烙印幻影勇者を触ってみての反省記(マスターデュエル 2022/9~ 新制限対応可)

Twitterに垂れ流す程度で終わろうと思ったんですが、まあまあ書きたいこともあったので簡易ですがまとめることにしました。

以前のアダマシアの記事を書いてた頃はシーズン開始3日でプラチナ到達するぞ~と息巻く元気がありましたが、ここ数か月は

・ダイヤ帯の実装
・ハリラドン展開(とふわん)の大流行による誘発噛み合いゲームの増加

と勝利追及すると精神的に疲れる場面が増えてきたので、最近はデイリー消化程度の頻度で無理なくのんびりマスターデュエルを楽しんでます。


とはいえなんだかんだ新しく実装されたカードには触りたいので、毎シーズン違うデッキを触るようにはしたい男の子心。
今月は一時期OCGでもトーナメントシーンを席巻したと話題だった烙印(デスピア)ストラクのカードが本格実装されたということで、1か月腰を据えて大本命の烙印勇者に触ってみることにしました。



結果的には従来のテンプレ構築から幻影要素を加えた構築を使い続けましたが、何とかギリギリでダイヤ1到達という、かなりの醜態じみた状況となってしまい、かなり苦労することになりました。

以下は今後烙印を触る人の思考の一助になるかもしれないと信じての、記録としての駄文となります。


①構築経緯


●リスト

※2022/10~の新制限対応用に《聖殿の水遣い》を1枚にしてます

●初期構想


そもそもなんで幻影と混ぜる発想になったか?という話の前に、OCGでの大会上位入賞構築をオミットしたサンプルと比較します。

大体こんな感じのはず

・デスピア(アルバス)の採用枚数
・誘発の採択
・exの枠採択(《サクリファイス・アニマ》《ストライカー・ドラゴン》等)

で多少の個人差はあると思いますが、今回は本旨の部分ではないので割愛します。


まず大前提として《烙印融合》1枚での《氷剣竜ミラジェイド》擁立という動き自体はカード1枚でできる制圧/後続確保としては間違いなく破格です。
しかしながらデスピアギミックをメインにせず、サブで使おうとすると…

①出張枠を軽減するために《烙印竜アルビオン》から出す
墓地に落として(かつシナジーがある)まともな光属性がほとんどいない
(《黄金卿エルドリッチ》と捕食参入後の《ステイセイラ・ロマリン》程度)

②闇属性を落とすなら《悲劇のデスピアン》を落とすバリューが他と比較して後続確保・1枚で完結しているギミックとして圧倒的

《氷剣竜ミラジェイド》以外の融合体を出す動きは結局劣化になりがち
(サンドラの《捕食植物ドラゴスタペリア》展開、シャドールの《シャドール・ネフィリム》展開等)

となってしまうので、結局純正のデスピアで使うのが一番強そうで、意外と出張しづらいカードというのが早期の結論。

大人しく純正のサンプル構築を回してみますが、初期回しの時点でかなりのストレスを感じてしまいました。

その最たる原因が《烙印開幕》です。

手札を投げ捨てる初動使ってるやつみんなバカです


《烙印融合》にアクセスする手段としてこれしかない!のはそれはそうなんですが、それにしても手札1枚のデメリットが重すぎる。
しかもこれで《烙印融合》をサーチしたところで、次の《神炎竜ルベリオン》展開にも手札を消費します。

なんで君も手札使うねん(使わなかったら強すぎ)

《神炎竜ルベリオン》のコスト問題に関しては《烙印融合》が通ってる時点で《悲劇のデスピアン》が落ちてるのでまあ食らっても許容はできる範囲…と言いたいのですが、この《神炎竜ルベリオン》に無効誘発を当てられるとサーチしてきたデスピアもほぼ死に札になるのがあまりにもリスキー。

《烙印開幕》自体は《灰流うらら》にも《増殖するG》にも強いですが、結局《烙印融合》に全ての誘発が当たるのであまり意味なし。
誘発いっぱい入るのが売りで聞いてたのにこんなリスキーな展開通す為に手札1枚切る初動採用して勝てるのか…?というのが触ってみての感触でした。

