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猫さんについて。

猫さんについて。
今うちの猫さんは酸素ハウスの中にいる。
家の中で機械の轟音と共に。
寝てしまって意識を飛ばす感覚を短くするためにこのnoteを書いている。

8月終わりから体調を崩しはじめた我が家の猫さん。
えずきからはじまりそれがじわじわと加速していった。
喉の炎症だと思われていたものが、
つい最近のレントゲンやエコー、血液検査でよくないものであろうことが発覚した。
とりあえず胸水がたまっているのを抜いて細胞を見たら良くない顔をしているらしく、直ぐに病理検査にまわされた。
結果は悪性の腫瘍であるという。
しかしどこのどんな腫瘍かは詳しいことは分からない。
探すためには更なる検査が必要なのだが、
もう猫さんにはその検査に耐えるだけの力は無い。
そんなこんなで1週間水煮やなんかの総合栄養食を食べなくなった猫さんは、チュールやとろりっちなどでなんとか薬を飲みながら過ごしていた。
けれど勿論ちゃんとした食事が取れないためにどんどんと痩せ細っていくのが目に見えて分かる。
結局1週間後の昨日、チュールやとろりっちでさえも食べなくなり、トイレに行くのにも小さな段差が大変で粗相をし床に寝そべり、小屋によろよろと倒れるようにして入って行ったのを見て急きょ病院へ行った。
やはり胸水は同じようにたまっているらしい。
しかしそれとは別に心臓の動きが弱いのだという。
心臓の周りに水がたまっているらしい。
そしてふと先生が心臓に腫瘍があるのかもともらした。
1週間前から血液検査の結果の数値が格段に悪くなっているだろうことは猫さんの様子を見れば直ぐに分かる。
今日になって朝から猫さんの姿が見えないと思ったらトイレまで自力で行ったのかトイレの縁にうんちがコロンとあり、トイレの中で寝ていた。そこには昨日の薬を吐いた形跡もある。
鼻チューブで薬や餌をやったが、呼吸の速さや涎などで再度朝から病院に駆け込んだ。
呼吸数のはやさ、吐き気、腫瘍の進行のはやさ。
昨日病院へ行ったばかりだが半日であっという間に弱っていた。
すぐに酸素ハウスに入れられ、できるだけの処置をする。
家にも酸素ハウスを導入した。
いつ心臓が止まってもおかしくない。
その言葉がずっと頭を離れずに、今日夜の引き取りの時に思わず「回復の見込みは…」と尋ねてしまった。
分かっていたこと。
もしも心臓に悪性の腫瘍があったらそれはものすごいはやさで体を蝕んでいくこと。
先生も私の問いには「難しい」という言葉しか選ぶことはできなかったように思う。
酸素ハウスの手配のチラシをくれた時も、「日割りで借りられるので」と言った。
それは猫さんがあとどれだけ頑張れるのか、その期間があまりにも短いかもしれないことを告げられたように思えた。
家を大掃除して登れないキャットタワーをどかし、酸素ハウスの場所をつくる。
大きさと轟音にびっくりしたが、人間慣れてしまうものらしい。
今は猫さんの胸の上下運動、漏らしたおしっこのシーツ交換、対位変更のために轟音と共にいるがなんでもない気がしてきた。
それもきっと、猫さんがあまりにも無抵抗だからだ。
今までは轟音や物音一つにびびりちらかし、私たちには抱っこなんてさせてもくれなかったのに、今では一つ鳴き声をあげるかどうか。
はじめて抱かせてくれる体験がこんなものになるなんて想像もしていなかった。

野良猫としてきっと彼女は気高く美しく生きていたのだろう。
終の住処を我が家にしてしまったことが良いことであるのかは分からない。
それでもできる限りのことはしてあげたいと思う。
奇跡的に回復して。なんていうことも願いながら。

きっとまた猫さんについては色々書きたいことがあるような気がする。
それはまた追々。


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