見出し画像

対ティアラメンツ (後手)奮闘記(2023.5)【遊戯王 マスターデュエル】

※100%日記レベルのメモにしようと思ってたんですがそんなこと言ってられない文量になってました

右上に40000字超とかいうとてつもない文量が見えますが全編無料です。
脳内の試行錯誤の過程を全部言語化したら筆が乗りすぎました。

試したデッキとかの実践例をさくっと見たい方は目次から吹っ飛ばしてみてください。


この記事を書いていた2023.5時点で、マスターデュエルは圧倒的ティアラメンツ一強環境です。(編注:書いてるうちに6月になってます)

特に先攻での盤面制圧とアドバンテージ確保は全盛期のハリラドン環境を彷彿とさせるものがあり、生半可な手札では一瞬にして完封されてなすすべなく敗北するのが定番の流れとなってしまっています。

ではティアラメンツ以外のTier2以下のデッキはというと、
・妨害さえなければティアラメンツ側がほぼ返せないような圧倒的展開盤面を作る
・ティアラメンツに対して有効な置物(永続)を置いて機能不全にさせる
といったアプローチが大半で、世はまさに大先攻時代といえるほど、先攻でやれることやったもん勝ち、という環境です。

こうなってしまうともはや
「じゃんけんを勝った側が実質勝ち」
「勝率は基本50%で下振れると負け越す」
とも言えるのですが、果たしてこの状況に迎合して自分も同じアプローチをとっていくのは正解なのでしょうか。

つまり「後手を勝つ努力・採択をすれば勝率基本50%のラインから抜け出せるのでは?」というのが今回の思考のスタートです。


折りしもWCS予選期間が始まり、Lv17~20帯は普段のランクマッチと比べて
・失うものがほぼない(負けても戻しやすい)
・みな勝ちにきているはずなのでTier1~2との遭遇率が高い(ダイヤ1帯より精度が高い)
という状況なので、いくらでも負けられて仮想的相手に試し放題というスパーリングにはうってつけの環境です。

ということでこの1週間足らずの期間を利用して、本当に色々なデッキを触って時間を無駄にしてみました。


あ、ちなみに本戦はやってません。ティアキン最高。



1.はじめに

まずこのエントリーを「(ランクマで)ティアラメンツに勝てるデッキのヒントを探りたい!」と思って読みに来た方には大変申し訳ございません。

私は最強

結論から書いてしまいますが純粋に勝ちたいのであれば余計なプライドや拘りを捨ててあなたもとりあえずはティアラメンツを使うべきです。
ティアラメンツは先手での押し付けが強烈なだけでなく後手捲りや同系以外への対応力についても非常に優秀で、間違いなく2023.5現在の環境のベストデッキです。

生半可な後手捲りカードは自然に解決できるかそもそも捲りになっていないケースも多く、デッキ/カードパワーも頭一つ抜けていることから純粋なメインギミック勝負においてはまず負けません。
またデッキを削るイシズギミックのリスク性質上「ティアラメンツの一番の対策がティアラメンツ」の側面もあり、正直自分が使わないことがリスクになるのが現実です。

「デッキ選択でティアラメンツ以外を使って有利を取る」という発想はそもそも難しい
という前提を踏まえた上で、以下の後手勝率向上奮闘記をご覧下さい。
ティアラメンツ内での後手札の採択基準にも活かせる内容にはなっていると思います。

2.超えないといけない要素の整理

大体遭遇頻度順に書いてますが、基本的に下記の要素が複合されて構えられています。
特に各妨害がフィールド(前後)・墓地・手札と散らばっているのが崩すにあたって非常に厄介で、単一領域への対処札だけでは崩しきれないのがポイントです。

①《ティアラメンツ・ルルカロス》

基本にして頂点

適切に《ティアラメンツ・キトカロス》が回ればほぼ出てくると想定していいでしょう。
妨害要素は非常にシンプルな「特殊召喚効果1回無効」だけで拘束力としては低めに見えますが、このカードの存在で特殊召喚による手数での乗り越えを牽制されている為、打開できるようなEXモンスターに繋げる事自体を困難にしています。

前面処理カードが比較的有効ですが、《無限泡影》のような対象に取るようなカードは《スプライト・エルフ》や《神・スライム》で間接的に対策されているのが多いのに加え、蘇生効果により破壊全除去などにも実質耐性があり、対応できるカードは限られています。
中途半端なデッキだとこのカード1枚で詰みます。

②ティアラメンツ罠

簡単にアクセスして質の高い後面妨害を増やすな

少なくともいずれか、大体2種構えられてると考えていると考えていいでしょう。

《壱世壊に奏でる哀唱》で召喚権の効果を封じ、《ティアラメンツ・ルルカロス》で追加の手数を潰すという2枚の布陣だけで相互補完がされています。
加えて万能カウンターである《壱世壊に澄み渡る残響》が非常に厄介で、上記布陣に有効そうな《三戦の才》《拮抗勝負》等すら止められる上にほぼ確実に打ててしまう為、構えられると回答が限られてしまいます。
またそれぞれのコストでティアラメンツを送ることで更に妨害が増える可能性が高いのが対処の難しさに拍車をかけています。

《壱世壊に奏でる哀唱》には実質的な破壊耐性があることから後面除去では不十分なケースもある為、対処としてスマートなのは前面のティアラメンツを処理して機能不全にさせることがベストですが、手札から出てくる《ティアラメンツ・ハゥフニス》の存在もあり完全に腐らせることは難しいです。
そもそも中途半端な前面対処では《壱世壊に澄み渡る残響》に阻まれがち。

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体

①や②のコスト、また《ティアラメンツ・ハゥフニス》やイシズ系で落ちるケースも含めての想定。
基本的には《ティアラメンツ・カレイドハート》や《捕食植物ドラゴスタペリア》で1妨害ずつ増えるという認識。

また相手によっては上振れて《エルシャドール・ミドラーシュ》で展開完封されたり《神・スライム》で耐性つけられてみたいなこともあり、これは遭遇率としては低いですがいざ対処する側になると相当面倒。
共通しているのは《深淵に潜む者》や《No.41 泥睡魔獣バグースカ》から《天霆號アーゼウス》といった捲り筋が封じられます。
《エルシャドール・ミドラーシュ》が減っていたタイミングでは現実性のある捲り手段でしたが、《神・スライム》型が現れてかなり怪しいプランとなりました。

①や②を踏むと流れで相対するケースが非常に多く、まともに付き合うと詰みがちですし、不用意な場の効果起動から《ティアラメンツ・ハゥフニス》が飛んできて踏むことも多々
一応妨害の中では墓地利用なこともあり、特定の墓地阻害カードである程度妨害しやすい部類ですが、1:0交換になりがち。

④イシズ系・《深淵に潜む者》での墓地妨害

※編注:6/8から墓地イシズは制限になったので若干確率が減りました

墓地にあるので対処しづらい
ティアラ以外も詰みうる

墓地が肥えると大体1枚は落ちてるイシズギミックにより、間接的に墓地利用もほぼ封じられています。
一番の問題は墓地からフリーチェンで使える為に発動をとにかく阻止づらいことで、基本的には「使わせる」しか踏む手段がありません。
墓地を手数として利用するデッキは基本的に影響を受けやすい為、間接的に1手以上失う結果となりがち。
当然2種いれば2手消えるので、前提として墓地利用デッキで返すのは(同系の物量でやっとで)かなり現実的ではありません。
また《壱世壊=ペルレイノ》が絡むと実質フリーチェーン破壊となってしまい、単純に対処しないといけないパーマネントが増えます。

ならイシズがあっても使える墓地発動サーチとか主体なら相手の落とすイシズにも耐性がついて…と言ってるとティアラ対面を意識した先攻《深淵に潜む者》ぶっぱをされるとまとめて死ぬ可能性があります。

⑤《古尖兵ケルベク》

なんで手札効果で妨害するんですか?

忘れた頃に飛んできてクリティカルヒットします。
意識していればケアはしやすい部類ですが、一定のギミックにとっては「あったら負け」になりがちで、存在自体が問題。

また相手にイシズを使わせる隙を与えるとどのタイミングからでも飛んできます。

⑥《ナチュル・エクストリオ》

編注:6/8に《デビル・フランケン》が禁止になり以降は出てきません

存在がガン

いわゆる「上振れ」要素の最高峰ですが、圧倒的な墓地肥やしの性質上アクセスされる確率も高く、高頻度で発生する上振れと考えたほうがいいです。
こんなのを簡単に出すんじゃない。

捲り札として有効とされる《三戦の才》《拮抗勝負》のようなカードをまとめてケアできる上、Tier2以下の魔法罠依存デッキを1枚で否定してきます。
対処方法がモンスター効果に限られたところを《壱世壊に奏でる哀唱》《ティアラメンツ・ルルカロス》の布陣で固めているので妨害補完としても完璧です。

正直かなりどうしようもない部類なのですが、「魔法罠に依存しすぎない」というのはある程度課題となります。


他にも構築によっては《M・HERO ダーク・ロウ》が飛んできたりしますが、これに関してはメインギミックの中でアクセスする手段がないので、とりあえず置いておきます。


●簡易対処案まとめ

①《ティアラメンツ・ルルカロス》
・対象を取らない破壊以外の方法でどかす
・効果を頑張って無効にする
・物量で上から踏む

②ティアラメンツ罠
・前面ティアラを先にカウンターされないようにどかす(難易度激高)
・後面除去でどかす(非破壊が望ましい)

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体
・墓地阻害や手札誘発で融合自体を止める
・踏まない努力をする

④墓地阻害系
・墓地に依存しすぎない

⑤《古尖兵ケルベク》
・極力自分から踏まないように努力する

⑥《ナチュル・エクストリオ》
・魔法罠に依存しない
・モンスター効果中心にどかす(難易度激高)

【そもそも】

回させなければ少なくとも①⑥はほぼ絡まない

いや無理では?(全ユーザーが思ってる)

④⑥の時点で構築の前提を要求されている上で、①~③が場のモンスター効果にかなり強いので相当難易度が高いです。

最後に「回させない」ともありますが、ティアラメンツ自体は貫通手段もギミックの中で揃っているので、一概に手札誘発を採用するといっても

手札誘発で1:1交換での阻害では不十分なことがある
・初手の5枚の中に必要
⇒6枚目で引いて間に合わないケースをどこまで許容できるか?
⇒先攻で誘発を抱えながら盤面は十分確保できるか/誘発を有効活用できるか?

等を検討していく必要があります。


3.後手札の評価比較/検討

基本的に単体としての評価で書いてますが、たまにデッキ単位の話も書いてます

①《増殖するG》

初手5枚:◎ Tier0
6枚目:〇
ティアラ以外:〇

なんでこんな当たり前の基本を引き合いに出すねんという話なんですが、理由としては「損をしない」という唯一無二性の抑制と、構築の考え方に影響を与えるカードと考えているからです。

《灰流うらら》や指名者系の採用率が下がっていて効果の適用が通りやすくなっているのも踏まえ、撃たれた相手からすれば

・中途半端な妨害数で止まって相手のドロー量を抑える
・ある程度ドローさせてでも自分の妨害の質を上げる

の不自由な二択を迫り、どちらに転んでも自分は初期手札以上の枚数を抱えてターンが回ってくることになります。(本当に当たり前ですが)
当然追加の手札誘発を引ける確率も上がりますし、後手札を引く確率も上がりますし、妨害を貫通できる手数を用意できる可能性もあります。
仮に6枚目に引いたとしても相手のティアラ効果の牽制としては及第点以上で、後手捲りカードを引けるチャンスをもらえます。

以上から「何としてでも引きたいカード」の最優先の為、この環境でデッキ枚数が41枚以上に膨らむのはその時点で構築の敗北と考えています。
まあ普通に誤差やろとかいって41枚以上のデッキ組んでたりしたけど

②《灰流うらら》

初手5枚:△
6枚目:基本× 実質相手の《増殖するG》ピンポ
ティアラ以外:◎

諸説あると思いますが個人的には「対ティアラだけみるなら」全く強くないという印象。
打ちどころ自体はもちろんあるのですが、どこも貫通されるような部分ばかりだったりチェーンの組み方によっては一番打ちたいところに撃てなかったり、最適解ではないというケースが多め。

期待する役割としては

①相手の《増殖するG》に撃ちたい
②ティアラメンツ以外に対しても広くみたい

部分になると思いますが、ティアラ相手に有効と考えず、①の為だけに入れるのであれば「そもそもそんなリスクのある展開デッキを使う理由あるの
か?
」という前提が先に出てきて本末転倒では?という疑問が生まれます。