もちろんこれに加えて勇者ギミックと《デスピアの導化アルベル》素引きでの噛み合わなさへのストレスもあり(これは適切に使えばまだ許容できますが)、思ってたよりのギミックの評価はダダ下がり。
OCGでは3枚使えてた《金満で謙虚な壺》が1枚しか使えない点でも間違いなく弱体化を受けており、嚙み合わない手札の解消の難しさに拍車をかけています。

●初動のアプローチの変化

そこで目をつけたのが通常では保険として使われている《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》。

OCGではとばっちりで禁止になったとの論評

《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》から《烙印融合》で《氷剣竜ミラジェイド》を出す展開自体は、それ自体では《悲劇のデスピアン》を経由しないので瞬間的なアドバンテージ生成はなく、《赫の烙印》が構えられるわけでもないので盤面圧力には欠けます。

ただ《烙印竜アルビオン》経由で次のターンの《烙印融合》の確保はほぼ確定するので、そこからデスピアギミックを回す展開にすればデッキ全体が動かせるのが最大の魅力と感じました。
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を1枚で出す方法自体はいくらでもあるので、これを出すギミックさえ採用すれば初動の補助が見込めます。

とは言っても本命の動きでの《神炎竜ルベリオン》のギミックでの手札コスト自体はネックなので、

①1枚で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を擁立できること
②かつ手札コストとして使っても強いこと

を前提として、白羽の矢が立ったのが幻影ギミックです。

幻影は《幻影騎士団ティアースケイル》以外の3種は全て《転生炎獣アルミラージ》→《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》サーチ→《リンク・スパイダー》を経由することで1枚で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》になります
このギミックは勇者ギミックを回して《流離のグリフォンライダー》をたてながらでも回せるのも〇。

かつ《幻影騎士団サイレントブーツ》は手札コストとして使っても《幻影霧剣》になるので妨害が増えるが副次的魅力。
手札コスト以外でも
・余った勇者トークン等と混ぜて《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を作る
・《悲劇のデスピアン》が手札にある時の《烙印融合》
でも《幻影霧剣》にアクセスできるので、妨害数を増加して盤面を強固にする意味でも理想的です。


上記経緯の通り、この構築は

『幻影ギミックの展開に《フュージョン・デステニー》感覚で烙印を入れた』

ではなく

烙印ギミックの補助の為に幻影を取り入れた


という《D-HERO デストロイフェニックスガイ》期の感覚と比べると発想が逆転しての作成となっているのがポイントです。
(デスフェの時期も1枚デスフェ擁立の動きができることを保険とした上での幻影の評価はあったと思いますが)
幻影ギミックの枚数がメイン/ex共に最小限に抑えている点からもその色を強くしています。


【補足】


蛇足ですが構築の細かい点

Q.なんで《幻影騎士団ティアースケイル》1枚なの?

素引きした時の性能が弱い。他の幻影と違い1枚で《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》にならない。
通常の幻影勇者と違い★3の展開に特化できているわけではないので、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》に向かうためにはほぼ効果起動が前提で全ての誘発を踏むリスキーさ。(無理やり初動にした試合は例外なく負けている)

《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》絡みの展開ができればいいので1枚あればいい。
展開が通ってからは烙印ギミックによるゲーム展開をすればいいので、幻影のリソースを維持する観点はあまり考慮していない。


Q.EXの枠
《ヴァレルソード・ドラゴン》以外の14枚は固定
全てのカードを汎用展開の中で使う場面がある為、削れない。(この柔軟性のなさが問題点の1つでもある)

15枚目は
・《デスピアン・クエリティス》のような融合先の選択肢
・《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》に繋がる可能性のある《暗影の闇霊使いダルク》
あたりも候補だが、《ヴァレルソード・ドラゴン》なら《彼岸の黒天使 ケルビーニ》展開で横に広げられた際にライフを取って勝てるプランが発生するので一番勝利貢献度が高い印象。

②良かった点

●1枚初動の増加により安定感が上がった

これは当初の構想通りですね、
《氷剣竜ミラジェイド》に繋がる1枚初動は勇者ギミック抜きで11枚確保されており十分。
かつ《デスピアの導化アルベル》以外は全て勇者ギミックの補助を受けることができ、初動同士の重ね引きでも相互作用が発生しやすく、デッキのギミック循環自体はかなりストレスフリーでした。

