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【舞台】RENT

わたしとRENTとの出会いは、いつだったのでしょう。


大学生のときに、ニューヨークのブロードウェイへわざわざRENTの最終公演を観に行くくらいすでに大好きでした。


愛、結婚、離別、友情、出会い、別れ、夢、目標、

暴力、貧困、ドラッグ、HIV、LGBT…

さまざまなテーマが絡まりあった、ミュージカルです。


登場する若者たちが、

あらゆる現実に向き合い葛藤し、それを乗り越えていく。

その生々しいほどの生きざまに、感動を覚えずにはいられません。


RENTの主題歌「Seasons of Love」

みなさんも一度は耳にしたことがあるであろう、とても有名な曲です。

Five hundred twenty-five thousand 
Six hundred minutes
Five hundred twenty-five thousand
Moments so dear
Five hundred twenty-five thousand
Six hundred minutes
How do you measure
Measure a year?

1年は525600分。

この限られた時間を、

あなたは何で測る?

何で刻む?


RENTについて語るうえで、

このミュージカルを生みだした、

ジョナサン・ラーソンについて言及せずにはいられません。


ジョナサン・ラーソンは、このミュージカルにまさに命を懸けたひとです。

アルバイトで生計を立てながら、6年もの年月をかけ、脚本も、歌詞も、曲も、RENTの全てを創り上げた。


いよいよその公演がまさにはじまるという初日の未明、

1996年1月25日に、

ジョナサン・ラーソンは35歳という若さで、大動脈瘤破裂により、亡くなってしまうのです。


自分の全てを捧げた作品を、

この目で見ることなく、この世を去ってしまった。


その初日、

一体どんな思いでキャストのひとたちは舞台にたったのでしょう?

一体どんな思いで観客は舞台をみていたのでしょう?

いまわたしが

その情景や、その場にいたひとたちの想いを想像するだけでも、

胸がギュっと締め付けられます。


初日の舞台が終わった時、

大歓声、大喝采のあと、

劇場じゅうに長い沈黙があったそうです。

この作品の感動に浸るとともに、ジョナサン・ラーソンの想いを受け取るかのように。


その後この作品は、

ブロードウェイの各賞を総なめにし、

今でも世界中で愛されています。


彼が詰め込んだ、あふれんばかりの情熱と想い、すべてが、

この作品に乗り移って、

世界中のひとびとに届けられているのです。


こんなドラマのようなリアルが現実にあり、

リアルなドラマがこのRENTの舞台にはあるのです。

In truths that she learned
Or in times that he cried
In bridges he burned
Or the way that she died
It's time now to sing out
The story never ends
Let's celebrate
Remember a year in the life of friends

まさか、「Seasons of Love」で

ジョナサン・ラーソン自身が書いたこの言葉が

こんな意味を持つことになるとは。

彼自身はもちろん、だれが想像したでしょう。


ジョナサン・ラーソンのこのエピソードも相まって、

涙なしには見られない、素晴らしい作品です。


どの曲も本当に素晴らしいのですが、

わたしは、

エンジェルとコリンズのラブソング

「I'll Cover You」が特に大好きです。

登場人物たちの生きざまの中に、

ジョナサン・ラーソンの人生、

そして自分の人生を重ね合わせて、

心震える時間になること間違いなしです!

Sarah