
・《十二獣の会局》(制限)
・《PSYフレームギア・γ》(制限)

2024.4時点OCG制限

と過去・現在のOCG上では禁止・制限で再現できないマスターデュエル独自のドリームチーム
こういった紙ではできない構築を楽しめるのもマスターデュエルならではの面白さですね。

嬉しいことに(勝ち馬に乗りたい)身内からの反響も大きく、構築や回し方について質問されることも多かったのでせっかくなら記録に残しとくか…と思い立ち久しぶりに重かった筆をとることにしました。


また執筆月(6月)の規制ではノータッチどころか《アラメシアの儀》が3枚使えるようになり純粋な強化が入るということで、【勇者】ギミックのデッキを色々探してる人向けにもこの記事をぜひアプローチのヒントに活用していただければと思っています。


初見の方には大変申し訳ないのですが、当記事は単純なデッキ解説というより構築や採用経緯といったアプローチの話が中心となってます。
その分結論が回りくどく長ったらしい文章になってるので、目次を活用しながらお暇な時の暇つぶしにご活用ください。

※最終的なリストの話から見たい方は(3)まで飛ばしてください




(1)【ホルス】と向き合う


OCGでの噂はかねがね聞いていましたが、自分で触ってみて【ホルス】ギミックのパワーのすさまじさは本当に腰をぬかしました。
体験後、とりあえずその凄さを冷静に言語化することから構築がスタートします。

●《王の棺》さえあれば手札が全て打点(≒手数)に変換される

もうこれが既にすごいです。
今までの歴史上でも手札の不要牌をコストとすることで実質手数に換算~みたいな風潮はありましたが、さすがにその対象が手札最大4枚までに広がるのはゲームプランとして取れる択としては破格です

しかも出てくるのは貧弱バニラとかではなくて《青眼の白龍》や《ブラック・マジシャン》級の打点になぜかクソ強メリット効果がついてます。
極端な話、相手の盤面ががら空きならば手札が全く使えないゴミ3枚でも《王の棺》さえあれば8000打点を用意して1killです
律儀に生贄を2体用意して《ドラゴン・エッガー》を召喚していた小学生の自分はなんだったんでしょうか。

筆者の幼少期のエース

●謎の全体破壊・単体除去耐性

ただでさえ打点が高いのに謎の耐性により対処手段が非常に制限さています。
特に《王の棺》にはマストで触りたいですが、単体除去で触ってしまうとホルスのボーナスが炸裂という構造の為、うかつに手が出せません。

このため、リンクやエクシーズにせずホルスを複数体立てるだけでも制圧系の永続カードとセットで用意ができれば十分すぎる盤面になります。

●次のターンまで自分と《王の棺》が生き残れば宇宙

とは言え所詮は手札を打点に変換して1:1交換…というのはそのターンだけの話、ターンが返ってさえくれば再度復活する無限リソースなのが異常です。
この性質から低速の罠デッキで馬鹿正直に向き合うのはほぼ不可能で、かなり使用意義を失われているような気がします。

一番スマートな対策はプレイヤー自体のライフを削り切ってターンを返さないことですが、強固な耐性に守られた高打点やリンク・エクシーズのいる盤面の上から8000を削り取るのは簡単ではありません。


そのほかにもチェーンに乗らない特殊召喚なのが超優秀で、《増殖するG》と《S:Pリトルナイト》に対して睨みを利かせます。
特に《S:Pリトルナイト》とは《王の棺》を除去してくる宿敵でもありますが、相手視点では《王の棺》を置かれただけで容易に戦闘で対処されてしまう宿敵と、かなり面白い関係ですね。


といいところだけ挙げてきましたが、同時に無視できない課題も大量に見受けられました。
(こっちの話が本命)


①手札の枚数が強さに依存する=他のことに手札を使いづらい

手札が全て手数になる…の裏返しで、逆にコストにできる手札が確保できないと強みが激減します
これが結構致命的で、

・他のギミックと混ぜたい
複数枚で動かすギミックとの相性が良くない

・損して《王の棺》に触るアプローチが特に強くない

(ex.《スモール・ワールド》)

後手札を無効系の手札誘発に寄せにくい
(=《増殖するG》以外の手札誘発は手札が減り、実質的な手数択が減る)

といった点が課題として浮き彫りになりました。
つまり何かしらの方法で「手札を増やす」要素の確保が《王の棺》を運用する上での至上命題と言えますが、上記全てを満たす要求値はかなり高め。

ちなみにとりあえず3枚手札を投げ捨てて《熱血指導王ジャイアントレーナー》で3ドローすればいいじゃない…というのはナンセンス
ホルスギミックには一切《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》を当てる要素がない為、信じて送り出したところに当てられると全てを失います
ホルスを使うので妨害できるエクシーズやリンクも立てづらくなりますしね。


②メインに据えるには《王の棺》へのアクセスが狭すぎる
≒《王墓の石壁》弱くない?

