上原明仁

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山崎君との思い出

子どもの頃、私の住んでいた家は急な上り坂の突き当たりにあって、地形の傾斜自体はまだまだ続くため家の背後は半ば崖になっており、その崖の上には森があった。森の中には遊歩道があって、それに沿って鬱蒼とした木々の間を十五分ほど歩くとわりかし開けた野原に出ることができ、野の中央には小川が流れていた。小学二年生の時、二クラス五十人ほどの小規模の学年だったのになぜか高学年になる頃にはすっかり関係が疎遠になってしまった山崎君という子に誘われて、二人でザリガニ釣りをしたことを朧気ながら覚えてい

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