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なつやすみのにっき

堕落にかまけて生産を疎かにしすぎるきらいがあるので、いい加減筆を執ろうと思う。内容はタイトル通り。これくらいの簡単なことならウォーミングアップになるだろう。

私はもう立派に成人しており、日々労働に勤しむ工場勤めの一般成人女性。だから学生のように一ヵ月以上休みを貰えるということはないのだが、夏休みはある。7月から9月までの間、任意のタイミングで一週間休むことができる制度が会社にあるためだ。
今年はROCK IN JAPAN FESTIVAL(通称ロッキン。いわゆる〝夏フェス〟)に行こうね、という約束をしていたので、開催期間に合わせて取った夏休みだった。

物心ついた時から音楽を愛好していたものの、ライブへ赴き始めたのは社会人になってから。フェスに至っては今回がはじめてで、貴重な体験をいくつもして来た。
月並みだが晴れ空の下の開放的な空間で、己の愛する音楽を「別にそこまで熱心に好きではない」人と共に聴く、というのはフェスならではだろう。
まあ私が赴いた8/6は晴れ時々豪雨だったのだが。
1日に20~30ものアーティストが一ヵ所に集い各々ステージをやる訳だから、日頃は絶対聴かない音楽だとか、日頃は絶対関わるようなこともない人々がそこら中に転がっているのである。これは多いなる刺激だ。
とは言えそんなことをだらだらと書いても仕方ないので、
①はじめてのフェスに持って行って重宝した・助かったアイテム
②逆に要らなかったんじゃないかこれ、というアイテム
③私が聴きたかった音楽

について書こうかなと思う。


①持って行って助かったアイテム

私は荷物を増やしたくない、どちらかというと身軽信仰タイプ。そうでない人には参考にならないかもしれない。だって重いのイヤだし。

まず鞄について「ショルダーバッグ」「ボディバッグ」が推奨されがちだが、私はB5が入る程度のリュックサックで正解だった。
スマホと小銭入れのみボトムスのポケットに入れて、飲み物はZeep等で貰えるドリンクホルダーにつけて首または腰から下げる。
ほかの物はすぐ取り出せなくてもそんなにストレスにならない。
ショルダーバッグやボディバッグは身体にかかる負荷が平等でないのがどうしても気になってしまう。人によるのだろうが。
ストラップのポジションが気になって集中できないのもあるしね。

・替えのタオルとTシャツ
正直レインコートよりも優秀。お天道様というのはこちらの様子を見て空気を読んでくれたりしない。つまり、レインコートを持っていようが着られるタイミングで雨が降るとは限らないのだ。その日の雨雲がいたずらな性格だったら、私たちは雨に打たれながら音楽を聴くことになる。なった。ステージが始まってしまえば着替える余裕などないから、最高の音楽の代償と思って我慢して後で着替えた方がいい。
ちなみに夕立とか通り雨って何度でもあるものなので、かさばるかもしれないがタオル・Tシャツ共に2セットずつを推奨。追加で靴下や下着があってもいいかもね。

・耳栓
正直聴きたくない音楽のすべては「騒音」分類なので、ステージを離れてご飯を食べる、休憩をするなどの際非常に重宝した。よくフェス行こうと思ったな。
また、そうじゃなくてもフェス会場は常に音が大きいし、ステージも後ろの方になってくるとあらゆるスピーカーから音が聴こえて来て遅延ハモリ地獄、なんてことがある。場所によっては耳栓をしていた方が聞きやすい場合すらあるので、個人的にはマストアイテムだ。

・ウェットティッシュ
常に屋外にいるということは、常に手が汚れる可能性を秘めている、ということである。当然ご飯も外で食べることになる訳だから絶対あった方がいい、そこまでかさばらないし。
手は汚れる。リピートアフターミー、手は汚れる。

・日傘
直射日光マジ馬鹿にならん、日焼け止めマジあてにならん。物理的な日陰のみが私たちを救いに導いてくれる。
「えぇ、日傘とか女の子が使うものでしょ? ちょっと……」って思う奴はもう『持ち運び型日陰』とでも呼べ。

②なくてもよかったもの

・モバイルバッテリー
会場のマップとタイムテーブルと(電子であれば)チケットと帰りの交通機関などを調べてスクショしたら、あとはスマホって意外と見ない。というか通じない。決済も大人しく現金にしておいた方がいい。現ナマ最高!
ただしこれは同行者がいて協力してくれる場合に限りなので、ソロ参加や会場が家から遠い人は一応あった方がいいかもね。