君、思ったより弱くない?

基本は
《ホルスの栄光-イムセティ》
《王の棺》
の6枚からとして、ここに追加を検討するのであれば《王墓の石壁》…となりますが、回してくうちに気づいたのが《王墓の石壁》が①の解決になってないという矛盾。

よく得して拾ってくるギミックとして《救いの架け橋》が採用されていたりしますが、手札にきた《救いの架け橋》を捨てる手段=最終的に持ってきたい《王の棺》と絶妙に噛み合っておらず、他の方法でデッキから落とすギミックが必須とさらに要求値が上がってきます。

相手にするとうざいし便利な時もあるけど

《王墓の石壁》を使うと万能除去の《ホルスの黒炎神》が使いやすくなり盤面に触りやすくなる…というのは回っている前提の話で、《ホルスの黒炎神》を抱えると《王の棺》用のコストが足りなくなって…という問題は変わらず。
手札の減らない誘発である《深淵の獣マグナムート》を使いやすい(=他のドラゴンを入れなくていい)というメリットこそありましたが、結局セットとしても無理して使うほどでのカードではないなというのが結論。


③ハイリスクハイリターンの《ホルスの栄光-イムセティ》

①②共に鍵となってくるのが実質ただで《王の棺》を拾える屈指のパワーカード《ホルスの栄光-イムセティ》なわけですが、ここでネックとなってくるのが《灰流うらら》《墓穴の指名者》の汎用2種。

先後共に最大のネック
後手だと余計にやばい

どちらも食らうと2:1交換となってしまい単純な手札損、①の性質からも手札が減ることはそのまま手数差に直結してしまい、可能な限りは避ける努力をしたいところ。
この2種を乗り越えれる、踏ませれるような相方を採用したいところ。


④ホルスギミックだけでは妨害力が心もとない

いくら強固な耐性と打点があれど、ホルス自身は相手に干渉する能力はない為、残した手札のカードとリンク・エクシーズ体で妨害する形になります。

大抵は《No.90 銀河眼の光子卿》《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》《S:Pリトルナイト》の三択ですが、ホルスを2体使って1体立つ燃費の悪さの為、立てられても1~2枚程度。
現代遊戯王に置いて1~2妨害では到底相手の猛攻を凌ぎきれないので、何かしらの妨害要素の補強がほしいところ。


●まとめると

①【ホルス】を主軸にした構築にしない(依存しない)
・コスト用の手札を補充できる
・相手を妨害できる要素がある
ギミックとの組み合わせが必要

②【ホルス】の手数力と相乗するような手数が確保できるとベスト

③《ホルスの栄光-イムセティ》を通す工夫をする

ということで色々考えてたんですが、ここで頭を悩ませ続けた要素が「手札の補充」の要素。

例えば「《王の棺》で捨てた時にサーチができる」といった損失を補う形のカードは、大抵の場合単体で引いた時に弱いことが多く、《王の棺》がゲームに絡まない場合に悲惨な展開になってしまう(=結果的に依存している)という状況が散見されました。
また「複数枚の組み合わせが通ったら手札が増える」は先述の通りガタガタな手札になってしまうことが多く、もはやデッキですらありません。

失敗例その1

最初期に「とりあえずホルスをシンクロ素材にして制圧すればええじゃろ(鼻ほじ」と思って組んだシンクロンと混ぜた形。
あまりにも手札要求値が高すぎて一瞬で解体。

そもそも《ジャンク・スピーダー》を使おうとするとホルスで《No.90 銀河眼の光子卿》や《S:Pリトルナイト》を事前に立てるといったことができなくて勿体ない。


失敗例その2

《ヴィジョン・リゾネーター》がコスト2回分かつホルスと混ぜて《フルール・ド・バロネス》を立てれる+後ろの妨害(《デモンズ・ゴーレム》)も拾ってこれる可能性があり検討。