ただ前述の通り《増殖するG》自体は間違いなく撃たれるカードであり、止めることでのリターン自体はティアラメンツ自体も含めて展開デッキによっては大きいのも事実で、考え方次第だなあという枠。
これも使うなら絶対40枚構築

また無視できない点は「採用枚数が増減している風潮があること」で、このカードの流行度によって強弱が変わるデッキが少なからず存在します
例えば《灰流うらら》の採用数が減れば《隣の芝刈り》や《烙印融合》、春化精といったカードは格段に通る確率が上がり相対的な勝率upが見込めますが、それらのデッキを意識しはじめて3枚入れる風潮になれば勝率は明確に落ちます。
単体としての採用だけでなく、自分のデッキ選択という面でも常に考慮におく必要のある1枚。

③《無限泡影》(効果無効誘発)

初手5枚:〇
6枚目:△
ティアラ以外:◎

これも人によって評価が分かれてそう。

数ある汎用誘発の中では初手で握っているカードの中では「一番まし」の部類。
《ティアラメンツ・キトカロス》に当てた際の貫通札は限られているので、クリティカルに当てられればかなり動きを抑制できます。
ただ最近は《壱世壊に渦巻く反響》の採用率も上がり貫通されるような場面もちらほら。

問題になるのは撃った後にもあって、「ちゃんと+《壱世壊に奏でる哀唱》の盤面超えれる?」という課題は絶対にクリアする必要があります。
結局《ティアラメンツ・キトカロス》の墓地効果が通ってしまえば一気にアドバンテージを与えてしまう為、「撃ったあと適切に対処できるか」はかなり重要になります。

カード枚数で見れば1:0交換になりがちなカードなので、1枚初動基本でほかのカードと組み合わせて《壱世壊に奏でる哀唱》を超えることは構築段階である程度意識が必要
特に2枚初動が要求されるようなデッキでは返しで動けないor妨害もらって《ティアラメンツ・キトカロス》の効果を生かされてしまうケースが多く、思ってたゲーム展開と違う!みたいなことも多いです。
(でも代わりの後手札で返せるの?という懸念はある)

また6枚目引きでの性能としてはティアラ対面だけで見れば比較的信用が薄いです。
《ティアラメンツ・ルルカロス》に撃つにも《スプライト・エルフ》や《神・スライム》、最悪《ナチュル・エクストリオ》がいると実質発動不可。他のカードと組み合わせて対象耐性付与を剥がすことが要求されていきます。
《深淵に潜む者》を仮想敵としてスタンバイまでにぱなしてくれるかは相手のケア方法に依存(※1)、《クロノダイバー・リダン》に至ってはまともに撃てません。
反面ティアラ以外の前面妨害には有効な場面が多いのは悩ましいところ。

細かい部分だと展開後の盤面で《増殖するG》で引いてきても妨害にならない、先攻で場に置くと《拮抗勝負》で流されやすい(※2)などの点もあるのがデッキの動きによっては悩ましいところです。
最近《エフェクト・ヴェーラー》とか《朔夜しぐれ》でも遜色ないのでは、という気がしてます。
《三戦の才》や《古尖兵ケルベク》のトリガーになるというリスクもありますが、特に《スモール・ワールド》を使わないといけないようなデッキではしっかりと吟味が必要と感じました。

※1:《三戦の才》や壊獣系ケアとの択だが個人的にはスタンバイまでに撃つ意味は薄いと思う
※2:主に基本盤面に魔法罠無効を構えられず盤面に複数のカードを構えるデッキが顕著(エクソシスターとか)

④《浮幽さくら》

初手5枚:◎といいたいけどティアラ以外での採用は個人的には△
6枚目:ほぼ×
ティアラ以外:採用するex枠にもよるがほぼ×

《ティアラメンツ・キトカロス》がやばいなら直接潰しちゃえばいいじゃない、という誰しも思う発想。
かなり採用したデッキをこすりましたが、数を重ねるうちに「自分がティアラを使わない限り撃っても結構負けてない?」というのに段々気づきました。
というか冷静に考えてみれば当たり前でした。

ティアラメンツ側の被弾後のプランを考えると

①《壱世壊に澄み渡る残響》を落として《ティアラメンツ・キトカロス》を除外から回収する
②《ティアラメンツ・カレイドハート》の融合に繋いでそのスペックで立ち回る
③エクシーズ・リンク等の他の要素で立ち回る

あたりが考えられますが、これらの解決手段へのアプローチは明確でとにかくデッキを掘ること、つまり最も簡単な解決は《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》を全力で起動していくことです。

全力ゴリラされるのを自ら肯定させていく

そうなった先に待つのは魔法罠が落ちていくことによる圧倒的なアドバンテージ生成、ティアラが落ちて融合する先さえあれば盤面も当然増えていきます。
《浮幽さくら》で:1:0交換をしてしまってただでさえ手札が減っている自分とのアドバンテージ差は歴然、気づけば《ティアラメンツ・キトカロス》も回復して…いつのまにか普通に負けてるというのカラクリです。
自分もティアラメンツであればこのアド物量に負けることも少なく自分だけギミックを回せ、相手のイシズ効果も当然ながら大きなリスクになる為、ほかのデッキと比べて有効に活用できるというわけですね。

とは言え適切に決まれば瞬間的にはほぼ《無限泡影》の上位互換のはずではあるので、返しで適切に動ければ勝てる試合自体はもちろん多いです。
しっかり返せるような採用するデッキの骨太さが重要


ここまでの敗北ルートが見える先攻1ターン目発動成功の意外と薄いリターンに対して、6枚目以降で引いたこのカードはほとんど役割がありません。
また先攻で自分が展開して構えた場合は当然《ティアラメンツ・キトカロス》スタートに撃てないので、持ってても何も撃てずにただ1枚腐って負けていきます。
そしてメタ対象外にはもちろん一生撃てません。
(そもそも線が細いデッキ中心で使ってたのが問題ですが)ハイリスクローリターンな誘発というイメージを持っています。

ということで評価としては懐疑的なわけですが、「先攻や6枚目で引くと弱い問題」の解決も併せ、採用を試したデッキでは別のプランを主軸にしての採用を試してみました。
具体的には後述の実践例を見てもらったほうがわかりやすいのですが、「完全耐性モンスターを《閉ザサレシ世界ノ冥神》を飛ばして回答のない状態にする」という発想です。
(それ以外には《双穹の騎士アストラム》等を選ぶ)
ティアラメンツ側のEXがほぼ固定化され解決手段が限られていることに着目したもので、このプランがあれば相手のリソースが幾重にも膨れ上がったとしても、1枚で完走が狙えます。

我ながらこの注目点は天才では!?と思ったのですが…

あ、じゃあデッキ削りますね
あ、ケルベクアギド使いまわしながら自分のデッキ切れは防ぎますね

ダメでした

相手からすると「まっとうには勝てない」状況にはなりますが、「負けないでターンを引き延ばす」ことはできるので、イシズ連鎖によりデッキ切れを狙われることで敗北するという事実に気づいてしまいました。
まあ対面でここまで丁寧にしてくる相手はそんないないので投了されるかそのまま勝つことも多かったですが

【追記】
6/8で《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》が制限になり、使いまわしからのデッキ切れプランはかなり難しくなりました。
従って回答拒否のプランが前期と比べて使いやすくなったと思われます

あとは個別の完全耐性を使う側のデッキにも様々な難があるのに加え、結局そうしたプランを取るデッキは《浮幽さくら》を引いてないと普通に《閉ザサレシ世界ノ冥神》で解決されるのも大問題でした。

ということでまとめると

①ティアラなら採用はありだが、初手5枚に引かないといけないのとほかのデッキ相手に全く撃てないリスクを内包している
②ティアラ以外で普通に入れるだけだとイシズからのアドバンテージに圧し潰されて負ける事も考慮する。元のデッキ自体の太さが大事
③《ティアラメンツ・キトカロス》を飛ばす以外の用途で有効活用できるならありだがオススメできない

というのが個人的な結論。

⑤《ディメンション・アトラクター》

初手5枚:◎(※後手時)
6枚目:盤面にもよるが〇
ティアラ以外:△

初手に握っていれば最強レベルの拘束力、後から引くと使えないと両極端な性能。個人的にはあんまり好きじゃないタイプのカード。

最大の評価点は《墓穴の指名者》の採用率が下がってる現在貫通方法がほぼなく、罠を構えるにしても4エクシーズを立てるにしても相応の損を強いることができる為、かなりの確率でターンスキップを狙え自分の有利な状態でゲームを始められること。
他の誘発だと複数手による貫通に対応できないことが多いですが、1枚でほぼシャットアウトできるのは唯一無二性があります。

特に自分が後手の場合の相手ターン1ターン目で決まった際のリターンは素晴らしく、返しのターンの《増殖するG》を間接的に妨害して展開を通すのに貢献したりもします。
また6枚目で引いた場合でも盤面のパーマネントを荒らすことでのリソース勝負に持ち込める可能性が生まれること、何より《ナチュル・エクストリオ》に後撃ちして解決が見込める可能性があるのは大きいです。


一方で自分の先攻1ターン目に撃つのは正直あまり強い行動ではなく、かなり祈りの籠った発動となりがちです。
またこのカード単体では基本1:0交換であり損であること、後引きした際に撃てず死に札になってしまうことから、

・少ない枚数での初動で明確に動けるようなデッキでの採用が望ましい
・損を取り返しやすいカードの採用ができる
・後引きしても何かしらで使える用途があれば最高

といった側面も持ち合わせています。
何より自分が墓地に依存しない必要があるというのが採用上の最大のネックで、取れるデッキの選択肢がかなり絞られてしまいます。


以上からかなり個性の強いハイリスクハイリターンな札ではあるのですが、現実問題ティアラメンツ側の先攻力が圧倒的な為、初手5枚での実質的な4~5枚目の《増殖するG》として使えるのであれば最も勝率改善が見込める誘発であり、リスクを背負う価値がある(背負わざるを得ない)と考えています。
とはいえ前述の構築上の課題も大きく、デッキ全体で採用にあたってある程度意識をしながら使う必要あり。

はやくクシャトリラ使いたいね。


⑥《三戦の才》

ここからは誘発以外の捲り札比較です。
捲り札共通として、1:1交換では到底間に合わない為、複数のパーマネントに対処できるカードで考えています。

先攻時:相手に大きく依存するが〇
ティアラ以外:〇

①《ティアラメンツ・ルルカロス》
対象をとらずどかせる為、単騎盤面に対して非常に有効

②ティアラメンツ罠
単騎盤面であれば完全回答だが《壱世壊に澄み渡る残響》があると当然マスカンで対応されがち
2体までの盤面ならぱくる→殴るで《壱世壊に奏でる哀唱》を消費する展開が狙える
《ティアラメンツ・ハゥフニス》に注意

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体
発動条件は満たしているのでパクって活用できる可能性はある
(対面が適切にケアしているなら守備で出すはずだけど)

④《深淵に潜む者》・墓地阻害
直接の対策にはならないが、相手のプレイによって発動誘発トリガーにさせられる可能性が高い

⑥《ナチュル・エクストリオ》
無理

捲り札としてお馴染み、汎用性も高くティアラ以外の対面でも誘発さえ投げられれば大抵は発動できる為、自分が誘発をもらうような展開デッキであればさほど腐ることはないでしょう。
先攻での誘発に対してドローorハンデスでテンポを取れるのが大きく、後手札採用ながら先攻でも十二分な役割があるのが他のご手札との圧倒的な差です。

一方で留意するべきなのは

どこまでも相手に依存するので先攻時の活躍は安定しない
・後手時の発動条件を満たす為に何かしらを「踏む」必要がある
・コントロール奪取した先の活用がある
・単一の1:1交換程度としてしか活躍できないと物量で勝てない

で、手放しに採用できるカードではない点。
結局踏んでコントロール奪取しても動けないのであれば解決にならないですからね。
生半可デッキでは「踏む」のも一苦労で、相手に適切にケアされた場合は腐ってしまうことも。
また前述の通り《壱世壊に澄み渡る残響》のマスカン対象になることが多いため、「踏んだあとさらに通らない」で2手消費する展開は往々にしてあります。

総合的には手数がありリンク等を活用できるデッキでの採用が望ましく、この条件を満たさないデッキでの採用はあまりよくないと考えています。

⑦《拮抗勝負》

先攻時:×
ティアラ以外:〇 特に罠系デッキに◎

①《ティアラメンツ・ルルカロス》
取り巻きや罠を根こそぎ対応できる為、本体を守るカードを剥がせる
が、本体を残されることが多いのでルルカロスが重いデッキでは単体では解決にならない

