『都市伝説、徹底考察』「ひとりかくれんぼ」の真相を暴く!!④ 問題点 後編
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ここからが本題!
詳しくは前編を読んでくさい( ◠‿◠ )
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3、儀式の流れについての問題点
さて、儀式全体を通して見れるあからさまにヤバイ問題点を挙げていきます。これから挙げていくのが、特にひとりかくれんぼを降霊術や呪詛術として捉える上での重大な欠陥になります。欠陥すぎてヤバイ。爆発しそう。
・禊について
さて、ひとりかくれんぼを構成する考え方として「ケガレ」の思想があると考察してきました。ここで今一度、ひとりかくれんぼの手順を思い返してみると、とんでもないことに気がつきます。
禊の指示が一切ないのです。
常識として原則、呪術を行う際はそれが降霊術であろうが人を呪う呪詛であろうが、幸福を祈るおまじないだろうが、まず禊をします。ひとりかくれんぼは、この原則に反しているわけです。
とまぁ、分からない人には分からないので、まず禊が何かを説明します。
禊は、罪や穢れを落とし自らを清らかにすることを目的とした、神道における水浴行為である。不浄を取り除く行為である祓の一種とされる。
引用:『Wikipedia 禊』
「ケガレ」の状態では、呪物としての効力を発揮することが出来なかったり、余計なものが効力を阻害する可能性があります。
どんなことがあるかというと、降霊術を行おうとしてもぬいぐるみが依り代としての役割を果たせなかった、呪詛を行おうとしても見立てになれなかった、コップや口内のケガレで塩水の浄化作用が十分に発揮されなかったなど考えられると思います。
また、儀式後も禊をする必要があります。というのも呪術によって発生した「ケガレ」を払わないと悪影響が及ぶ可能性があるからです。
コックリさんの「使用した10円玉は早く使う」や「使用した紙は破いて燃やす」と言った使用した道具の処分も同じような意味があり、年末年始に行うお焚き上げも同様で、神様にお供えした供物など、一部の例外を除いては儀式に使用したものは処分するか「ケガレ」を払う処置をするのが普通です。一応、ぬいぐるみを処分するよう指示がありますが、他の道具についても適切な処置や処分をすべきなのに、そういった指示が無いのはかなり問題といえるのでは無いかなと。
ちなみにひとりかくれんぼにおいて、禊をする対象は
・術者自身(衣服も清潔なものに、歯磨きも忘れず)
・ぬいぐるみ(新品でも塩などで清める)
・刃物、裁縫に使う針、糸、風呂桶、塩水を入れるコップ
・米(無洗米を使ってもいいが、できれば米を研ぐのが望ましい)
・隠れ場所(地味に重要)
こんな感じになると思います。
・ひとりかくれんぼを行う目的は?
本来、呪術や宗教的儀式には何らかの目的があります。例えば、ひとりかくれんぼと比較されることが多い「丑の刻参り」には「対象に危害を加える」という目的があったり、「ウィジャ盤」や「コックリさん」の様な降霊術には「霊と交信をする」という目的があります。神事や法要などの宗教におけるものも、神様を祀る、仏様を供養する、という目的を持って行われています。
しかし「ひとりかくれんぼ」については、術者は何の目的を持たずに儀式を行っています。
ひとりかくれんぼの流れを確認してみると、儀式の大半はただ隠れているだけで、霊に対してコンタクトを取る行動や対象となる人物に呪いを掛けようとする行動が非常に少なく、儀式の終了まで何らかの目的を持っていると思われる行動が無く、儀式自体に明確な目的意識が無いように思えます。強いて言うならば「肝試し」が目的という解釈になると思います。
おそらく世界的に見れば他の民族の儀式には、日本における成人式的な意味合いを持つ肝試しを目的とした儀式はあります。しかし、ひとりかくれんぼがそういった意味合いを持つ儀式というのは、今までの考察からは考えづらいのかなと思います。もちろん「どこかの村落で行われていた成人式の様な民間信仰の儀式が形を変えて、ひとりかくれんぼとして広まった」なんて可能性もありますが、そんなんなったら椅子に座ってチマチマ調べてイキってる程度の私には分からないので。
・呪術としての不足点
呪術では言葉はかなり重要なものになり、これは「言霊」の考え方がある日本だけでは無く世界的に共通するもので、仏教では経を読むや真言を唱える、神道では詔を唱え、西洋の魔術でも呪文を唱えます。また、宗教的な儀式では無くても、コックリさんでは呼び出すときのセリフや帰すときのセリフがありますし、アメリカの都市伝説であるブラッディマリーでも、呼び出す際には決まった言葉があります。このように理由は様々ですが、呪術においては目的に則した呪文や言葉があるのが普通です。
さて、ひとりかくれんぼの手順をおさらいしてみると、降霊術とした場合は「幽霊を返す言葉」は有っても「幽霊を召喚する言葉」がありません。また、呪詛術とした場合にも「相手にどうなってほしいか」という呪いを掛ける言葉がありません。ひとりかくれんぼを行う目的にも通じるところがありますが、言葉が無いことによりどの段階で幽霊が降りているのか、厳密には何処から何処までが儀式なのかなど、儀式を行う目的や内容が不透明になっています。
また呪詛術とした場合、実行時間の短さも問題です。諸説はありますが、よく比較される「丑の刻参り」でも最短で1週間、長いものでは49日間など、呪願成就までには長期間連続して行うのが普通です。
これに対して、ひとりかくれんぼの実際の実行期間は「1回の2時間のみ」であり、例え儀式手順に問題無いとしても呪いの効果は発揮されないと思います。
この様に、ひとりかくれんぼを呪術ないし儀式行為と捉えると、かなり手順の不備や不足が見られ、呪術ないし儀式として不完全なものではないかと思います。
・まとめ
では、儀式の流れについての問題点をまとめます。
・前後に禊の指示が無く、ひとりかくれんぼの呪術としての効果が発揮されず、また儀式後に術者に危険が及ぶ可能性がある。
・目的意識を持った行動が見られず、何のために儀式を行う(降霊する目的、どういう呪詛を書けるのか)という事が明確ではない。
・儀式における言葉が少なく、どういった内容で儀式が進んでいるのか明確では無く、降霊や呪詛を掛けるタイミングが不明。
また、呪詛としては余りにも期間が短い。
以上がまとめとなります。
今回の問題点は前半よりもかなり重要と思っていて、呪術を行う上ではかなり基本的な事ばかりだと思います。
個人的には「ひとりかくれんぼが降霊術もしくは呪詛術である」と仮説を立てる場合、如何にこれらの問題点をクリアするかが必要になるのではないかなと。
では、今回は以上になります。
次回からは私が考えた仮説について説明していきます。一応、2つあるのですが、まぁここまでボロクソにいっているのでまずは「嘘っぱち呪術説」から解説していきます。
それではここまで読んでいただき、ありがとうございました。
※参考文献
Wikipedia 『禊』
2ch(現5ch)『【降霊】検証実況スレ本館【交霊】part1〜37』2007年〜2010年
ジョージ・フレーザー 著、内田正一郎・吉岡晶子 訳『図説金枝篇』1994年,東京書籍
宮島鏡 著、鬼頭玲 監修『呪い方、教えます。』2001年,作品社
豊島泰国 著『図説 日本呪術全書』1998年,原書房
加門七海 著『お咒い日和 その解説と実際』2017年,KADOKAWA
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