回った時の制圧力は高かったものの、リゾネーター単品で引いた時がどうしようもなさすぎ、展開の再現力が低くて断念。
《アラメシアの儀》と併せて《レッド・ライジング・ドラゴン》を出すような展開なども考えたが、それも《アラメシアの儀》前提なので没に。

【レッド・デーモン】と混ぜる形も検討したが、シンクロンと同じように展開制約がホルスの強みを生かしきれてないと感じたため、断念。

普通に悪くはない

定番のナチュルホルスもお試し。
確かに《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》バックアップの《えん魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》は決まれば勝ちなんですが、

・ホルスが絡まない時の動きが弱すぎる
(=《ナチュル・カメリア》単体の動きが大したことがない)
・手札を投げ捨てて展開するので、適切に相手に妨害されると踏み越えきれない

のが全く肌に合わずこれじゃない感。


冷静に考えると手札ってそんなに簡単に増えるものじゃないので「手札を補充する」と「制圧盤面を作る」の両立は非常に困難です。


(2)【勇者】と【十二獣】


お手軽1妨害であり1貫通

【ホルス】の課題を解決するにあたり、上のリストでもちょいちょい採用していますが真っ先に組み合わせたいと感じたのは【勇者】ギミックでした。

《聖殿の水遣い》が《王の棺》のコストとして最適

・《流離のグリフォンライダー》で先攻の《ホルスの栄光-イムセティ》への《灰流うらら》を踏み越えれる

・《騎竜ドラコバック》《S:Pリトルナイト》で2面処理ができる(+《聖殿の水遣い》で展開すると手札が増える)

と、欲しい要素がかなり詰まっています。
通常だとあまりやりたくないプレイの召喚前の《運命の旅路》即起動での《流離のグリフォンライダー》サーチの動きも、サーチした《騎竜ドラコバック》を後からホルスギミックのコストにすることで結果的に「コストを先払い」した状況に帰結できるため、非常に都合がいいです。


一方で【勇者】は出張要素としての妨害・盤面処理力は素晴らしいですが、メインギミックとして据えるにはかなり不安が残ります
単体で作れる妨害要素は《流離のグリフォンライダー》のみで貧弱で、通常の動きだと特段手札が増えるわけでもないので、綺麗に【ホルス】と噛み合うかと言われると実際そうでもありません。


強いけど《彼岸の黒天使 ケルビーニ》専用では意味がない

また【勇者】を使う上で頭を悩ませるのが《SRベイゴマックス》の採用です。
召喚権を使わず《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を展開することで実質《アラメシアの儀》に繋がる非常に強力なギミックなのですが、この役割のみ目当てで採用すると《アラメシアの儀》と併せて引いた際のバリューがかなり低くなってしまいます
《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》で《灰流うらら》ケアなんかは弱くはないですが、これも《ホルスの栄光-イムセティ》との重ね引き前提気味で単体で強い動きではないのがネック。


つまり《SRベイゴマックス》単体でできる別の強力な展開を用意する必要があるのですが、これがメインの枠の問題+【勇者】との相性(通常召喚効果使用不可)とかまで考えるとなかなかいい相方がいません。

勇者幻影というデッキがあるように最メジャー

ぱっと思いつくのは昔から【勇者幻影】というデッキがあるように相性抜群の【幻影騎士団】で、コストとしての《王の棺》との相性もよく、かなり求めてる条件に適しています。が、

・デッキ全体の枠を取りがち(10枠ぐらい取る)
・単体として切り取るとそんなに強くない(強力な1枚初動展開がない)

という部分がネックで、《SRベイゴマックス》がゲームに絡まない場合の展開の弱さもかなり気になります。


ということで結局【勇者】ギミック以外に何かしらの柱が必要、と振り出しに戻ってしまいました。
しかも手札補充・妨害要素の追加という面があまり解決していません。

何か中身ゴミでもいいから滅茶苦茶手札増えて相性いいカードないの!?…と探していたところ、そういえばと4月ぐらいに回していたとあるデッキの存在を思い出します。

FAゴーストリックピュアリィ

ゴーストリックピュアリィ】。

ピュアリィ魔法の激しい手札消費を1エクシーズしてからの《ゴーストリックの駄天使》ギミックでカードを補充していくことで、効率よくピュアリィ魔法を連鎖しながらW《エクスピュアリィ・ノアール》のような制圧盤面を狙える組み合わせです。


コスト用のカードが3枚増える

ぶっちゃけゴーストリックギミックだけで十分なんですが、この時試していたのが「アーマード・エクシーズ」を絡めた展開。
《エクシーズ・アーマー・フォートレス》→《FA-ダーク・ナイト・ランサー》の動きはなんとコスト用のカードが3枚増えた上で1妨害を捻出できます