②ティアラメンツ罠
性質上基本的には剥がせるが、やはり《壱世壊に澄み渡る残響》がマスカンとなり止められるのが最大のネック
止められるとバトルフェイズも行えない為、後続の返し要求値が高くなりがち。

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体
《拮抗勝負》が通ると出てくる可能性が《ティアラメンツ・ハゥフニス》や見える《ティアラメンツ・ルルカロス》や《スプライト・エルフ》に限定される為、ある程度は見てから対処がしやすい
《拮抗勝負》発動前に先に使わせられればなおよし

④《深淵に潜む者》・墓地阻害
無理

⑥《ナチュル・エクストリオ》
無理

後手捲り札の代名詞。
通りさえすれば」1枚で複数のパーマネントを対処でき一気にアドバンテージ差を縮める・離せる可能性が高く、性質上ティアラメンツ罠を完全無力化して捲りに繋がる可能性があります。
特に他の捲りカードと比較しても枚数的に対処できる枚数が圧倒的に広いのが最大の魅力。
後手で通ることを前提で考えるのであれば、《三戦の才》と違いどのデッキでも入れやすくは見えます(実際はそんなことはない)

ただそのハードルは意外と高く、《ナチュル・エクストリオ》はともかく基本的に構えられる《壱世壊に澄み渡る残響》が最大の障壁。
相手が適切な盤面構築をしているのであれば、1枚では解決にならない場面も多いです。
これに対しての最大の解決は重ねて持つことなので、このカードを採用する場合も基本的には40枚構築が望ましいです

また仮に通った場合も1番重要なカード(大体《ティアラメンツ・ルルカロス》か《スプライト・エルフ》)と墓地の妨害は残るので、墓地展開デッキではめちゃくちゃ飛ばしたけどその2要素だけで負け…というのも多々。
また必ず相手にターンが返ってしまう為、相手に後続を持たれていると、結局再度返されてしまうこともしばしば。
基本的には「罠と取り巻きを吹き飛ばし、自分の展開をしっかり通すためのカード」と考えていいでしょう。

《無限泡影》とは相性補完が比較的よく、
・先攻の《ティアラメンツ・キトカロス》を《無限泡影》で無効にしてカウンターを構えづらくして《拮抗勝負》を通しやすくする
・《拮抗勝負》が通った後の《ティアラメンツ・ルルカロス》や《スプライト・エルフ》に《無限泡影》を打つ
と相互補完がしやすくなっているので、ある程度セットでの採用も選択肢に入ります。

一方で先攻に引いた際には永遠に発動タイミングが訪れず死に札となることが大半です
複数枚採用をしたい事情からもかなり両極端であり、デッキを選ばないようにみえて少ない枚数で有効に動けないと死に札を抱えてそのまま負けるケースも日常的なので、メイン側のギミックの強さに勝率がかなり左右されるとも言えます。

総じて対ティアラメンツを考えるとかなり都合のいい想定を前提としたカードなのですが、副次的要素としてTier2以下の罠や永続を並べるようなデッキに対しては滅法強いです。
実質的にこれらのデッキが安定して勝てない一因ともなっている為、立ち位置的には「ある程度直接の解決にあるけど先後でムラがあってTier外もついでに潰せちゃうよね」ポジション。


⑧《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》など

個人的に壊獣は《スプライト・エルフ》が絡んだ展開や《ナチュル・エクストリオ》などに対して処理しきれずそもそもティアラ2体残り等に無力なので評価低。(※ただし《エクソシスターズ・マニフィカ》には強い)
大体《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の話として進めていきます。

先攻時:×
ティアラ以外:相手により非常に不安定だが使えるなら〇

①《ティアラメンツ・ルルカロス》
耐性を無視して横の《スプライト・エルフ》や他のティアラメンツと併せてもろとも処理できる可能性がある

②ティアラメンツ罠
一切のカードの発動なく前面を処理できる為、無力化しやすい
ただし罠本体を除去できているわけではないので、返しのターンまで残すとアクティブになってしまう

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体
①②でティアラメンツ効果のトリガーをほぼ封殺しながら処理できるため、《ティアラメンツ・ハゥフニス》絡み以外ではほぼ出させない

④《深淵に潜む者》
《深淵に潜む者》は相手のケア状況によっては効果を発動させないまま処理が可能なことも

⑥《ナチュル・エクストリオ》
《デビル・フランケン》の性質上100%横にいるので処理可能
ただし基本融合体・《スプライト・エルフ》と一緒に出ていると想定される為、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》だとどれかは処理できない

上記の通り、返し札としてはかなり優秀です。
仮想盤面の2~3個以上の脅威を1枚でまとめて対処できることが多く、他のカードにない捲りを実現できる可能性が高いです。

最大のネックは壊獣以外の複数体リリースできるカードは召喚権が潰れてしまうという無視できないデメリットが存在していることで、入れることができるデッキ自体がかなり限られています。
また《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》をうまく扱える=特殊召喚での手数が強い=《ティアラメンツ・ルルカロス》が重くなりがちという逆矛盾を抱えており、デッキ全体として《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》が引けてない試合では普通にボコボコにされるというリスクを内包してることもしばしば。

そもそも動けたとしても、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》1枚では罠などには完全に対処できず、特殊召喚だけの手数で完全に盤面を返しきるのはかなり難しいため、組み合わせるデッキのハードルはかなり高めです。
もちろん先攻札としてもかなり死に札よりなのが問題。

⑨《獣王アルファ》

先攻時:×
ティアラ以外:△

①《ティアラメンツ・ルルカロス》
効果が通ればほぼ無償除去、《壱世壊に奏でる哀唱》を撃たれても相打ち以上に持っていきやすい

②ティアラメンツ罠
直接は触れないが、《壱世壊に奏でる哀唱》を踏んでから攻撃、もしくは《壱世壊に澄み渡る残響》を撃たせるといった形で間接的に使わせられる

③ティアラメンツ効果で出てくる融合体
基本的には《壱世壊に奏でる哀唱》を踏むことになりがちなので、出されがち
《ティアラメンツ・カレイドハート》で戻されることが多いが2手消費誘発になることが多い

④《深淵に潜む者》
効果自体には対処できないが、上から殴れて場合によっては《ティアラメンツ・ルルカロス》と2面処理も可能

⑥《ナチュル・エクストリオ》
上から殴れる
《壱世壊に奏でる哀唱》を食らっても打点で殴って処理できる可能性が高い

《ティアラメンツ・ルルカロス》の特殊召喚無効をすり抜けて上から殴れる高打点の為、崩しの切り込み役としての用途が非常に優秀です。
複数枚ひいても盤面に還元しやすいのも魅力。

ただし全体的にこのカードの効果が通って目的の対象を1:2交換できるような場面は稀で、「何かしらの妨害を消費させる」事に長けたカードと言えます。
また場に残ったこのカードを活用できるようなデッキが理想的ですが、リンク素材以外だとシンクロ程度にしか有効活用しづらく、展開後の盤面でただの3000打点として残って浮きがちなこともしばしば。
もちろん先攻で引いた時も使いづらい。


他の誘発や全除去も候補もありますが、ベースとしてはこのあたりを比較検討しながら採択することになるでしょう。


4.いざ実践-春のクソデッキ祭り-

ということでここからは実際に試してみた構築例になります。
基本的に失敗例なわけですが、試行錯誤過程が何かの参考になれば幸いです。何してんだこいつって笑ってもらえればとりあえずいいです

上記の捲り札評価が対戦数をこなす中で定まっていた部分もあるので、作成時系列的に実際の採用と微妙に軸がズレていたりする部分が多いですがご了承ください。
あと別に後手に注力しきってないアプローチのデッキもあります。
大体記載の熱量が検討時間に比例してます。

①ナチュル

令和の《レスキューキャット》

ひとまず「結構ナチュルが強いらしい」という風の噂だけを聞いて、とりあえず試してみることに。

OCGで結果を残していた構築はイシズ+春化精ギミックを採用していたものだったので、まずはそこからスタート。

イシズギミックでナチュルにアクセスすることを目標にされている構築で、最悪春化精だけでも★4が2体並べば《アロメルスの蟲惑魔》での蘇生からナチュルムーブを狙い、盤面に《ナチュル・カメリア》の肩代わりを生かした複数回の妨害を揃えるのが基本となります。

日本選手権でも結果を残している由緒正しい構築ですが、試して数戦でご破算となりました。

(1)OCGとの環境の違い

最初から制限で実装になるのかな


自分が当時実際にやっていたわけではないので文献(記録)ベースでの比較になってしまうのですが、カードプールも規制状況も含めて全て異なっています。

●環境がティアラメンツに分布が寄り切っているわけではない
イシズ墓地肥やしを使うこと自体がリスク
(相手への抑制としても相手より墓地ギミックが弱い)

●《クシャトリラ・フェンリル》がいない
⇒先に置ける妨害としても後手捲りとしても優秀すぎていた

●《朱光の宣告者》が3枚使えていた
⇒イシズに寄せることで良質な妨害を確保することができていた

どの要素もかなり致命的であり、デッキパワーとしてはかなり弱体化しています。
逆に言うと、ナチュルのメインギミック自体にはティアラメンツと比肩するほどのパワーがないということにもなります。


ということでとりあえず弱体化するのは承知でイシズ抜きでも試してみました。
一応召喚権が浮けば《ナチュル・バンブーシュート》擁立なんかも狙える可能性秘めてる!と思ってましたが…

これ本当にナチュルなのか?

(2)春化精ギミックがリスクの割にリターンが薄い

かなり都合がいい

容易に手札から盤面に手数を出力できる地属性汎用強化パーツですが、個人的にはかなり運用に難のあるカードと感じました。

●手札の消費量が激しい

組み合わせるカード側で手札消費を軽減できないと後述の妨害への脆さもあり、一瞬でジリ貧になるという諸刃の剣です。
手札の確保ができている=ナチュル初動が既に回っているということで、決まれば確かに展開の補佐としては優秀ですが、実際は《ナチュルの春風》サーチでも事足りているイメージ。

とはいえ春化精ギミックだけでも《アロメルスの蟲惑魔》に繋がれば動けるのですが…


●妨害・誘発に対して非常に脆い

当然ながら対抗馬の《ティアラメンツ・ルルカロス》が非常に重いです。
こちらが初動として使うことを想定している為、立たれるだけで機能不全になる展開が大半。

何より致命的なのが《灰流うらら》に絶望的に弱いこと。
先攻1ターン目の《森と目覚の春化精》に撃たれた際が絶望的で、避ける手段も環境的に弱くなっている《墓穴の指名者》ぐらいでしか回答がなく、《三戦の才》を撃ったところで代用の動きは素引きでナチュル初動を引いてくるしか存在しないので機能不全に陥りがちです。
試していた時期はティアラメンツ側の《灰流うらら》の採用率が増えていたこともあり、めちゃくちゃ撃たれて先攻逆1ターンキルになることもしばしば。

また結局《アロメルスの蟲惑魔》も(避けれるように見えて)《無限泡影》を食らってしまうので、汎用的な誘発はなんだかんだ刺さってしまう印象。

●《増殖するG》が重いのに《灰流うらら》が採用しづらい
そもそも春化精自体が《増殖するG》にめちゃくちゃ弱いのですが、制約の関係で《灰流うらら》が撃てず採用したくても入れづらいのが致命的
展開デッキとしてはかなり致命的欠陥です。


ついでにこのギミック、《古尖兵ケルベク》も直撃するので召喚権を使って4エクシーズを立てるような盤面だと壊滅します。

ということでイシズが満足に使えなくなった時点で春化精ギミックも併せて解雇の流れとなりつつあり、そもそも「春化精と組みわせるならナチュルである必要あるの?」と気づいてしまい、春化精型の検討は中断することに。



ここまでナチュル以外のギミックについての話ばかりでしたが、回すにつれてある程度ナチュル自体についての課題点も感じました。

●初動が細い
⇒《ナチュル・モルクリケット》《ナチュル・カメリア》《おろかな副葬》の7枚では到底足りない

●普通に相手の攻撃で盤面が崩れがち
⇒《ナチュル・スティンクバグ》で守ることもできますが、そもそもかなりカードとしては弱いのでなんとか改善したい

●《拮抗勝負》がきつめ
盤面を固める際のリクルート先がほぼ《ナチュル・ナーブ》マストになってしまうので、他の要素でカバーしたい

ということで上記3点を解消するべく構築したのがこちら。

春化精の地属性縛りから解かれたことで、初動にアクセスするカードを増やし、誘発などのフリースロットも多く採用することができるようになりました。
また植物の採用が全体的に増やせたことでセリオンズギミックを採用し、課題解決のアプローチとしています。
初動と対面に対して誠意を持ったナチュル」という意識ですね。
《ナチュルの神星樹》の枚数で経戦能力変わるのでここは要調整部分ですが、比較的綺麗にまとまったリストだと思ってます。