1枚初動が増えて手札要求枚数が減ったことで、誘発の大量採用(13枚)も最低限肯定されるようになり、中速デッキとしては理想的な形になったと言えます。

●ぶん回り展開が存在する

幻影を取り入れたことで、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》→《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》の2枚展開が狙えるようになりました。

王道のダスティ+ブーツ展開

幻影の展開に特化した構築でなくても、2枚展開で3~4妨害を《氷剣竜ミラジェイド》を擁立しながら行えるのは明確な強みで、先攻でのイージーウィン率の増加に繋がります。
展開始動札の組み合わせとなるカードも、ほぼ1枚初動として完結しているのも無理がなく好感触で、通常の幻影よりも誘発の採用枚数が多い事から、成立後の返しづらさは純正以上になることも。


≪最強デッキ完成!!!…あれ?≫

ここまでは全て構築段階で予想できていた点で、「こりゃ最強デッキできちまったな…」と思って満面の笑みでいざランクマへgo。
基盤も強いし比較的すんなりダイヤ1ノルマも終わるだろう、とかなり楽観していました。

が、現実は非情です。思ったより勝率が伸びません。
しかも勝率が悪いと言っても70%とかの話ではなくそれこそ5~60%の数値を叩き出す事態に。
勢いよく7連勝したと思ったら直後に5連敗してランクダウンのように波も激しい。

初めのうちは「運が悪かった」「相手が全部持っていた」と割り切って精神安定に努めていましたが、連敗ケースが増えたあたりで「さすがにこれはデッキ側に問題がある」と現実と向き合うことになりました。

ということで冷静に負け試合を分析したところ、負けるべくして負けているという事実が浮き彫りになりました。

③悪かった点

(1)1:1交換前提の中速ゲームプランの落とし穴

烙印(デスピア)というデッキは
・1枚で複数枚の蓋展開をして強力な制圧盤面を作れるわけではない
・一気にライフを削り取る手段についても比較的乏しい
・《氷剣竜ミラジェイド》単騎の展開を動きの主軸に据えている
関係からデッキ分類としてはミッドレンジ(中速)の部類に入ると考えています。

《氷剣竜ミラジェイド》自体は
①対象をとらないモンスター除外による妨害
②場を離れた際のEPの全体除去
③コストの《烙印竜アルビオン》による後続確保
と、対処の難しさと経戦能力が魅力のカードで、対処されても次のターンには新たな《氷剣竜ミラジェイド》を押し付けて徐々にアドバンテージ優位を広げながら盤面を制圧することが可能な、まさしく中速系デッキを1枚で体現できるエースモンスターです。

ですがこのうち②と③については『ターンが経過する前提』におけるメリットで、ゲームレンジを『ミラジェイドが出された返しの1ターン』と定義するような高速系デッキにとっては、本質的には①の部分しか問題となりません
つまり短期的に切り取ってしまえば、《氷剣竜ミラジェイド》はあくまで「相手モンスターを1枚除外できる」だけの1:1交換カードでしかないのです。

主軸に据える事の功罪

ここで改めてデッキの相手への干渉要素を確認してみると…

①《氷剣竜ミラジェイド》を擁立する1枚初動(上記前提なら1:1)
②相手の行動を止める手札誘発・指名者系カード(基本1:1交換)
③《幻影霧剣》(1:1での妨害)
④《流離のグリフォンライダー》による無効妨害(1:1交換)

と、見事に1:1交換をとるカードしかない構成となっています。
爆発的にアドバンテージ・妨害を生む展開は先述の幻影展開しかありません。

もちろんデッキの目指すウィンコンディションとしては上記のような1:1交換を投げ続けて相手のターンを受け流し、《氷剣竜ミラジェイド》による循環がアクティブになることが目指すべきゴールです。

ではこのストレッチゴールの何が問題かというと

①妨害の総数値が初期手札の5枚の質に大きく依存している
②そもそも相手の手札は6枚スタート
③《ハーピィの羽根帚》のような複数枚交換をしてくるカードの存在

が主な問題点です。


 ①妨害の総数値が初期手札の5枚の質に大きく依存している

自分都合の問題です。
《氷剣竜ミラジェイド》を1枚初動で展開したとしても基本は1妨害で、残りの手札は3~4枚。この残りの手札によって妨害枚数がブレます。
《烙印融合》《デスピアの導化アルベル》でのスタートが通れば《赫の烙印》が絡む為に実質1枚から2妨害に昇華できる為、ある程度の手札の質を整えることができますが、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》スタートではこれが狙えないのは大きな欠点です。

