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【漫画】BANANA FISH
このnoteを書き始めてから、これまで自分に大きく影響を与えた作品は何だろうと思い返していたら、この大好きな漫画についても想いを書きなぐりたくなりました。
舞台は、1980年代のニューヨーク、ダウンタウン。
「BANANA FISH」というキーワードを巡って繰り広げられる、ストリートギャングとマフィアの争い。
類まれな美貌とIQ180を超える頭脳を持つ最強美少年・アッシュと、心優しい日本人青年・英二との唯一無二の絆は、まさに青春そのもの。
キラキラしていて、そしてほろ苦い。
生まれも育ちも全く違うアッシュと英二が、ひょんなことから出会い、魂で惹かれ合い、友情を深めていくさまが、本当に温かくて、そして切ないのです。
大切な家族や友人の死、警察やマフィアに追っかけまわされるような壮絶な経験、したいかしたくないかと言われたらしたくはないし、そもそも自分にはきっと訪れることはないだろうと思いながらも、なぜか二人に対して「うらやましさ」や「あこがれ」を感じてしまう。
この感情はなんなのだろう。。。
大学生のときに、ニューヨークを訪れた際に、聖地巡礼しました。
アッシュが一人になりたい時に訪れるニューヨーク公共図書館。
オーサーと戦った地下鉄。
アッシュが自分の母親について英二に語ったスタッテンアイランドフェリー。
決戦の場となった自然史博物館。
もちろん架空の物語でフィクションなのに、そこにまるでアッシュと英二の面影があるようで、作者の吉田秋生さんの描写力、表現力に、感嘆したのでした。
何度も何度も読み返していて、全場面大好きなのですが、
特に、ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」という短編を引用して、アッシュが「死」について英二と語るシーンが大好きです。
「キリマンジャロの雪」に出てくる、引き返せないほどの高地まで登って死んだ豹のエピソードに、
「オレは死を恐れない」「だが死にたいと思ったこともない」と話すアッシュ。
それに対して「人間は運命をかえることができる 豹にない知恵をもって…そしてきみは豹じゃあない」という英二の言葉が温かく、アッシュの隣に英二がいてくれて本当によかったと安堵するシーンです。
こんなにも、自分を理解してくれて
こんなにも、何を考えているか手に取るようにわかってしまう、なくてはならない存在。
二人のような、こんな出会いが、こんな巡りあわせが、こんな奇跡が
きっとわたしたちにもあるはず、と期待してしまう。思わずにはいられない。
これからも続くわたしたちの長い人生の中で、
アッシュと英二のように、これほどまでにお互いを想いあえるかけがえのない友人に出会えますように。
Sarah