実際問題ピュアリィの動きで全てのコストを捌ききるのはよっぽど手札が良くないと難しく、過剰気味だな…と思っていたのですが、これそのまま《王の棺》に注ぎ込めばカード3枚増えたようなもんでは?という発想に気づきます。

ただそのネックとなるのは下敷きとなるエクシーズを立てること。
基本的にはカード2枚を並べて出す必要があるわけで、1枚でエクシーズが立てるカードはそれ相応にリクルート先の枠も必要だったり妨害も食らいがちです。
しかも定番の召喚時誘発で並べるのは《アラメシアの儀》との相性が悪く使えません。

・1枚でエクシーズが立てれて
・《アラメシアの儀》下で展開できて
・単体でも十分強くて
・召喚権以外の手数もあって
・メインの枠も取らずに
・《SRベイゴマックス》との相性もいい

そんな都合のいいカードがあるわけ…




あるやんけ!!!!!


ということで冒頭の構築が完成しました。(ここまで序文)


(3)解説


コンセプトとしては至って単純で、単体が強いカードの詰め合わせによる手数のゴリ押しです。
横の繋がりとしては《SRベイゴマックス》での【勇者】と【十二獣】の使い分けのみで、相手の敷かれた妨害に対してはひたすら手数を投げつけて本命を通す、という手法になります。

とにかく十二獣+《王の棺》の組み合わせが強烈で、十二獣ギミック側だけで1~3妨害を用意しつつホルスが3枚純増してさらに2妨害程度の追加が可能です。

大体こんな感じ


先攻で安定した妨害数を確保しやすいのに加えて、後手でも十二獣と《アラメシアの儀》により相手の妨害を踏み越える能力に長けているのが評価が高いです。

特に十二獣は単体の動きで
《十二獣ドランシア》
《FA-ダーク・ナイト・ランサー》
《天霆號アーゼウス》
《S:Pリトルナイト》
と複数の選択肢(最大4手)が存在する為、1枚で複数枚の妨害を踏むことを狙えるのが非常に優秀。
しかも全部処理の方法が違うのもいいですね(破壊/吸収/墓地送り/除外)
特に《S:Pリトルナイト》の登場が十二獣の評価をかなり押し上げていると思います。(《十二獣ライカ》1枚で立つので)

また《ホルスの栄光-イムセティ》の牽制となる《墓穴の指名者》に対しても
《騎竜ドラコバック》
《流離のグリフォンライダー》
《天霆號アーゼウス》
《S:Pリトルナイト》
と剥がす選択肢が複数存在しており、【ホルス】ギミックを通すという観点でも相性は抜群です。


正直プレイは引いたカードを投げつけていくだけなので解説もクソもないのですが、十二獣周りの展開だけは事前知識が必要な部分なので、メモとして残しておきます。


◎十二獣の展開パターン

十二獣1枚展開は《十二獣ドランシア》単騎エンドで終わり…というのはいまや昔の話。
実は結構2妨害以上にできることが多いです。

①十二獣+表側で割れるカード=2妨害

十二獣召喚→《十二獣ワイルドボウ》経由→《十二獣ドランシア》
※「アーマード・エクシーズ」を素引きしてる場合は下敷きを減らして調整

《十二獣ドランシア》効果で破壊できるカードを用意して素材を外す
(もちろん後手で相手の場のカードが破壊ならなおよい)

《十二獣ライカ》を乗せて《十二獣ドランシア》を外して《十二獣ドランシア》or《十二獣ワイルドボウ》を蘇生
(効果無効、上乗せ不可。《フル・アーマード・エクシーズ》を手札から捌ける選択肢の有無で分岐

《十二獣ライカ》の上に《十二獣タイグリス》を乗せ、蘇生した十二獣Xに素材を乗せる

《十二獣タイグリス》の上に《エクシーズ・アーマー・フォートレス》を乗せて、《フル・アーマード・エクシーズ》を含む1~2枚をサーチ

【分岐】
└(1)2枚サーチ、手札から捨てれる場合
 素直に《FA-ダーク・ナイト・ランサー》に乗せる
 コストとして使い切りたい場合は蘇生対象は《十二獣ドランシア》固定
 =回収効果も使いコスト捻出