上記の課題3点については

●初動が細い
⇒《ローンファイア・ブロッサム》の採用に加えて、蘇生カードなどで準初動となりうる《ナチュル・マロン》を採用することでの安定性強化

●普通に相手の攻撃で盤面が崩れがち
⇒《円盤闘技場セリオンズ・リング》を盤面に添えることで戦闘破壊を守ってくれる
⇒《リンクリボー》と併せてEXに頼らざるを得ない状況を作れば《ナチュル・モルクリケット》自己蘇生の条件も満たしやすくなり〇

●《拮抗勝負》がきつめ
⇒《セリオンズ“キング”レギュラス》が絡めば比較的むりなく《ナチュル・サンフラワー》リクルートにでき盤面強固にしやすい

といった形で改善を図っています。
《円盤闘技場セリオンズ・リング》の戦闘破壊耐性との相性の良さは実戦回してから気づいたのですがかなり美しい。

平成の《ナチュル・カメリア》

誰?っていうカードですが、《ナチュル・モルクリケット》や《ナチュル・カメリア》を落として蘇生すれば動ける余地がある為採用しました。
平成出身のおかげで同名ターン1のついてないドロー効果が地味に優秀で、ギミックが回った際は1ターンに複数枚ドローも可能と他のリソースを食いがちなナチュル達とは一線を画す強みがあります。

遊戯王界の⦅集合した中隊⦆(誇張)

地味ながら優秀だったのが《森羅の舞踏娘 ピオネ》で、誘発をもらった際に《セリオンズ“リリー”ボレア》で貫通する際、運任せとはなりますが《ナチュル・カメリア》へアクセスできる可能性があり誘発耐性に貢献しています。
さらに《ローンファイア・ブロッサム》が絡み面が増えれば《羅天神将》まで繋がるため戦闘破壊の課題が解決されたり、手札に素引きした無効ナチュルを捌ける可能性があるのも嬉しい点でした。

ただある程度【ナチュル】としては綺麗な構築になったのは評価点ですが、肝心なのは「でティアラメンツに勝てるの?」というマジレスへのアンサーなわけで…

問題点(1):実は1枚では大したことができない

薄々気づいてはいたのですが、《ナチュル・モルクリケット》や《ナチュル・カメリア》1枚では大した盤面になりません。
前者で《ナチュル・ビースト》+相手ターン《ナチュル・モルクリケット》構えと書くと強そうに見えますが、この《ナチュル・モルクリケット》からの妨害は横のナチュルを犠牲にする妨害なので、正直あまり強くなりません。
また返しの手数としても出てくるリンクやシンクロは特に脅威にならず。

ナチュル妨害+《ナチュル・カメリア》を揃えて肩代わりする盤面が理想
=大体《ナチュルの春風》による展開が必要
=《ティアラメンツ・ルルカロス》や《壱世壊に奏でる哀唱》や誘発やイシズが普通に辛い
という現実が非常に厳しく、後手でも《ナチュル・モルクリケット》が通れば強いですが、現実は通らないし通ってもか弱い盤面にしかなりません。
「このデッキ現状先攻番長では?」という確信が強まります。

問題点(2):単体が弱いカードがあり平成みたいな手札になることがある

本当にティアラメンツと戦えますか???

令和出身ナチュルはともかく、盤面を固めたりリソース確保の為の平成ナチュル組が単体では本当に何もしないのが解消しきれませんでした。
春化精を使えばこのあたりも盤面に出力できなくはないですが、結局複数枚の組みあわせで弱い動きをしてごまかしているだけなので、そもそもの単体スペックから目を背けるわけにはいきません。


というわけでまあまあ検討しましたが「結局イシズスペックに支えられてるデッキなんやな…」という評価になり、断念。


②春化精アダマシア

ナチュルを触っていて「《アロメルスの蟲惑魔》出すより《御影志士》出したほうが100倍強くないか?」ということでテスト。

アダマシアとはなってますが、あくまで《ブロックドラゴン》からの展開パーツとしての運用で、あまりめくる対しては重きを置いていません。(めくる対象が6枚しかない)
今回は《抹殺の指名者》《おろかな埋葬》のほうが優先度高いと思ったので採用してませんが、《雪花の光》採用もいいと思います。
《パワー・ツール・ブレイバー・ドラゴン》で相手のスタンバイに2ハンしてるような構築もありますが、装備魔法の素引きが到底許容できるものではなかった為、不採用。

基本的に《森と目覚の春化精》から《御影志士》→《ブロックドラゴン》と繋ぎ、下画像の2妨害+《干ばつの結界像》の盤面を目指します。
アダマシアのめくれによって《ブロックドラゴン》の部分が《コアキメイル・ガーディアン》になり妨害が増えたりもしますし、《春化精の女神 ヴェーラ》でいずれかを墓地からスタンバイに蘇生した盤面になったりもします。

とにかくランク4を立てさえすればいいというゴールの簡潔さが売りで、それさえ実現できれば再現性の高い盤面作成が可能です。

御影が通ってリンクできると大体ここまで実現

ナチュルと比較すると単体で動けるようなカードがないのは大問題ですが、それを差し置いても《ブロックドラゴン》からの暴力的な展開力が魅力的で、先攻盤面の強さに関しては申し分ないでしょう。

最大の魅力と感じたのが《コアキメイル・ガーディアン》の存在です。
春化精を採用すると《増殖するG》《灰流うらら》がケアしづらいとありましたが、このカードの召喚から入ることができれば間接的なケアとすることができ、メインギミックの中で自然と採用できるのが他の春化精デッキにはない強みと感じました。

また上記のように召喚権への依存が薄くてもokなことも踏まえ、《獣王アルファ》や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》も比較的使いやすく、盤面を返しきることも期待できます。


勝ち筋もかなりしっかりしていて好感触でしたが、

・結局先述の春化精特有の問題は解決していない
・単体初動でゲームメイクできるカードがないので事故も相応
・《御影志士》への誘発がめちゃくちゃつらい
・誘発を採用する余地は薄いので結局先攻の相手に好き放題されがち
・地属性縛りだけで捲り切れない場面も散見

あたりが解決してるとは言い難く、安定には程遠いな…と思い断念。楽しいは楽しいです。
せめて《ライトロード・ドミニオン キュリオス》で貫通できればみたいな試合が多いので、素直に春化精捨てたほうがよいかも。


③ラビュリンス

ティアラメンツの盤面捲りに《拮抗勝負》が有効なのは先述の通りですが、先述の通り《壱世壊に澄み渡る残響》が最大の障害となり単品では解決できないことも多いです。

この時《拮抗勝負》が2枚あれば1枚目にカウンターをさせながら2枚目を通すことができるのですが、当然ながら40枚デッキの中から3積みの特定のカードを2枚引くのはよっぽど都合がよくないと発生しません。

だったら引きにいけばいいのでは…?


とは言っても普通に考えればドローソースで引きにいくぐらいしか真っ当な解決がなく、《金満で謙虚な壺》が制限の状況だとまともなのは《強欲で金満な壺》《強欲で謙虚な壺》ぐらいで、さすがにそれだと掘り切れません。


何か罠カードを直接サーチできるような手段、なんなら相手のイシズに合わせて都合よくワンチャンを拾えるようなカードがあれば…





相手の先攻1ターン目に《絶対王 バック・ジャック》を落とせば《トラップトリック》と併せて高確率で引きに行けるのでは???


《絶対王 バック・ジャック》は《魔サイの戦士》と併せて実質6枚採用が可能。
それを計6枚採用のラビュリンス魔道具シリーズで落とすことでデッキを掘りに行き、《拮抗勝負》を掘って捲りにいく、もしくは《次元障壁》で0ターン目に妨害をすることを狙います。
《トラップトリック》によって実質的に各3枚ずつ当たりが増えているので、起動さえすればそこそこの確率でアクセスが実現できます。

融合デッキ殺しといえばこのカード

特にラビュリンスであれば《白銀の城のラビュリンス》により《次元障壁》を使いまわすことが可能で、決まればティアラメンツの融合体を完封することが見込めます
当然ながら先攻では普通にセットできるので《トラップトリック》との6枚体制+《絶対王 バック・ジャック》→《転生炎獣アルミラージ》変換での掘りで安定した発動が可能で、『融合することに関しての』ターンスキップは現実的でしょう。

またラビュリンスには墓地から回収・セットできるようなカードも多く、《絶対王 バック・ジャック》ギミックと併せ相手のイシズ墓地肥やしを後天的にアドバンテージに変換できる可能性も秘めています


後手1ターンを超えた『0』の可能性。
これは環境のソリューションでは?????



問題点①:零点シナジーのゼロ

カンのいい方はお気づきかもしれませんが、《白銀の城の竜飾灯》で《絶対王 バック・ジャック》を起動すると場に《ウェルカム・ラビュリンス》を置くので1枚残し吹っ飛びがそのままだとできません

《白銀の城の召使い アリアーヌ》を出して自爆すれば損失自体は防げるからいいじゃん…と思いきや相手にも《拮抗勝負》を伏せているのはバレているので、《壱世壊に奏でる哀唱》や《ティアラメンツ・ルルカロス》が直撃し《ティアラメンツ・カレイドハート》で伏せていた《拮抗勝負》を戻されて終戦します

でも《絶対王 バック・ジャック》ギミックは健在!
0ターン目《次元障壁》で勝利を掴め!!!

問題点②:2枚コンボなのでそう簡単に揃わない

そらそう。


問題点③:揃ってもいつ発動するのか問題

例えば《次元障壁》をセットできることを前提とした場合、相手がメインフェイズの最初に《ティアラメンツ・レイノハート》召喚から入られると、手札から《絶対王 バック・ジャック》を捨てても間に合いません

※ティアラ融合効果にチェーンする形で《絶対王 バック・ジャック》が発動するので《次元障壁》を発動できるタイミングがない

スタンバイに発動すると《三戦の才》もケアできますが、当然ながら対面がわからない状況では《トラップトリック》以外有効札を選べるわけがありません。


問題点④:実はイシズの墓地妨害がクリティカル

罠デッキなのでそんなに墓地妨害は食らわない…と思いきや思いっきり致命的です

特に肝心要の《絶対王 バック・ジャック》に対してはどのタイミングで《剣神官ムドラ》を食らっても綺麗に妨害されます。

●3枚めくり効果にチェーンされる
→トップがわからないので運否天賦で起動するかを迫られる

●トップから場に置く効果にチェーンされる
→シャッフル処理が入りデッキトップが変わるので完全ガチャになる

●自ターン中に発動される
→《絶対王 バック・ジャック》は自ターンに発動できないのでチェーンすらできない

ダメやんけ!!!

また勝ち筋と描いていた《次元障壁》ループに対してもイシズの墓地妨害は有効で、1枚あるだけでループをさせてくれませんし、墓地アドバンテージ源となるラビュリンスカードを戻されても辛いです。

ということで相手が正しくテキストを読んでいると、普通に全力イシズ起動されて《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》を複数置かれるだけでお釈迦になります。
《白銀の迷宮城》が落ちたりとか、墓地に積んでる罠が落ちて《トラップトリック》で狙いの罠が撃てない!とかもありました。


問題点⑤:《次元障壁》を撃っても勝てない

これもかなり致命的でした。
《次元障壁》を撃って《ティアラメンツ・レイノハート》を止めた!→★4追加展開で《クロノダイバー・リダン》、とされるだけで一生盤面を荒らされ続けます。
《No.41 泥睡魔獣バグースカ》はターン返してくれる分、罠で意外となんとかなります。

先攻で《白銀の迷宮城》と併せて相手のモンスターを破壊できる構えにできてようやく抑制できる状況だったので、正直かなり苦しい。

問題点⑥:自ターンの動きの脅威性が低いので盤面を返せない

ひたすら罠でマウントをとって勝つことがゲームプランの関係上、既に作られた盤面への解決力は非常に低く、かなり《拮抗勝負》頼りになってました。
ただ別に召喚あんまりしないので《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》とるとかで多少の改善は可能。

問題点⑦:《ウェルカム・ラビュリンス》への《灰流うらら》が厳しい

モンスター供給を一手に担っている為、ここを潰されると自分のデッキ自体が回らず負けも多々。
罠サーチ系でフォローはできますが、魔道具系が損をしながら置く性質上ジリ貧になる展開が多々あり、回してた時期が《灰流うらら》増加のタイミングだったこともあり非常に辛い。


問題点⑧:《ナチュル・エクストリオ》

無理。


ということで回してみると多分に問題を抱えていることが判明し、もし大会に出てたら対戦成績の左側にゼロがついてたかもしれないということでオチがつきました(相応に勝てなかった)