ここで足を引っ張るのが素引きした時に問題となるゴミ中身の存在。

初手で引きたくないランキング上位


デッキ内でほぼ先攻展開にも絡めない/補助の効かないカードは
《悲劇のデスピアン》
《デスピアの凶劇》 ※場合による
《アルバスの落胤》2
《騎竜ドラコバック》
とそこそこの数があり、引き合わせによっては《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》《流離のグリフォンライダー》等も明確に死に札になります。

ここが烙印(デスピア)自体の最大の欠陥でもあるのですが、《氷剣竜ミラジェイド》擁立での妨害数だけではこの素引きを許容できないと感じました。

『《氷剣竜ミラジェイド》を出せたけど他の妨害は手札誘発1~2枚しかない』

みたいな展開も少なくなく、この妨害要素の引き合わせのムラが勝率のムラに直結していると感じました。

 ②そもそも相手の手札は6枚スタート

当たり前の話ですが、《氷剣竜ミラジェイド》に対応する返しの相手の手札のほうが5:6で多いです。
相手も都合よくこちらの妨害に対して1:1で応手できるわけではないですが、仮に1:1でぶつかり続ける想定をするとどこかで枚数差で捲られる可能性が非常に高いです。

先述の負けた時の自己暗示として「相手が全部持っていたから負け」と言いたい場面はありますが、《氷剣竜ミラジェイド》に依存している時点でそもそもある程度持たれていたら負けるような土俵にしているのは自分というオチでした。

 ③《ハーピィの羽根帚》のような複数枚交換をしてくるカードの存在

1:1交換での応対を前提としているので、当然ながら相手側がアドバンテージをとるような動きで返してくると、損失したアドバンテージ(と妨害)に対して対応しきれません。
採用比率はさほど多くない…と思いたいですがマスターデュエルは後手に特化した構築の対面も少なくなく、思っている以上に飛んできます。

噛み合って直撃すると泣ける

《幻影霧剣》と《無限泡影》伏せてターンを返したら《ライトニング・ストーム》で吹き飛ばされ、頼みの綱の前面の《氷剣竜ミラジェイド》を処理され負け…等がよくある負けパターンでした。

よく『前面(モンスター)と後面(伏せ)が両立した妨害盤面は強い』と言われますが、あくまでそれは少ない手札から十分なリソースを確保して展開できた場合の前提。
(今回だと幻影2枚での《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》盤面とか)
カードが増えてなければ直撃したらそりゃ負けます。

(2)後手の返しの手数がない

(1)は先攻での《氷剣竜ミラジェイド》展開に重きを置いた話でした。
では枚数差の逆転する後手は?誘発が大量に入っているなら1枚初動で動きやすい側のほうが有利では…?となるのですが、意外とそうもいきません。

これは《烙印融合》自体の欠点です。
発動ターンは融合召喚以外ができないという制約が足を引っ張りまくっており、

・幻影のリンク召喚ムーブで踏んでから《烙印融合》
→できない
・《烙印融合》で《灰流うらら》を踏んだ後にリンク召喚ムーブ
→できない(発動は無効になっていないので)

と、せっかく幻影をタッチしているのにも関わらず、両方素引きした際に(相手の妨害を潜り抜ける観点だと)手数換算になりません。
相手からすればどちらかの制約がかかるタイミングで要所を止めるだけでこちらの手数の片方が死んでいます。

先手も後手も最強カード

結局後手の捲りは《アラメシアの儀》→《騎竜ドラコバック》のギミックに依存する部分がとても大きく、1度成立した盤面への返しがとても厳しくなる
→結果的に相手のターン中の行動を誘発で止めにいくほうがいい
→1:1交換の構築色が強くなる(後手捲り札を増やすのは先攻が弱くなりすぎる)
→(1)の問題が解決しない