└(2)2枚サーチ、手札から捨てれない場合
 《FA-ダーク・ナイト・ランサー》に乗せる
 途中の蘇生先を《十二獣ワイルドボウ》にして相手ターンに《フル・アー マード・エクシーズ》で《十二獣ドランシア》に変換
 (=《十二獣ラム》を素材として埋めれる)

└(3)1枚サーチ、手札から捨てれる場合
 (1)と同じ。
 経由十二獣がないため、蘇生対象は《十二獣ドランシア》固定

└(4)1枚サーチ、手札から捨てれない場合
 《FA-ダーク・ナイト・ランサー》に乗らず、相手ターンに《フル・アー マード・エクシーズ》で乗る
 経由十二獣がないため、蘇生対象は《十二獣ドランシア》固定


◎Tips
《十二獣ワイルドボウ》に相手ターンに乗せるパターンは《十二獣ラム》つきにできるという点では強力だが、《十二獣タイグリス》や《フル・アー マード・エクシーズ》に効果無効をもらうと瓦解するリスクもある為、リスクリターンを考慮する必要有

上記のパターンで2妨害を構えることができます。
先攻では破壊対象が必要な為に2枚ムーブにはなりますが、被ったり使えない永続、浮いた《流離のグリフォンライダー》や《ホルスの栄光-イムセティ》を通して蘇生したホルスを割ったり…と、実質不要牌の変換として活用できます。

ここに《増殖するG》を撃たれても1ドロー2妨害で止まれる

必ず覚えておきたいのは《アラメシアの儀》との組み合わせ。
十二獣召喚から入ると相手によっては確定で1ドローするor効果的に使う為に《増殖するG》をギリギリまで保持するプレイが一定数あると思います。

が、2素材の《十二獣ドランシア》を出してから《アラメシアの儀》を発動することで、

・損失なく《十二獣ドランシア》の素材を外す
・《増殖するG》を撃たれても1ドローで2妨害を用意することができる
・通った場合に即《流離のグリフォンライダー》サーチで《原始生命態ニビル》ケア(5回目の特殊召喚)

を両立することができる為、必須テクです。


②《十二獣モルモラット》召喚=2妨害(+α)

《アラメシアの儀》の関係で遭遇機会は少ないですが、覚えておいたほうがいい展開です。

《十二獣モルモラット》召喚→《十二獣ラム》落とし、《十二獣ライカ》を乗せて《十二獣ラム》を蘇生

《十二獣ライカ》に《十二獣ドランシア》を乗せ、《十二獣ライカ》を外して《十二獣ラム》を破壊、《十二獣ライカ》を蘇生

《十二獣ドランシア》に《十二獣タイグリス》を乗せて《十二獣ライカ》に素材を補充、《十二獣ライカ》で任意の十二獣を蘇生

素材の量を経由で調節して《エクシーズ・アーマー・フォートレス》→《FA-ダーク・ナイト・ランサー》
※分岐は割愛

《FA-ダーク・ナイト・ランサー》《十二獣ドランシア》に加え、盤面にモンスター1体が増えた盤面になります。
《FNo.0 未来龍皇ホープ》の展開パターンが有名ですが、こちらは単体の質を犠牲にして妨害量で勝っているのがポイント。

これだけみると《十二獣ライカ》に乗せて横に広げる必要ある?となりますが、例えば何かしらでモンスターを1体盤面に出力する手段があれば《S:Pリトルナイト》が追加できます
また《フル・アーマード・エクシーズ》を《王の棺》のコストに当てたい場合は十二獣X2体を除去効果付きの《S:Pリトルナイト》にするといった選択を取ることが可能なので、1枚でモンスターを3体出力できるということを覚えておくことが大事です。

③《SRベイゴマックス》=3妨害

《SRベイゴマックス》→《SRタケトンボーグ》から《M.X-セイバー インヴォーカー》に繋いで《十二獣ラム》

《M.X-セイバー インヴォーカー》に《エクシーズ・アーマー・フォートレス》→《FA-ダーク・ナイト・ランサー》で2枚サーチ

《十二獣ラム》→《十二獣ワイルドボウ》→《十二獣ドランシア》と乗せる

《アーマード・エクシーズ》を発動して墓地の《M.X-セイバー インヴォーカー》を装備、装備を《十二獣ドランシア》で破壊する。
使った《アーマード・エクシーズ》は《FA-ダーク・ナイト・ランサー》で回収