Tips:ラビュリンスを使ってて思ったこと

《Vivid Tail》が結構オシャレで好感触でした。

・実質2回使える自分バウンスなので各種トリガーの誘発として最適
《拮抗勝負》の被害を抑えられる(特にフィールド除外)
・墓地に落ちても嬉しい(イシズで妨害されるけど)
・フィールドを絡めたバトルフェイズ中の追撃

同じ自分バウンス・除去としての枠は《ビッグウェルカム・ラビュリンス》がきたらとってかわる可能性ありますが、《拮抗勝負》避けは唯一無二なので使ってみてかなりいいカードだなと思いました、

また《ナチュル・エクストリオ》の対策枠として《ブレイクスルー・スキル》なんかも試してました。これもまああり。

今回のリストでは直接的な除去罠がなく、ふわんやスプライト相手にちょいちょい《トラップトリック》から欲しい場面もあったので素直に《ドラグマ・パニッシュメント》入れたさもあるけどティアラに強くないのがいまいち。
《強制脱出装置》だとちょっと…という感じ

とりあえず《迷宮城の白銀姫》とか新規揃ったら一段強くはなりそうなので結構期待


④ヌメロン

後手デッキ使えるイベント向けに若干調整

《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を使う代表格と言えばヌメロン。

重要なのはほぼ確実に「全て後手」を前提として戦える事で、ゲームレンジの設定も明確なこと。
ティアラメンツ側に往復で莫大なアドバンテージを稼がれても自分がいくら損をしても、ターンを返さずにワンキルしてしまえば気にする必要はありません。
また《惑星探査車》以外では《ティアラメンツ・ハゥフニス》を挟まれる余地がないのも高評価のポイントで、相手に融合体で妨害される展開を自分都合ではほぼ起こさせないのも大きい点。

今回は「ターンを返したらどうせ負け」と割り切り、exのヌメロンを1~4の各1枚ずつまで切り捨て、《浮幽さくら》用の枠をある程度どの対面でも使いやすいように捻出しています。

モンスター採択は《スモール・ワールド》の為に振り切っており、3積みのカード全てから

《ヌメロン・ウォール》or《惑星探査車》
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
《ビック・バイパー T301》

にアクセスできるように構成しています。
一方でピン刺しのカードからの《ヌメロン・ウォール》or《惑星探査車》へのアクセスはいまいちなので、この採択は好みが出てくると思います。

勝ち方も明確で中途半端なティアラメンツ側の展開には一瞬で勝利するだけのパワーがある!…のですが、いざ実戦してみて(というかティアラ側)を使っていて「これ意外と勝てなくない?」となり、一瞬でお釈迦に。

このマスターデュエルで見たことない海老誰ってなる

その最たる要因が《壱世壊を劈く弦声》の存在です。
ダウンする効果は場を離れてもそのターン中継続するので、起動されてしまうとヌメロンの基礎攻撃力が500になりキルが大幅に難しくなります。

当然ながら相手も後手をとってきた時点で対面がヌメロンであるとわかっているので、基本的には全力ケアをしてくることになり、

●ティアラメンツ3体含むモンスター4体を並べる
⇒《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を出すと《壱世壊を劈く弦声》が誘発

●《ティアラメンツ・シェイレーン》込みの《クロノダイバー・リダン》を立ててスタンバイまでに起動
⇒融合体が出ながら壊獣ラヴァゴをケアして《壱世壊を劈く弦声》を起動可能

などいった形でケアできてしまい全然1killできん~となってしまい、断念となりました。

とはいえ《コズミック・サイクロン》や《D.D.クロウ》といった上記場面に対応できる採用札も存在するので、細部をいじればもうちょい頑張れそう。
《浮幽さくら》そんな頑張らなくてもよさそうだし。


⑤BF

事の始まりは「BFは《ディメンション・アトラクター》自分で使っても実は展開できます!」というTwitterのおすすめ表示ツイートを見てから。

これがぽんぽん出せるのが偉い

BFの魅力と言えばなんといっても《BF-フルアーマード・ウィング》で、適切にバックアップすればティアラメンツ側を抑え込めるスペックを持った完全耐性モンスターなのに加え2体目を出せる余地もあるため、《閉ザサレシ世界ノ冥神》返しを物量で無理やり抑え込める可能性も秘めています

《ディメンション・アトラクター》使えて《BF-フルアーマード・ウィング》出せる、しかも闇属性なので《闇の誘惑》も使えて《拮抗勝負》含めて必要なパーツも引き込みにいける、結構強いのでは???
腐った《ディメンション・アトラクター》も《闇の誘惑》で切れる!

うおお《黒羽の旋風》で最強展開!!!


結局《ディメンション・アトラクター》も《闇の誘惑》も入ってないし《黒羽の旋風》抜けてね?

●なんで?

まず大前提として、《ディメンション・アトラクター》下で動ける手札は相当都合がいいことがわかりました。

《黒羽の旋風》を置く一番素直な方法は当然《BF-幻耀のスズリ》でサーチできる《BF-嵐砂のシャマール》を経由したいわけですが、《ディメンション・アトラクター》下では墓地に送れないので《BF-嵐砂のシャマール》の置く効果自体が使えません
また《BF-幻耀のスズリ》1枚から《ディメンション・アトラクター》下で満足に展開できるわけでもありません。

ということで活用するためには《黒羽の旋風》を素引きしにいくしかないのですが、《黒羽の旋風》は「展開の最大値を伸ばすカードであって誘発の貫通補助になるカードではなく単体で仕事をしない」のが《黒い旋風》との大きな差異と感じた為、そもそも使えてること自体過剰なのでは?と感じました。
そこまでしてもゴール地点は《BF-フルアーマード・ウィング》単騎終わりとかになりがちで、後続確保や妨害数にも難があるのも本末転倒です。

とはいえ《ディメンション・アトラクター》自体の拘束力が破格すぎるので回った時のリターンが大きいのと、《ディメンション・アトラクター》が効かないデッキには基本《BF-フルアーマード・ウィング》が強いので成功体験自体は得られるのは間違いない事実。

《BF-フルアーマード・ウィング》単騎であることも残れば勝ちというプラン上は間違いないので、安定して立つのであれば全然使える

また通常の展開ルートで《黒羽の旋風》を使うことを考えても《BF-毒風のシムーン》(=《黒い旋風》)スタートでないと基本絡まないわけですが、この初動は手札を切る性質上《スモール・ワールド》でサーチして始動することが非常に難しく、再現性が薄いです。
《BF-毒風のシムーン》経由のルートを強化するパーツを入れても勝率向上に貢献しないと考え、定番採用札の《BF-突風のオロシ》+《えん魔竜 レッド・デーモン・アビス》と併せて不採用にしました。
これは除外シナジーからの《BF-南風のアウステル》の採用可否を考えるにあたっても(ルートの関係上で)共通の見解です。

一方で《闇の誘惑》は一見ノーリスクドローソースに見えるのですが、《BF-毒風のシムーン》や《スモール・ワールド》で手札モンスターを要求する機会が多く、それを切ってまで不確定2ドローに頼る意義が薄い=撃ちたくない場面がある)と感じたのに加え、スペース的余裕の捻出が難しいことから泣く泣くの解雇となりました。

とは言え《BF-幻耀のスズリ》は絶対引きにいきたいし《BF-ツインシャドウ》との相性はいいのでこちらは枠が許されるなら入れたいですね。
ただ結局《成金ゴブリン》として入れるのか?と考えると微妙で何かしらの除外シナジーがないと強くない→除外シナジー絡みは前述の通り微妙…という裏付け。

●通常のリストとの差異

BFは初動が非常に細く、貫通札を握ってるにしてもとにかく《BF-幻耀のスズリ》から始めないといけない為、《スモール・ワールド》をフル採用。
捲り札評価にもあったように、完全耐性モンスターとの相性から《浮幽さくら》をフル採用しました。
展開した後で《BF-嵐砂のシャマール》で回収したカードなどを余った《スモール・ワールド》から拾う展開もあり、この固めをゲームプランの中心として据えることを目標にしています。

《浮幽さくら》自体が《スモール・ワールド》の中継先として使えるのが優秀ですが、さらなる中継先にあまり強いカードが見つからず、《多次元壊獣ラディアン》と弱めの採用になってるのが残念。
(誰かなんかいいカードあったら教えてください)


また先述の通り《BF-毒風のシムーン》初動を強化する意味はないと考え、その枠を誘発/捲り札や他の妥協展開用・《浮幽さくら》の枠に充てました。

たしかに《BF-毒風のシムーン》絡みの展開の盤面は《BF-幻耀のスズリ》展開とほぼ変わらない程度になるのですが、横に《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》《えん魔竜 レッド・デーモン・アビス》を広げても無効を使わされて《拮抗勝負》で返される場面が散見。
別に《BF-フルアーマード・ウィング》さえ残ってれば勝てるから追加の展開も過剰なのではとも感じた為、再現性の低さも含めて解雇しEXで出来ることの幅を広げています。

とはいえ《えん魔竜 レッド・デーモン・アビス》の擁立すれば《拮抗勝負》の抑制は基本的にはなってはいるので、まあ捉え方次第かも。
《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》が妨害としては大した信用性がないのと、《BF-幻耀のスズリ》+《BF-突風のオロシ》でほぼなんもできないのも気になったところ。

あと《黒羽の旋風》を使わない展開ルートなら《BF-突風のオロシ》をサーチする枠で《BF-下弦のサルンガ》を追加したほうが妨害数自体は多い(はず)

1103にこないか?

誰?ってなりますが書いてあることは鳥獣リクルートで結構強いです。

採用理由としては《BF-無頼のヴァータ》を使う際に上での《BF-雪撃のチヌーク》or《BF-精鋭のゼピュロス》の素引きケア。
単純にどちらかを2枚入れるとどちらか片方を引いた時にケアできないので、1枠で妥協展開にできるこちらを採用しています。(どちらも単体素引き性能はいまいち)

こちら経由でも《BF-幻耀のスズリ》1枚で《BF-フルアーマード・ウィング》+《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》+《BF-幻耀のスズリ》回収にはなります。他の妥協展開でも使います。

デッキの構造上はかなり満足できる形となったのですが…残念ながらティアラメンツに対して特に有利ということはありませんでした。

●問題点①:思ったより《BF-フルアーマード・ウィング》が突破される

本当に当たり前の話ですが、当然《浮幽さくら》が絡まないと《閉ザサレシ世界ノ冥神》で突破されるのでそもそもの要求値がクソ高いという事実を失念していました。

基本はライフを取り切るまで横にしているので融合体に戦闘破壊されることはない…と思いきや《深淵に潜む者》や《壱世壊=ペルレイノ》が貼られてると普通に突破されます
たまにいる《沼地の魔神王》や烙印採用型では《ガーディアン・キマイラ》も飛んでくることがあり、こちらも厳しい。
《BF-下弦のサルンガ》を構えていてもイシズで戻されて結局妨害になっていないケースも多く泣きました。

問題点②:やはり初動が細い

薄々気づいていましたが《BF-毒風のシムーン》の要求値が高いこともあり実質1枚初動が《BF-幻耀のスズリ》だけなのがデッキ全体の安定性を損ねています。

特に《BF-無頼のヴァータ》+αで動ける組み合わせが少ないのがつらいところ。
《BF-毒風のシムーン》や《黒い旋風》の関係でできれば展開貫通要素はBFネームにしたいところですが、なかなかまともなカードがなくここの改善が見込めないとやはり勝ちきれないな…という印象。

今回は《BF-黒槍のブラスト》を試してみましたがやはりあまり強いとは感じられなかったので、この部分が改善される(さらに1枚初動が増える)ならいいデッキになりそうだなという感覚。

Tips:《BF-黒槍のブラスト》+《BF-無頼のヴァータ》

《BF-無頼のヴァータ》で《BF-精鋭のゼピュロス》《BF-雪撃のチヌーク》落としは変わらず
《BF-黒槍のブラスト》を戻して《BF-精鋭のゼピュロス》を出し再展開から《RR-ワイズ・ストリクス》→《BF-嵐砂のシャマール》
《ブラックフェザー・ドラゴン》と併せて《A BF-神立のオニマル》、《BF-嵐砂のシャマール》効果で《BF-黒槍のブラスト》回収して再展開
《A BF-神立のオニマル》効果で《BF-雪撃のチヌーク》コピーで★2、(チューナーになってるので)2体で《BF-魔風のボレアース》
《BF-魔風のボレアース》で《BF-刻夜のゾンダ》落とし、《BF-刻夜のゾンダ》で《BF-毒風のシムーン》ss
2体で《I:Pマスカレーナ》、墓地除外で《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》