と結果苦しい状況。
《金満で謙虚な壺》で最善手がとりづらい影響をもろに受けている部分とも言えます。

もちろん現代遊戯王の展開デッキは誘発の1~2枚を踏み越えての展開なんてざらにあるので、「誘発を大量に入れてるから後手でもなんとかなる」というだけは勝率が担保できません。
通された完成された盤面に対して《烙印融合》を止められ、以後何も動けずそのまま投了ボタン直行。本当によくある展開でした。


(3)《幻影霧剣》の妨害性能のムラ

これも予期はしていたのですが、かなりの誤算でした。

対象モンスター無効という非常にシンプルな性能で割とどのデッキにも刺さる妨害…と思っていたのですが、実際には刺さる場面と刺さらない場面が極端に分かれていました。

明確に有効なマッチアップとしては、
・ふわんだりぃず
⇒どの生物に対しても有効。無効系の枚数の担保のおかげで《捕食植物ドラゴスタペリア》が出せなくてもかなりやりやすい
・普通の烙印ミラー
⇒《喜劇のデスピアン》を加味しても、素引き以外ではリソース回転量で差がつく展開になるので基本有利の認識

ぐらいで、他の雑多なデッキについても要所や置物を止めて強い場面は存在します。

これが使えるデッキがベストデッキでした


大問題なのが《天威龍-ヴィシュダ》と《アラメシアの儀》に無力である点です
この2枚は《氷剣竜ミラジェイド》で処理できるとは言え、逆に言えば《氷剣竜ミラジェイド》の処理手段としても最有力カードでマストカウンターとなる2枚です

頻発した場面としては2種or《無限泡影》での重ね引きによる突破で、《幻影霧剣》や《無限泡影》で構えてても無抵抗に相手に盤面を処理される展開となっていたのが非常に目につきました。
《氷剣竜ミラジェイド》の弱点をカバーするような妨害になっていないというのは、完全に構築の欠陥と言えます

G以外でまともな回答がない

またよく見かける突破パターンとしては《相剣軍師-龍淵》からの《フルール・ド・バロネス》で完全に腐らされたまま死という展開。
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》での6000スタートに対して《天威龍-ヴィシュダ》→《相剣軍師-龍淵》→相剣★4で計7000ダメージ入って負け、という展開も結構多かったです。


さらなる誤算だったのが、《魔玩具補綴》を採用した烙印ミラーに結構な回数で遭遇した点です。

『対象にならない』

単純に通常の《融合》分手数が多いのはともかく、《ガーディアン・キマイラ》が《幻影霧剣》《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》を貫通して致命的なアドバンテージ差をつけてきます。
めちゃくちゃ妨害構えてるはずなのに《ガーディアン・キマイラ》盤面をズタズタにされて負け、本当に何回もありました。


 (4)1ミスが敗北に直結する

これは完全に自己責任の要素ですが、1:1交換を繰り返しての消耗戦での繊細な勝利を狙う、ということは1回のミスが大きく勝敗に直結します

・《赫の烙印》を構えて1妨害増やせるのに構えず手数で上回られた
・誘発の踏み方を間違えて止まった/余計なカードを引かせてしまった
・妨害のあてどころを間違えて超えられてしまった
・出す融合体を(結果的に)間違えた
・デッキのリソースを無駄に使ってしまってリソースに差がついてしまった

など、無限にミスする択は存在します。
「とりあえず最後に《真竜皇V.F.D.》構えて置けばok!!!」みたいな展開デッキとは違い、雑多なミスをカバーしてイージーウィンさせてくれるような超絶封殺系のカードは存在しないので、常に綱渡りのゲームを強いられてます。

良くも悪くも使い手の練度が要求される玄人向けのデッキです。
マスターデュエルからよちよち使い始めた筆者は無限のミス負けをして精神的に破壊されていました。

④何が一番の問題かというと

長々と書きましたが、詰まるところこのデッキ、そもそもの不安定要素を抱えに抱えた上で、マスターデュエルで大流行の展開デッキである【天威勇者】に1ミリも有利ではありません

OCG環境を実際にやってなかった自分の聞いていた下馬評としては
「天威勇者も素引きが許容しづらいカードが多いから、誘発の枚数を多くとれる烙印勇者側は天威勇者側の攻めをいなしやすくて基本有利なので、環境から死滅した」
という話で、いざ実戦を重ねる前までもこのイメージが先行していました。