《十二獣ドランシア》の上に《十二獣ライカ》を乗せて《十二獣ドランシア》蘇生、《十二獣タイグリス》を乗せて《十二獣ドランシア》に素材補充

◎Tips
《十二獣ラム》は《十二獣タイグリス》に埋めておいたほうがお得

驚異の召喚権を使わない1枚からの着地狩り3回の構え
これが《彼岸の黒天使 ケルビーニ》からの勇者プランと選ぶことができ、《SRベイゴマックス》のバリューが跳ね上がりました。
ちなみに《十二獣の会局》+十二獣でもほぼ同じ動きになります。

細かいところだと、この構えは勇者ギミックが盤面に追加されることが多く、ここにホルスも追加する場合は盤面の埋まりへの注意が必要なので、エクシーズをexゾーンに逃がすといったプレイも頭の片隅に入れましょう。
(下記画像よりも《十二獣タイグリス》を上に置けるように展開したほうがよい)

盤面かつかつの5妨害盤面


◎汎用カードの採択(個人的な評価)

今回の構築では手札誘発を《増殖するG》《灰流うらら》《PSYフレームギア・γ》の8枚のみにしています。

一般的に十二獣といえば1枚初動デッキとして誘発を大量に積み、対象の損失も《天霆號アーゼウス》で流す~という構築が多いように感じます。
特にスネークアイ環境においては《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》の評価が高い傾向が見受けられますが、個人的にはこの考えは否定的です

避けるな

理由は仮想敵とする展開デッキが1枚程度の無効誘発なら平気で貫通してくることです。
どのタイミングで撃つ無効誘発にも一定の裏目があり、相手の攻め手の重ね引きによっては遜色ない盤面があります。

「それを防ぐ為に重ね引きしないといけないから複数枚採用する」という論理も納得はできますが、この前提は毎回重ね引きできてないと成立しません。
逆に1枚しか引かないリスクというのも採用枚数を増やしたことで確率的には上昇しているので、「重ね引きしようと枚数を増やしたのに実際は貫通されて返せなくて負ける試合が増えた」という体験が増えているように個人的に感じます。


また今回のホルスは手札の枚数が手数に直結するギミックであることから、後手で使える手札枚数を確保したいという観点も含め、確実に1:1交換が成立する《灰流うらら》と《PSYフレームギア・γ》以外を採用しないことにしました。
特に《PSYフレームギア・γ》は《R-ACEタービュランス》への確実な対処方法であり、相手の《灰流うらら》への理想的な回答の為、使えるなら絶対使うべきです

正直《灰流うらら》も《灼熱の火霊使いヒータ》の存在も含めて個人的には言うほど必須じゃないと思ってダイヤ帯のプロトタイプ案で当初は抜いていたのも試しましたが、

・デッキ全体が若干《増殖するG》に重くなった
・《ホルスの栄光-イムセティ》《サイバネット・マイニング》のような当てると大有利レベルカードが環境にある
・本当に無抵抗になって捲り切れない場面があった

のが気にかかり、マスター帯の現構築で渋々戻したところ上記の成績に落ち着いていたので、安定は正義なんだなと思いました。
理論上は1:1交換レベルのカード入れるよりはホルスの手数にしたりよりよいリターンのカードを取るほうが強いはず。


とは言え後手で誘発を撃つ機会が少ない=最大盤面のほうが盤面状況が悪化する(追加の妨害が増える)…という側面があるわけですが、今回は後手の圧倒的な手数で無理やり踏み越えるという強引なアプローチが取れることでギリ成立していると考えています。

一押しは《三戦の才》。
《S:Pリトルナイト》の登場により、コントロール奪取から2~3面触れる機会が増え後手札としての評価が高め
【ホルス】においては2ドローも手数増において貴重な要素です。

とは言え2枚入ってるの被った時に気持ち悪いので、ここを《アラメシアの儀》の3枚目に変えるのがかなり自然な気がします。


◎EXの採択


必須枠

上の12枚はほぼ必須枠。
正直《M.X-セイバー インヴォーカー》展開強すぎて《彼岸の黒天使 ケルビーニ》いらない説感じる瞬間もありますが、手札状況に応じて足りないほう持ってこれるかどうかは重要。


候補(一般的に検討されそうなものも含む)

上が他に入れるとする候補ですが、個人的に最も優先度が高いのは2枚目の《S:Pリトルナイト》。
《PSYフレームギア・γ》が通った際のリターン先を兼ねるので、専用枠を取る必要がありません
また【ホルス】【勇者】【十二獣】の全てのギミックから返しの選択肢となる為、1ゲーム中に2枚使えるほうが大事と考えています。