出てくる《双穹の騎士アストラム》に効果破壊耐性ついてるから実質《BF-フルアーマード・ウィング》を主張
※6枚目《無限泡影》を食らう

↑は《BF-黒槍のブラスト》+《黒い旋風》だが同じ展開

問題点③:《BF-無頼のヴァータ》への妨害が辛すぎる

デッキのアドバンテージエンジンの中核を担っている部分でありこのカードの効果が通らないと《ブラックフェザー・ドラゴン》も立たないので間接的に《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》も出てきません。

《BF-幻耀のスズリ》に誘発を撃たれる分には素引き《BF-無頼のヴァータ》などで貫通できるのですが、相手の対面理解度が高く《BF-無頼のヴァータ》に撃たれるだけで満足に展開できず、貫通展開も難しいのが非常に辛かったです。
《増殖するG》もかなり重め。

当然ながら《BF-無頼のヴァータ》は《ティアラメンツ・ルルカロス》も《壱世壊に奏でる哀唱》も踏みます。


問題点④:《壱世壊を劈く弦声》があると《BF-毒風のシムーン》が初動にならない

これが一番やばすぎました。

チェーンの関係で解決時にシムーンの攻撃力が1100となり、《BF-幻耀のスズリ》を加えられません。
こうなるとそもそも《壱世壊に奏でる哀唱》を踏むとか踏まないとかいう展開以前の問題で、自然発生的に頻出するパターンなのもあり初動が1個頼れないようなものです。

これが実戦で発生した瞬間に天を仰ぎました。


結局満足した成果は得られず、《浮幽さくら》と《拮抗勝負》を同時に決めたにも関わらずイシズの暴力で負けた試合を最後に、検討を断念。


⑥PUNK


《BF-フルアーマード・ウィング》では打点が物足りない場面が散見された為、なら似たようなカードで同じアプローチをすればいいのでは?という発想。懲りてないのか?

完全耐性(穴だらけ)

そこで目に留まったのが《サイコ・エンド・パニッシャー》。
基礎ステータスが3500の為に500up1つでは突破されず、《ガーディアン・キマイラ》等まで見れます。
もちろん打点上昇効果が通りさえすれば4000以上からも戦闘破壊されない!

耐性の微妙な違いで《スキルドレイン》や《氷剣竜ミラジェイド》の全破壊効果等を受けてしまうといった脆さこそ気になりますが、そもそものフィニッシャー性能が高いこともありゲームエンドまでの速さは魅力的。

ということで★11シンクロを出せるデッキ、となればPUNKでしょう。

見た目は綺麗。セブンシンズだけ入れたい

BFと比較して、下記の点はかなり好感触です。

(1)初動・誘発・捲り札の枚数をしっかりとれる

《No-P.U.N.K.セアミン》へアクセスできるカードが《スモール・ワールド》なしでも11枚取れている為、安定して動けると共に妨害の貫通もかなりしやすいです。
《無限泡影》《灰流うらら》に強めで、逆に自分は誘発や捲り札を多く積める為かなりバランスがいいです。

(2)《獣王アルファ》や余った★3チューナー誘発が使いやすい

★8+★3の動きを狙うこのデッキでは場に余ったり、手札で被ってしまった誘発も無理なくゲームプランの中に組み込めます。
今回は過剰と思い採用してませんが、《No.97 龍影神ドラッグラビオン》セットが入れられるとライフねじ込むチャンスもあります。

(3)《混沌魔龍 カオス・ルーラー》で《浮幽さくら》を探せる

これが最大の強み。

BFの際は《浮幽さくら》が絡む再現性が少ないのが問題でしたが、このデッキの場合は展開の流れで《混沌魔龍 カオス・ルーラー》が出る為、かなりの高確率で《サイコ・エンド・パニッシャー》+《浮幽さくら》の構えを実現できました。

初動も太いことから《スモール・ワールド》で最後に変換できる機会も非常に多く、描いていたゲームプランの再現性が非常に高かったです。


「ちゃんと動ける」
「誘発も貫通しやすい」
「理想盤面の再現性が高い」
「捲り札や誘発もしっかり取れている」

と、かなり理想的な条件を満たしているはずなのですが…


問題点①:普通に自爆から《サイコ・エンド・パニッシャー》を突破される

「自分のLPが相手のLP以下の場合」というテキストを完全に見落としてました(アホ)

PUNKムーブでは頑張っても1200ぐらいしかLPを削れないので、立てた《サイコ・エンド・パニッシャー》に適当に自爆されるだけで簡単に処理されました

あと《デビル・フランケン》で5000払われて《ティアラメンツ・カレイドハート》でそのままバウンスされて椅子から転げ落ちました

問題点②:《古尖兵ケルベク》を重く踏みやすい

《No-P.U.N.K.フォクシー・チューン》
《Uk-P.U.N.K.娑楽斎》
《混沌魔龍 カオス・ルーラー》

と動きの中で《古尖兵ケルベク》のトリガーになってしまうカードが多く、《サイコ・エンド・パニッシャー》の成立を妨害されるケースがかなりネックでした。
前者2つは比較的ケアや貫通がしやすいものの、《混沌魔龍 カオス・ルーラー》に撃たれる展開は★3チューナーを浮かせれる状況でないと厳しく、また後続の確保(返しの《Uk-P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》による1kill)も厳しくなってしまうので急所となっていました。

基本の動きの中で避けれないのは看過できない点で、対イシズを想定する上で明確なマイナスポイントです。

問題点③:シナジー要素を削った結果、デッキ全体のパワーが低い

たしかに1枚初動と誘発と捲り札、と非常にバランスの良い構成ではあるのですが、せっかく《混沌魔龍 カオス・ルーラー》が出るにも関わらず墓地チェインなどのいわゆる上振れ要素が基本ない為、展開の動きの出力がかなりしょっぱいです。

基本の動きが《サイコ・エンド・パニッシャー》単騎、妨害が立つにしても相手ターンの《Uk-P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》構え(2バウンス)か《I:Pマスカレーナ》程度で、相手への干渉要素がほぼ誘発頼りになっています。
想定する対面と比較してあまりにも脅威性に欠けており、頼みの《サイコ・エンド・パニッシャー》を崩されるとなし崩しに敗北するケースが多々。

また《No-P.U.N.K.フォクシー・チューン》で手札を切って動くこともあり、カード損失も痛い上で《増殖するG》を非常に重く受けがちと、展開系特有の悩みも持ち合わせています。


思っていた通りのアプローチは実現できたものの、結果的に色々と惜しいという状況でした。
このデッキもイシズを起動されまくって破壊され、断念。


⑦ヴェンデット

あまりにもイシズに破壊され続け精神まで破壊されてしまった為、

相手のイシズで《屍界のバンシー》落として《アンデットワールド》で妨害や!!!

と意味不明な電波を受信した結果、

・墓地に落ちて強いカードが他にもある
・《アンデットワールド》とシナジーがある
・展開盤面がそこそこ強い

と探して発掘して現れたのが一応ティアラメンツが出たタイミングと同時期に強化されてたヴェンデット。

実は書いてること結構すごい
ようやくクソデッキ制作劇場ぽくなってきた

なんと《宣告者の神巫》+デッキ儀式の組み合わせで

《スプライト・エルフ》→《宣告者の神巫》→《旧神ヌトス》
《フルール・ド・バロネス》
《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》
《ヴェンデット・リボーン》

で4妨害!先攻制圧盤面も十分だぞ!!!

うおおおお!


墓地デッキなのでそもそも《深淵に潜む者》もイシズも誘発も踏む
・なんなら2枚コンボデッキなので《ティアラメンツ・ルルカロス》も厳しいし事故もすごい
・もっといえばデッキ儀式に《古尖兵ケルベク》食らう

・《屍界のバンシー》が絡むパターンが上振れでしかない(手札にきたら使えない)
というか《アンデットワールド》を張っても手札から融合されて解決された(《壱世壊を揺るがす鼓動》サーチとか)


5戦ぐらいで解散


⑧HEROティアラメンツ

色々触っては散々相手のイシズ爆発に破壊され続けた結果、

これ相手のイシズ起動にリスクを負わせる為には自分もティアラメンツ使う以外の道結局ないのでは?

という現実に薄々気づき始めます。
ナチュル・ラビュリンス・ヴェンデットと墓地に落ちて嬉しいカードが複数あるデッキを試したところで全くリスクヘッジにはなっておらず、カードプール全体を見回しても墓地に落ちて即アドバンテージに変換されるのはティアラメンツとシャドールが大半で、いよいよ逃げられない状況になってきました。

ここまでダイヤ帯+DLv.~18帯で色々試してきたのですが、正直トータルでめちゃくちゃ負けてた(たぶん勝率40-50%とか)のもあり、いくらいっぱい負けれるとは言っても精神的にフラストレーションが溜まりすぎるのも問題と自分の内側から警報が出てきたのを感じたので、「たまにはティアラ使うか…」ということで一旦ティアラの中で模索してみることに。


ここまでのデッキを使った経験上でかなり気になっていたのは、「後手捲り札が先手の際に弱い」という捲り札評価でも細々書いていた点で、軸にするメインギミック側が強くないと先手の勝率低下を招いていた点です。

とは言えティアラレベルのデッキであれば多少はごまかせるだろうという前月の経験則はあったものの、できれば先手後手両面で使えるようなスーパーカードがないものか、と考えていました。

4月時(簡易制限副葬3枚)の構築
ラヴァゴで捲りssで動くorハゥフニスサーチでラヴァゴ効果トリガーで動くのがかなり良かった
簡易禁止での手数減少、副葬が減りハゥフニスへのアクセス率が低下したことで解散


真面目に組んで好きだった罠多めの優等生構築
体感はかなり良かったがイシズゴリラの暴力フルパワー構築のほうが基本は強い
そもそも5月中常に逆張りだったので両手で数えられるぐらいしか使ってない気がする


そこで候補に上がってきたのが《ヒーローアライブ》です。

先攻時:《M・HERO ダーク・ロウ》を押し付け一方的なゲームを狙う
後攻時:レベル4追加による手数増加・エクシーズ主体での捲りを狙う

と両面の活躍ができそうなのはまさに求めていた部分で、なんなら《M・HERO ダーク・ロウ》は1枚で勝つレベルの置物です。

一応普通にHEROとして使う構築も考えていましたが、どう頑張っても《M・HERO ダーク・ロウ》が上振れる展開以外で勝率が伸びなそうということで、ティアラメンツに組み込んでみることにしました。

色々な枠を犠牲にしている

正直《ヒーローアライブ》3枚+《E・HERO シャドー・ミスト》+《マスク・チェンジ》の5枠の最低限だけでも出張としては形になるはずですが、やれることの幅を広げたいと感じたので少しHEROを増量して試しました。

特に《E・HERO オネスティ・ネオス》は
・後手時にライフを取る選択肢が欲しい
・《M・HERO ダーク・ロウ》を守りやすい
・《ティアラメンツ・ルルカロス》に対してHERO攻撃から解決になる
といった事情からぜひとも採用したく、ほな他のHEROも入れるか…という流れ。

《E・HERO エアーマン》はないと《ヒーローアライブ》1枚からランク4成立までいけないのでやむなく。

《V・HERO ヴァイオン》は《ガーディアン・キマイラ》を出せる択があるのは同系考えた時に少しだけ評価できますが基本的には弱め。
ランク4に水族を入れると《ヒーローアライブ》+手札ティアラメンツから《ティアラメンツ・キトカロス》になったりも狙えるんですが、どう考えても先攻では《M・HERO ダーク・ロウ》優先したほうがいいのと、EXが既に限界であること、《No.101 S・H・Ark Knight》にUR30ポイントを使いたくなくて諦めています。

一応《D-HERO ディアボリックガイ》《D-HERO デッドリーガイ》を入れて《永遠の淑女 ベアトリーチェ》を絡ませて墓地を肥やすといったアプローチも狙えますが、ここまでやるメインもEXも枠がなく断念。

HEROギミックについては墓地に落ちてもイシズ以外に《E・HERO エスクリダオ》をティアラ効果で出せば再利用が狙える可能性があるのも地味なポイントで、墓地肥やしの中でデッキ内が枯渇してもしっかりと利用できる場面が多いのも高相性。(融合頻度自体は低い)

《レッド・リブート》はお試し採用枠で、これはランク4成立による捲りを主に置いた為、《励輝士 ヴェルズビュート》《天霆號アーゼウス》による捲りの実現を狙った枠です。
全体的にライフをとりやすくはなっているので、全除去せずともそのまま押し切って勝つのも狙いにいけます。

とはいえティアラ対面だと《壱世壊に澄み渡る残響》ピンポイントで撃たないとカウンターされるだけなので、全然《壱世壊に奏でる哀唱》に撃てないなというのが正直な感想。
どちらかというとティアラメンツに親を〇された罠デッキ相手に荒らす展開のほうが圧倒的に多く、思ってたのと違うな…という印象。


実戦結果としては非常に調子がよく、DL.v.18→20を勝率7~8割程度ですんなりとクリアし、精神の安定を保つことができました。
《ヒーローアライブ》を引いた試合は先攻《M・HERO ダーク・ロウ》でイージーウィン、後手全力ダンプで手数勝ちと、しっかりとイメージ通りの試合展開ができたのは好印象です。

なお先攻《M・HERO ダーク・ロウ》から《古尖兵ケルベク》起動できた2試合が両方ともふわん対面で、相手に塩を送った上で返しも完璧で2回とも負けました。そんなことある?