展開のバリューが高すぎる

蓋を開けてみれば先攻で展開しても手数差で《幻獣機アウローラドン》展開が通って負けたり、後手も後手で誘発を貫通してきて負け、通れば手数がなく負け…と、相手と手札が噛み合ってないと全く勝てません。
後手の場合はやれることが限られるのでしょうがないにしても、先攻で展開して負けてしまうのは致命的すぎます。

OCGの下馬評との乖離の原因としては、間違いなくマッチとシングルの違いにあるでしょう。
烙印のような誘発を大量に多く採用できる=フリースロットの多いデッキはサイドデッキから相手に対して的確なカードを採用/入替しやすく、仮に1本目を落としてもサイド後に勝率の大幅な改善を見込めます。

代表的な対策例

当然相手側もこちらに有効なサイドカードを採用してくるはずですが、展開に重きを置いた天威勇者などではメインとの入替に苦慮するケースも多かったと思われるので、総合的なマッチ勝率の高さで駆逐していた、と分析できます。

思い返してみればややミッドレンジ寄りといえる《D-HERO デストロイフェニックスガイ》期の幻影勇者も、前評判は高かったですがマスターデュエル的には微妙な風潮があった(別にそんなことはなかったとは思いますが)のも目を背けていた点でした。


過去の歴史上でトップシェアだったミッドレンジデッキが、そのままマスターデュエルでは勝てるとは限らない。しっかり環境を分析する必要がある

『勝つデッキ選択』をする上では、今後も教訓になりそうな経験でしょう。


まあ普段のランクマでそんな重く考える理由もないので使いたいデッキ使ってただけですけど


⑤総評と新制限後

・トップシェアの天威勇者に不利だった
・それ以外にも自責・他責で負ける要素を無限に内包していた
・プレイミスでいっぱい落とした

そりゃ勝てません。

最後まで使ってたのは半分意地ですね。
「構築として結構綺麗に組めたのに勝てないわけないだろ!!!」ということであがき続け、勝率の伸びなかった未練もこうしてnoteに残すことで供養しているという有様です。

あと「《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を使った1枚初動」というアプローチは、実は《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の時に結構こすって「これ別に大して強くないわ」と1回通ってたんですよね。
あのカードは『既存の展開に添える』動きが強かった(かつ副産物も最低限の枠と2ドローでメインの動きの補助に徹している)のを改めて感じました。


ということでボロボロに負けたこのデッキ、オススメできないまま終わるの?と言いたいのですが、幸いなことに新制限後は立ち位置自体はよさそうです

・《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止になり、高速展開デッキがかなり減るはず
⇒環境全体が若干低速化すると予想
中速以下対決では《氷剣竜ミラジェイド》が圧倒的な存在感がある

・そもそも【天威勇者】自体がほぼ消える
⇒ネックだった《天威龍-ヴィシュダ》の遭遇数がぐっと下がる(はず)

・《聖殿の水遣い》勇者ギミックも使いにくくなり、採用度が減る
⇒ネックだった《騎竜ドラコバック》の遭遇数が気持ち下がる(はず)

・《聖殿の水遣い》制限でも《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を絡められるので展開に無理なく組み込める

と、《聖殿の水遣い》の制限以外はプラスな要素が多いです


もちろん烙印ミラーも大量に増えると思われるので、《氷剣竜ミラジェイド》先出し圧倒的有利問題だったり、素引きの格差問題や1ミス負けの繊細さは変わらないわけですが、ミラーはリソース管理+ゲームプランが(1ヵ月やっただけですが)かなり練度が出ると感じたので、やればやるだけ面白いタイプのデッキです

もちろん間隙を塗った《魔玩具補綴》を採用したタイプなどの工夫もありますし、古き良きカードのやり取りの応酬をしてじっくり楽しみたい方にはぜひおすすめのアーキタイプです。

逆にまた天威勇者のように大流行してしまうようなら、上記の烙印失敗経験から何かしらの攻略アプローチの糸口を掴んで創意工夫していただけるようなことがあったら幸いです。

自分の1ヵ月も供養されます


ということで10000字の日記でした!








なんか引けたわ


なんかハリ禁止でも展開普通に強くない?



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