難しいのが8エクシーズの枠で、そもそもそんなに出すのか?というので結構評価が分かれるポイント。
いくら十二獣との組み合わせでホルスを4体無理なく展開できる可能性があるとは言え、2体8エクシーズを並べる機会はほぼありません
この枠も《S:Pリトルナイト》である程度兼ねることができます。

今回はホルスを妨害に変換する選択肢は欲しかったので最低限の《No.90 銀河眼の光子卿》1枚としてます。
追加の妨害なら《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》、捲り手としては《宵星の機神ディンギルス》や《銀河眼の光波竜》といったより良い択がありますが、《No.90 銀河眼の光子卿》であれば後手でも相手の妨害を踏みやすい為、これ1枚あれば十分として枠を他に回してます。

またホルス同系を見るのであれば《No.68 魔天牢サンダルフォン》も蓋としてかなり優秀ですが、十二獣ギミックは全体的に《王の棺》に触りやすくそこまでの不利を感じなかったため、体感としては不要。


直接の負けに響いた試合はなかったけどたぶん必要

オリジナルのリストから明確に15枚目の入替として必要と感じたのが《十二獣ハマーコング》で、このカードだけはあるかないかで取れるプレイの選択肢が変わるので、今月回すなら《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》と変えて入れます

主な理由としては2つあり、

2無効妨害を貫通して6素材《天霆號アーゼウス》を出して捲る為に必須
6月からはいないが《えん魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ》+《フルール・ド・バロネス》+無効妨害のような盤面を捲るのには5種類の十二獣エクシーズを重ねる必要がある。

②最初の十二獣展開の才に《十二獣ワイルドボウ》を使ってしまうと、2枚目の十二獣を引いた時に《十二獣ワイルドボウ》→《天霆號アーゼウス》の択が取れなくなってしまう

一方《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》については《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を経由せずに相手の妨害を踏みに行けるのが唯一無二のポイント。
効果を使って踏めれば《FA-ダーク・ナイト・ランサー》に変換して追加で1~2妨害踏みにいくことができるので、正直かなり悩ましい部分です。

ただこちらのほうがゲームプランの択が相手依存になってるので、基本的には能動択の《十二獣ハマーコング》のほうが良さそうです。


【おまけ】

●《FNo.0 未来龍皇ホープ》《FNo.0 未来龍皇ホープ》
《十二獣モルモラット》1枚展開を2妨害にすることができるようになったので個人的には不要。
そもそも《十二獣モルモラット》効果が絡むゲーム展開がほぼなく、EXに2枠割く余裕がない。

●《I:Pマスカレーナ》
たしかに相手ターン《S:Pリトルナイト》除去を構えられるが、モンスター追加1体を使ってまで構える必要が特にあるのかは懐疑的。
枠としても1枚ずつ入れるより《S:Pリトルナイト》を複数枚とるほうが重要と考えてます。

●《PSYフレームギア・γ》用の枠
先述の通り《S:Pリトルナイト》でよい


◎その他の採用候補


最近転生炎獣で使ってるけど評価上がり気味

●追加の十二獣/《炎舞-「天キ」》

もう1枚あってもいいかもとは思うけどあまり必要性を感じない枠。
たしかに《王の棺》のコスト捻出を考えると十二獣は引きたいものの、複数枚引いても手数としきれないのが悩みどころ。
《十二獣モルモラット》展開をすると《十二獣の会局》が死に札になってしまうので3種目が欲しいかもだが《十二獣モルモラット》召喚が現状レアケースなので、今の枚数で割と満足説。

《炎舞-「天キ」》経由であれば単体で十二獣展開での2妨害が確定するのは魅力的。
《炎舞-「天キ」》1枚目≧《十二獣ヴァイパー》>《十二獣サラブレード》>《炎舞-「天キ」》2枚目以降 ぐらいの評価

●《拮抗勝負》

誘発を削っている分、手数でゴリ押しする!とは言ってもボーナスつきの《CONTAIN!》《R-ACEプリベンター》が絡んだR-ACEの展開を捲るのはなんだかんだ大変なので候補。
ただ《天霆號アーゼウス》という択と相反し、永続だらけの為先手時の後引きでの使用がほぼ不可能なので、現状の手数プランでいいような気もする。
というか手数を重視してるのにこれを入れて解決するのは構築の敗北な気がする
(そのくらいしないと無理なぐらいR-ACEが強いのはある)