一方で、《ヒーローアライブ》を引かない試合については「これメインギミック側のティアラメンツが強いだけでは?」というゲームになりがちです。
それ自体は元々の目論見通りなのでいいのですが、そうした展開になるとどうしてもHEROカードの浮きが目立ち、有効活用するのが難しい…という場面も散見。

果たしてこの出張枠に素引きのリスクあるカードを足してまで使うメリットがあるのか?というのに対して、自信をもってあります!とは言えないのが本音です。

●《無限泡影》《拮抗勝負》のような汎用誘発捲り札
●《デビル・フランケン》やイシズようなの上振れ要素
●そもそものティアラ魔法罠の枚数確保
●《金満で謙虚な壺》《絶海のマーレ》のようなメインを回すカード
●《No.41 泥睡魔獣バグースカ》などのex枠

等を犠牲にしてるので、ここと対比するとこっちでよくない?となる

また《ヒーローアライブ》自体は強力なカードではあるのですが、やはり《ティアラメンツ・ルルカロス》に対して無力ではあるので、消費させることはできるものの完全な捲り回答とは言い難く、若干の歯がゆさを感じました。

エクシーズが殴らせてくれない

また試していた時期に少し話題になっていた《神・スライム》交じりの盤面もネックで、狙いの1つである《深淵に潜む者》→《天霆號アーゼウス》の捲りは《神・スライム》を攻撃表示で立たれていると成立しません。

遭遇率自体は稀とは言え、《レッド・リブート》含めランク4での捲りを軸に据えていたコンセプトからすると大きな問題で、このアプローチはトレンド上不適切か…?となり、ここで模索を断念。

まあちゃんと上がったし本戦やらないからok!


⑨イグニスター

そういえば完全耐性+《浮幽さくら》の組みあわせで試してないのあったな、と思い出しました。
《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》です。

《BF-フルアーマード・ウィング》と違い4000打点以上も狙える真の完全耐性の為、戦闘破壊による殴り負けはまずないと言っていいでしょう。
しかも擁立できる1枚初動の枚数は10枚以上確保できますし、サイバース特有の貫通パーツの豊富さとkill速度も魅力的です。


当初は《浮幽さくら》の確保を意識して《スモール・ワールド》を採用したり、《ダークインファント@イグニスター》への《無限泡影》を意識して《イグニスターAiランド》を増やしたりしてましたが、そうすると40枚に収めるのが困難だったため、泣く泣く削った形になりました。
《トランスコード・トーカー》の制約の関係で《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》なんかも使えそうで使えないのが惜しい。

一見浮いている《群雄割拠》は4素材《塊斬機ダランベルシアン》からのサーチ用で、ティアラ側のリンクやエクシーズを封じることで《閉ザサレシ世界ノ冥神》対策札として機能させることを狙います。


ただしこのデッキもBFと同様に《浮幽さくら》がない際の再現性のなさが大きく、《塊斬機ダランベルシアン》のルートがあるとは言え安定した《閉ザサレシ世界ノ冥神》への回答があるとは言えず、同様の不満点を抱く結果となりました。


それに加えて感じた以下のような問題点も見受けられました。

問題点①:《ブルル@イグニスター》の発動しづらさ

察しのいい方はお気づきかと思いますが、このリストでは《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》構成では定番の《ダンマリ@イグニスター》が入っていません。というより抜けました。

理由はやはりというか《古尖兵ケルベク》の存在で、通常の展開ルートの途中で不用意に起動してしまうとリンク体を戻されて展開が失敗しがちです
というわけで必然的にこの環境では道中では発動しないのが最大のケアプレイなのですが、当然《ダンマリ@イグニスター》がない分盤面は弱体化してしまいます。
ゴールとしては《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》を立てることではあるので1妨害減っただけ…ではあるのですが、相手の解決への糸口を潰すのが難しくなっているというのは大きなマイナス点です。

ちなみに《アチチ@イグニスター》初動からの《ダークナイト@イグニスター》3体展開後の《斬機サーキュラー》起動には《古尖兵ケルベク》を撃たれても貫通して5000打点で立てれます。
が《古尖兵ケルベク》を効果で破壊するわけにもいかず、かといって残すとリンク数を稼がれてしまうのが辛い

あと一応《斬機サーキュラー》1枚展開ではどうしても《ブルル@イグニスター》を起動して《ピカリ@イグニスター》にアクセスする必要がある為、この際に場の《サイバース・ウィキッド》に撃たれて失敗しかねないのもちょっと辛いところ。
(※これはサイバースss手段1枚あれば貫通できる)

問題点②:最終盤面の成否/《浮幽さくら》を使えるほどEX枠に余裕がない

上記のように《ダンマリ@イグニスター》が抜けたあたりで、そもそも最終盤面を《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》じゃなくて《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》にしたほうがいいのでは?という本末転倒な疑問が出てきました。
効果無効2回ごときでティアラの展開が捌けるのかという問題がある(チェーンの関係での抜け穴が多い)のですが、一緒に盤面に添えやすい《トランスコード・トーカー》の対象耐性は非常に有効の為、別に固執する必要ないのでは…?という気づきがあります。

ただそれと背反している事情がEXに枠がなく、そもそも《浮幽さくら》を使うのにかなり無理があるという問題です。
今回のリストでは《浮幽さくら》で飛ばしたいはずの《双穹の騎士アストラム》を割り切るほどEXに余裕がなく、残りの2枠も本来は《ライトドラゴン@イグニスター》《Gゴーレム・クリスタルハート》といった本来動きの中で必要なカードです。
特に《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》を使うのであれば《トランスコード・トーカー》を添えやすい《Gゴーレム・クリスタルハート》は必須級といえる為、(対面を考えなければ)《浮幽さくら》いらなくね?という発想が出てくるのが自然です。

以上のようにデッキ全体として考えると構築の始点の部分から疑問符が出るという本末転倒な状態になってしまいました。
とは言えデッキパワーでティアラメンツに勝てれば《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》型として収めてもいいのですが…


問題点③:ティアラ側の妨害を避ける術に乏しい

ヴェンデットと同様、《ティアラメンツ・ルルカロス》や墓地のイシズが重くなりがちで、まっとうにあちらが回るとこちらの全力手数でも返しきれない場面がちらほら。
特にイシズが数手分奪いかねないようなケースが辛め。

当初は《ティアラメンツ・ルルカロス》に対して《イグニスターAiランド》は墓地から戻せるから実質強い!とか思ってたのですが冷静に墓地効果をイシズで戻されて真顔になりました。(なんならコストも辛い)

手札を全部ダンプできるフルパワー貫通手札でもティアラメンツ側が普通に回してきた盤面を貫通しきるのが難しいのを実戦でわからされたあたりで、現実を悟り始めます。


問題点④:ふわんだりぃず対面がかなりじゃんけん

環境に存在するだけでリンクデッキの人権を奪ってるような気がする

対戦数を重ねる上でこれがかなりストレスでした。

こちらが先手の場合は《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》で勝ち、相手が先手の場合は《ふわんだりぃず×えんぺん》でこちらのギミックが機能不全になり負けという展開でかなり不毛な戦いになりがちです。

ふわんは一定数使用ユーザーのあるデッキの為に無視もできず、後攻となったら不戦敗を与えてしまうようなデッキ採択をすること自体がリスクと感じ、断念を決めました。


⑩エクソシスター

ここまで時間を無駄にしてきてようやく「墓地を使うデッキ握るの意味ないじゃん」というみんな知ってそうな現実に気づきます。
また対面からたまに撃たれていた《ディメンション・アトラクター》の拘束力に撃たれて発狂しながら魅力を感じつつあり、これを使えるデッキをちゃんと触ってみようと思い立ちます。(個人的に嫌いで敬遠していたのもあった)

使えそうなデッキパワーの高いデッキを考えると、ふわんだりぃず、スプライト、エクソシスターあたりが候補となりますが…

●ふわんだりぃず
《増殖するG》を腐らせられ墓地にも依存せず、《強欲で謙虚な壺》のようなドローソースを無理なく使えるのが大きな強み。
だが1枚初動が非常に薄く事故りがち、メインギミックも効果無効が通ってしまうと手数不足になりがちでかなり嚙み合いを要求される。

●スプライト
デッキパワーは申し分なく、先攻展開盤面も強く手数面でも十分で後手捲りもかなり期待できる。
一方で《増殖するG》はかなり重く受けがちなのに加え、なんだかんだで墓地を利用する機会も多くティアラの完成された盤面への対応は厳しいと感じ、とりあえず後回し。

と感じ、エクソシスターを触ってみることに。

エクソシスターの環境上の最大の魅力は、全体の基本スペックがティアラメンツに強い構造になっている点に他ならず、展開ゴールの道中のカードすら実質のメタカードとなっているのが他のデッキと一線を画します
下級は全て墓地融合を牽制できる為ある程度《増殖するG》に対しても止まりやすく、核となる《エクソシスター・ミカエリス》も性質上《ティアラメンツ・ハゥフニス》や《壱世壊に奏でる哀唱》構えに対して強気に展開できるのが大きなメリットです。

もちろん《エクソシスターズ・マニフィカ》+《エクソシスター・リタニア》の最大3~4回の着地狩りは下手な展開デッキを蹂躙するだけのスペックがありますし、本体の2回攻撃による圧倒的なクロックの速さがある為、解決までの時間的猶予もほぼ与えません。
対ティアラメンツ以外でも先攻時の勝率については十分担保できていると考えれます。
また墓地依存率もほぼないといっていいのも条件を満たしています。

一方でデッキ全体を見回してみると、《エクソシスター・マルファ》以外のカードパワーはかなり低いのが気になります。
当然ながら2枚でランク4を作るような動きは妨害に対して非常に弱く、また《ディメンション・アトラクター》等を使う関係で少ない状態での手札から始動せざるを得ない為、手札要求値もかなり高くなりがちです。
なんなら《エクソシスター・マルファ》スタートでも+で★4がいないと《エクソシスターズ・マニフィカ》まで到達しないので、結局手札消費は重くなりがちです。

またエクソシスター魔法罠のムラも気になります。
《エクソシスター・リタニア》は誘発受けの観点を考慮しなければ複数引きたくはありませんし、何より《エクソシスター・バディス》や《エクソシスター・アーメント》は後手時の弱さが際立ち、かなり都合のいいカードの印象。

(1)《エクソシスター・マルファ》へのアクセス率を上げる
(2)ネームド魔法罠の無駄を極力排除する

を意識して構築してみることにしてみました。
ということで組んだのがこちら。

結果から言うとかなり好感触で、ダイヤ4→1でティアラメンツをなぎ倒し20戦程度ですんなり勝てました。
WCS本戦でも上位帯でかなり使用者が多かったとのことで、環境的なポジションは非常にいいといえるでしょう。


●課題点の解決アプローチ

(1)《エクソシスター・マルファ》へのアクセス率を上げる
⇒《スモール・ワールド》と《強欲で金満な壺》を採用


《スモール・ワールド》はデッキ内の全てのモンスターから《エクソシスター・マルファ》にアクセスできるように構築しています。
特に不要な誘発を展開札に変換できるのが大きく、展開の手札要求値を相対的に低くできるのが優れていると感じます。

また後手捲りの最終手段としてエクソシスター縛りの制約の中でも壊獣など違い採用できる《ラーの翼神竜-球体形》を採用しました。
一応《エクソシスター・マルファ》さえあれば最低限の展開はできるのでこの捌きから本当に無理なゲームを掴める可能性があり、実際これに助けられ勝利した試合も全体の1割程度ありました、が一時期3枚試して先攻初手3枚来て1敗してます
とはいえそもそも《エクソシスター・マルファ》だけでは《エクソシスターズ・マニフィカ》まで到達できず、しかも召喚権がない状態での擁立はかなりハードルが高いので、完全に相性がいいわけではないのに注意。