・レインコート
着るタイミングないんだってマジで。お目当てのステージが始まった瞬間に降るんだもん、雨。その日ずっと雨が降るとかなら別かもしれないが。

詳細な持ち物、装備とかは各自調べてください。以上、個人的な夏フェス持ち物備忘録でした。

③私が聴きたかった音楽

その日は
・東京スカパラダイスオーケストラ
・UNISON SQUARE GARDEN
・ポルノグラフィティ

のステージを見た。どれも良いステージで忘れられない思い出になったけど、今回はUNISON SQUARE GARDENの『桜のあと (all quartets lead to the?)』について書こうと思う。

以下セトリ。

『桜のあと (all quartets lead to the?)』は10年ほど前の冬にリリースされたシングル曲で、ワンマンライブやフェスなどでも定番寄りのナンバー。
私がユニゾンを知って聴き始めたのはこの曲がリリースされた後なので、リリース当時から知っている、という訳ではない。

どんなアーティストにも代表曲というものがあるだろう。
ユニゾンで言えば『オリオンをなぞる』や『シュガーソングとビターステップ』など。
『桜のあと』もそのうちのひとつだが、私はこれを代表曲であるのと同時に〝アーティスト性をあらわす曲〟だと思っている。
「この曲を聴いて好きだと感じたのであれば、他の曲も好みかも」……みたいな。私は『桜のあと』のような音楽が聴きたくてユニゾンを聴いている、とも言える。

UNISON SQUARE GARDENさんの(音楽の)好きなところはいくつもあるが、今日は歌詞の話をしよう。
私は彼らの〝関係ないと一蹴することはできないが、ベタベタと必要以上のお膳立てやお節介もしてこない〟ところが好きだ。
彼らはあくまで一貫して彼らの話をしていて、彼らがしたい話をしていて。
手を差し伸べたり起き上がらせたりはしてくれないし、下手したら寄り添ってもくれない。
だけどこちらに頑張る気があるのならいくらでもきっかけになってくれて、一緒に居たいと思えばそのためのスペースはいつでも空けておいてくれる。
そして、傍に居れば気にかけてくれる。
あくまで他人。だけど他人であるから近づくことも遠ざかることもできる、すれ違うことができる、愛しい他人。そういうところが好きだ。

一斉のせ で魔法も使えるよ 君は自由なんだから

『桜のあと』2番サビ https://www.uta-net.com/song/154661/

はじめてこの曲を聴いた時、とにかくびっくりした。
救いではあるが重荷ではない。自由ではあるが、ひとりではない。
こんな歌詞を書く人がいること、歌う人がいること、演奏する人がいること。「あ、生きていても良いんだな」と、スッと思わされた。
「一斉のせ」をするには、少なくともその場に誰か自分以外、協力してくれる人がいなくてはならない。そして声を揃えなくてはいけない。
だけど、それで魔法が使える。おまけに、誰かと足並みを揃えなくてはならないのにも関わらず、自由なのである。さらに魔法〝も〟ということは、魔法以外だってできちゃうのだ。
彼らがやっている音楽も、もしかしてそういうものなのかな。
こんな小さい子でもわかるような簡単な掛け声と言葉に私は、いとも簡単に救われてしまった。

大丈夫さ どこまでも行くだろう

コーラスを除いた、歌唱の締めの部分。
なんでもないように思えて、田淵智也がいかに良い歌詞を書くかがわかるフレーズだ。

おそらく〝普通〟であれば、というか、並大抵の人はここで
「大丈夫さ どこまでも行こうよ」と書くと思う。歌割り的にもなんならその方が自然だ。
でも書かない。ここから遠くを目指すとして、綺麗な景色を見るとして、その隣に自分たちはいないかもしれないし、いなくても大丈夫だと思っている。
だからあくまで「行くだろう」。行けるんじゃないの、やってみたら。
一緒には行かない。もう二度と会えないかもしれない。でも向かった先に居たら会えるよ、また後でね。
この〝一見してちょっと無責任かつ他人事っぽい、けどあたたかい〟歌詞にこそ、UNISON SQUARE GARDENの真髄が詰まっているのだろう。

ロッキンにおいて『桜のあと (all quartets lead to the?)』は、トリの曲であった。
楽しい時間が終わった後も人生は続いていく。楽しくないクソみたいな、本当に一刻も早く忘れたいような時間も人生にはある。
でもこの曲を聴くことができた私の人生は、一生とは言わないが、まあ明日明後日くらいは大丈夫なんだろうな。

本当はディズニーで遊んだという日記も書きたかったけど、疲れちゃったから今日はここまで。サムネに痕跡を残しておきます。

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