●《ハーピィの羽根帚》《レッド・リブート》

同上。よりR-ACEに重きを置いた選択肢で、こちらは先手での後引きに多少は耐える。ただし罠デッキ相手ピンポイント。

●《禁じられた一滴》

難しい。
捲り札としては複数枚に触れることもありかなり優秀で、【十二獣】【勇者】ギミックは回ってしまえばパーマネントがかなり増える為、コストも捻出しやすいが【ホルス】の手札要求と相反する

ただ現状の構築の必敗パターンの1つがメタビートのSS封じで、実際《無限泡影》を切った弊害として先攻の《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を処理できず1敗しているので、こういう枠が欲しいのは事実。

また《天霆號アーゼウス》をケアする《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》相手に「一応」抗うことはできるが、ほぼ無駄。
センチュリオン来るまでは下火になりそうなので無視できそうなポイントではある。


●《抹殺の指名者》

際どい。
確かに《増殖するG》も《灰流うらら》も《墓穴の指名者》も止めたいが、それ以外にも有効に打てる場面の多い《墓穴の指名者》と比較するとそんな強くない印象。

デッキ全体としては比較的《増殖するG》受けはよく、《灰流うらら》や《墓穴の指名者》は別アプローチで止める手段もあるので必須かと言われると難しい。


●《原始生命態ニビル》

1:1交換以上が可能な手札誘発だが、《S:Pリトルナイト》の登場で自然にケアされてるパターンも増え、個人的な評価はだいぶ落ちてる。展開デッキを重く見るなら。


●《おろかな埋葬》

追加の《アラメシアの儀》だが、逆に言うとそれしか用途がなく大して強くなく抜けた
アクセスできている場合に被って引いた時が致命的。



(4)欠点


ここまでいいところばっかりピックアップして書いていましたが、このデッキには無視できない最大の欠点があります。


たぶん1度でも使うとすぐにわかると思うのですが、このデッキなんとデッキ内の1/4(10枚)のカードが素引きしたくないゴミです。ゴミ山か?

赤枠が素引きしたくないゴミ

まあ残り30枚がかなり強いカードなのでそれ相応のリスク…とは言えないレベルで多いです
数試合に1試合は阿鼻叫喚の手札がきます

なーにがFA展開で手札コスト捻出じゃボケ~
※このあと勝ちました


ただそれを差し引いても勝てるスペックがあるのが【ホルス】の魅力
上の手札も《ホルスの栄光-イムセティ》への《灰流うらら》を《PSYフレームギア・γ》で弾くことに成功し、《王の棺》から《S:Pリトルナイト》と《No.90 銀河眼の光子卿》のみのお願い展開で無事生き残って勝利することができました。

全てのゴミを許容し手数に変える《王の棺》、いわばSDGsを体現したサステナブルな構築の実現を助ける神カードと言えるのではないでしょうか(?)


あ、当たり前ですが《王の棺》に触れるカードは6枚しかないのでもちろんゴミを抱えたまま戦うことも多いです。

当然抱えただけ弱いのですが、そうした側面がありながらもきっちり先後問わず勝率が確保できてるのは他のギミックがそれをカバーするぐらい強かった(特に【十二獣】)から、と思ってます。


ということでこの記事を読んでそのまま真似してゴミをいっぱい引いてもキレない寛容で社会貢献に協力的な方のみの使用をオススメいたします。
決して自分に石を投げないでください


あ、あと真面目なところだと《拮抗勝負》が流行るとホルスの宿命として辛いです。
《流離のグリフォンライダー》で弾いたり《S:Pリトルナイト》で緩和はできるのでましではありますが、しっかり2枚目の《王の棺》を手札にキープするなど、一発で半壊しないようにリソースを残すことを意識しながらプレイするのも大事です。



(5)おわりに


ということで久しぶりに解説を書いてみましたが、少しでも興味を持っていただけたでしょうか?
今回は時間の関係もあり割と短め(※15000字)の内容ですが、何かしらで構築の助力になれば幸いです。

今回は久しぶりに手ごたえのある形にまとめられたので、ぜひ《アラメシアの儀》を3枚入れてゴミと付き合いながら試してみてください。
枠は色々かつかつですが、軸がしっかりしているので細部調整のしがいもあり、対戦回数を多くこなす今月のDCでも先後を問わない安定感のある選択肢として非常におすすめできるアーキタイプだと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

特に有料部分には何もない(0字)のでコーヒー代を恵んでくれる石油王の方は道楽にお恵み下さい(乞〇

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