一方で無視できなすぎるデメリットが《スモール・ワールド》の経由を考えすぎると50点以下のようなカードを採用しないといけない点で、これはデッキの無駄を排除しようという思想と大きく矛盾していて正解と言いきれない部分です。

例えば《古尖兵ケルベク》については表を見ると圧倒的なコミュ強ですが、当然ながら効果を使えるのは相手依存のカードで強い誘発とは言えません。
《エクソシスター・マルファ》の展開とくっつきのいい★4なことでなんとか採用ができているレベルで、もっというと他の★4以外の経由カードは全く自分の動きに貢献しないのが非常に勿体ないところ。
この改善が進めばより効果的な採用になると思います。
1回《黄金狂エルドリッチ》のおかげで《BF-下弦のサルンガ》構えの《BF-フルアーマード・ウィング》突破して勝ったけど


《ディメンション・アトラクター》と併せ手札消費の問題が無視できなかった為、単純な枚数確保として優れ《強欲で金満な壺》の採用については早くから目をつけていました。
そもそもエクソシスターは《エクソシスター・マルファ》での制約の関係からネームド以外のランク4を立てる機会が少なく、ある程度EXが統一化されていても問題ないというベースがあるので、非常に有力な選択肢だと思っています。
もちろん《エクソシスターズ・マニフィカ》が3枚飛んだ!というようなケースで自滅したケースもあるにはあった(1敗)のですが、どう考えても2ドローして手数を確保できているリターンで勝利できているパターンのほうが多かった為、リスクを払うに十分値します。

ちなみに《天霆號アーゼウス》とるか《エクソシスター・ジブリーヌ》or《エクソシスター・アソフィール》の3枚目とるかが結構迷いポイント。
個人的には「絶対ないと困る」のは墓地拘束と打点upのある《エクソシスター・ジブリーヌ》だと思ったのでここは3枚にしたい。
使用頻度は《天霆號アーゼウス》も低いのでEXエクソシスターだけにするのも全然いいと思います。

(2)ネームド魔法罠の無駄を極力排除する
→4枚まで削減

どちらかというと《スモール・ワールド》の関係もあり枠が自然消滅していったのもあるのですが、結果的に《エクソシスター・パークス》3《エクソシスター・リタニア》1まで減らしてみました。理由は先述の通り。
個人的にはかなり満足した比率なのですが有識者からみたら怒られそうではある。

実際に回してみると《エクソシスター・パークス》でもプチ《エクソシスター・バディス》のような運用ができることがわかったので、《エクソシスター・バディス》自体は不要でも問題ないと感じました。

《エクソシスター・エリス》が墓地にいればサーチしてきた《エクソシスター・マルファ》や《エクソシスター・ステラ》を特殊召喚でき、相手の墓地に触るアクションをトリガーにできる。
《エクソシスター・マルファ》スタートを意識してる構築の為《エクソシスター・エリス》が墓地に落ちてないことは《ディメンション・アトラクター》発動下の展開以外ではほぼないため、再現性も非常に高い。

また《エクソシスター・バディス》よりデッキのリソースも食わない。
このデッキではデッキ内の《エクソシスター・エリス》の枚数が《エクソシスター・マルファ》の発動回数に関わり二の矢を考える上で死活問題の為、極力《エクソシスター・エリス》を出したくない。
特に《エクソシスター・マルファ》スタートだと《エクソシスター・カスピテル》から《エクソシスター・エリス》2枚目をサーチして展開することも多く、3枚目の《エクソシスター・エリス》を使いたくない

なおこのデッキ唯一の墓地参照の為、イシズを食らうと実質妨害されてしまうデメリットはある

一方で《エクソシスター・リタニア》については2枚目が欲しいといえばほしいところ。

被るリスクはやはり許容しづらいですが、
・誘発を受けた際に素引きしてて最低限妨害になる
イシズで墓地に落とされた時に1枚だとサーチの択がなくなる
・長いゲームになった際に2回目の《エクソシスター・ミカエリス》で取る択が欲しい
は明確なメリットなので、かなり枠を捻出したいところ。
でも3枚は不要。


●細かい話

誘発の採択や枚数比率がめちゃむずいなと感じています。
結構色々可能性あってかなりいじる余地あるなと感じました。

両面の受けはない

例えば一見無難な枠にみえる《無限泡影》。
後手として撃つ分には当然安牌なのですが、先手時に構える観点で考えるとエクソシスターはカウンター要素などはないので《拮抗勝負》が重くなるという罠があります。
※とはいえ《エクソシスターズ・マニフィカ》自体は《拮抗勝負》に強め

《スモール・ワールド》の関係もあるので、そこだけ切り取るなら《エフェクト・ヴェーラー》や《朔夜しぐれ》といった類似の誘発でも問題ないように感じますが、この2枚は《ディメンション・アトラクター》下で発動できない噛み合いの悪さもあります。
何より厳しい《ティアラメンツ・ルルカロス》や《No.41 泥睡魔獣バグースカ》に撃てないという事情もあり、そうしたカードに後撃ちできる可能性のある《無限泡影》は唯一無二の存在という難しい天秤があります。


《灰流うらら》については環境的な事情のほうが色濃いです。
このデッキは(ティアラ対面だけみるなら)ある程度《増殖するG》について止まれるのでその観点でのウェイトは低いと感じた為、↑のリストでは《スモール・ワールド》で切ったりや《抹殺の指名者》で飛ばすことも意識して2枚と若干中途半端な枚数に収めてます。
全然1枚でもいいと思っています。

が当然ながら《エクソシスターズ・マニフィカ》までいけるならそれに越したことはないのはもちろんですし、構造上通常より厳しくなりがちな烙印ティアラのような亜種に対しては《灰流うらら》はクリティカルになる為、これらの流行を考えるならフル投入が望ましいです。
自分も今なら3枚入れるところから検討します。


WCS本戦では《浮幽さくら》を採用したリストが好成績を残しており、これは《強欲で金満な壺》を前提で考えていた個人的には目から鱗でした。

たしかに《浮幽さくら》が通れば《エクソシスター・マルファ》に対して強い《ティアラメンツ・ルルカロス》の成立自体が厳しくなりますし、イシズによる爆発はエクソシスターの固有効果で牽制できているので、かなり合理的です。
EXの余裕があるのも採用を後押しできます。
また同系に対して明確に強いカードというのも重要なポイントです。

一方で《ディメンション・アトラクター》と併せて局所的な誘発が増え、かつ《強欲で金満な壺》のようなカードが取れないとなると初動で動きづらい手札が増えてしまう事情は看過できないので、どちらを取捨選択するかというイメージ。
《絶火の大賢者ゾロア》のようなカードを入れて実質2枚で《エクソシスターズ・マニフィカ》を狙うプランもよく採用されてますが、もちろん妨害に弱いのは無視できませんし、自力でSSできないエクソシスターの枚数もある程度必要になってしまうので、一長一短に感じます。

正直エクソシスターが意識されて《浮幽さくら》の枠として入れられ始めるとポジションはかなり悪くなる事情もあるのでこうなってくるとデッキ選択するかも迷いどころ。
またランクマのような広くいろいろなテーマとあたる環境では自分の動きを伸ばせるような構築のほうが強いのも事実なので、ある程度手札の要求値が求められるエクソシスターでは自分のデッキを回しやすいアプローチのほうが相対的な勝率が出ると考えています。
WCS本戦のような対面想定が絞られる環境でこそ輝いていたという事情もあるでしょう。


あと《拮抗勝負》についてもこのデッキに置いては個人的にはつよわいカードのイメージが付き纏っていました。
先手に引いた時の腐り方は他のデッキと比べて許容しづらく、仮に飛ばせても残ってる《ティアラメンツ・ルルカロス》かなり重く実は《スモール・ワールド》で切れる分《ラーの翼神竜-球体形》のほうが強いのでは?と薄々感じながらプレイしていました。

一方で《エクソシスター・マルファ》→《エクソシスター・ミカエリス》の流れが《壱世壊に奏でる哀唱》に強い構造上、それに強い《壱世壊に澄み渡る残響》や《壱世壊=ペルレイノ》を的確に踏める・捌けるのがこのカードの役割とも感じたのでなんともいえないところ。

個人的には結論が出てません。成功体験量産カードなのもよくない


とはいえひとまずある程度の勝率確保という形で結果は出たので、スプライトとふわんの検討を放ってここで模索を止めることにしました。
ある程度勝ててる理由も言語化して納得できたのも大きかったですが、ソリューションを見つけようとしながら結局普通のTier2に収まったのは遠回りしすぎな気もします。


5.今後の環境予想とか

WCS本戦前から書き始めていて本戦中ぐらいに公開して~とか思ってたんですが、思ったより書きたいこと多くて筆が乗ったのとマイペースに書いてたので、気づいたら本戦が終わって制限改訂も出てました見通し甘すぎでは?

悲喜こもごもの内容

ティアラメンツ目線でみると、初動枚数の減少と妨害強度の低下が大きな弱体化要素と言えます。
初動については《絶海のマーレ》の増加など代用案も効きますが、《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》が各1回しか使えなくなり安易なリソース回復ができなくなりましたし、《ナチュル・エクストリオ》が立たなくなったのは盤面強度としてはかなり弱くなったといっていいでしょう。

また《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》の枚数低下はランク4の成立も相対的に困難にしており、これまで以上に永続に対しての解決が難しくなったり、《No.41 泥睡魔獣バグースカ》でごまかすといった芸当が難しくなります
ランク4の擁立ではなく絡め手を烙印のような融合ベースに寄せる、といったアプローチも増えてくると思われます。


一方で根本のティアラメンツのムーブ自体にメスは入っていない為、《ナチュル・エクストリオ》を除けば今までと変わらない盤面と戦う必要があります
また《剣神官ムドラ》+《墓守の罠》の黄金ムーブがほぼできなくなったものの、《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》については4→3と微減であり、まだまだ現役で投入されることが予想されます。
ティアラメンツ以外のデッキが増えると結局イシズ爆発構築のリターンが大きくなる風潮は変わらないと予想される為、基本的にはティアラメンツを中心としたメタゲームが続くことが予想できますし、相変わらず頭1つ抜けたポジションにあるのは変わらないでしょう。

ただし《ナチュル・エクストリオ》が禁止になったことで、魔法罠の捲り札は今まで以上に機能するようになりました
《三戦の才》や《拮抗勝負》が今以上に信頼を置けるようになりましたし、後手からでも機能するような永続(《スキルドレイン》とか)の信頼性も上がり、《拮抗勝負》こそ気になるものの、罠デッキのポジションも向上したといえます。

ティアラメンツが継続してトップシェアならば相対的にエクソシスターのようなデッキも一定の存在感を示せるはずなので、今後のシェア次第では十分使用する価値があると思います。

結局今期全く使わなかった

墓地妨害イシズが減ることでの大きなポイントとして、これまでかなり先攻番長気味のカードだった《墓穴の指名者》の信頼性向上・採用率増加も予想されます。(まだ落とされる可能性があるので全く過信できませんが)
当然ティアラメンツ側も空いたイシズの枠で採用が増え、《増殖するG》への耐性が上がることも予想されます。
環境の手札誘発の採択にかなり影響が出てきそうなところでしたが…

とか書いてる間に新段の情報が来ました。【ビーステッド】実装!
クシャトリラはともかくラビュリンスは?
実質の強力手札誘発の追加。存在がティアラメンツを牽制したデザインな事もあり、環境に大きな影響が予想されます。
ティアラ側が汎用誘発として組み込むのが強いのは歴史が証明してますが…

またビーステッドは後手でも強い性質を持ち合わせてるので、今まで以上に無理ない後手捲りや相手の先手ムーブへの干渉が予想されるのは結構面白くなりそうな予感がしているので今から結構楽しみにしています。
ただ他の光闇デッキの地位は相対的に落ちそう


正直なところ大筋ではティアラメンツ側の動きも変わらなそうなので、今回のエントリーがある程度まだ参考にできる余地がありそうなことに正直ほっと一息してます。
自分は特にWCS本戦を走り切ったわけでもないので参考文献としては薄いかもしれませんが、ぜひ皆様の参考になればと思います。


マスターデュエル、DCG特有のトライ&エラーが非常にしやすいというのが本当に素晴らしいゲームだと思う、皆様もぜひ自分なりの工夫を凝らしてランクマやイベントに挑戦してみきてください!

最後に、この環境で本戦をしっかり走り切った方は(精神的な意味で)本当にすごいと思います。
3日間の長丁場お疲れさまでした。素直に尊敬します。



ここから先は

200字 / 1画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?