【忌録考察】忌避(仮) 中編 疑問点・矛盾点、人物考察
※注意
・「忌録: document X」のネタバレを含みます。
・「忌録: document X」考察まとめを参考にしながら、私個人が考察した内容です。異論は認める。
・「忌録: document X」の「忌避(仮)」に関する考察です。
・考察元の作品はこちら
「忌録: document X」
「忌録: document X」考察まとめ - Togetter
・他のはこっから
※疑問点、矛盾点
忌録を読み進めていくと、かなりの食い違いや疑問に感じる部分などがあります。それについて考えたりしたことをつらつらと書いていきます。
◯メール本文の不可解な点
ライターの信田と出版社の人間と思われるメール返信者の一連のやり取りである、メール本文。実はこのメールの内容にはいくつか不可解な点がある。
・日付の間違い
まず、疑問点の1つ目は「日付の間違い」である。調べるとかなり違うのが分かる。
・メール本文(受信箱_76)
信田から返信者1 2003年3月1日火曜日→土曜日
返信者1から信田 2003年3月3日火曜日→月曜日
・メール本文(受信箱_83)
返信者2から返信者1 2003年3月10日月曜日→◯
・メール本文(受信箱_84)
返信者2から返信者1 2003年3月10日月曜日→◯
・メール本文(受信箱_88)
信田から返信者1 2003年3月12日水曜日→◯
返信者1から信田 2003年3月12日水曜日→◯
上記の様に「受信箱76」についてだけ、曜日が間違っている。これが単なる作者のガバなのか、それとも意図して行われたのかは分からないが、考えられるのは「メールが改変されている」もしくは「メールは誰かによる創作である」という事が考えられる。
・メールアドレスは3つ
疑問点の2つ目は、メールアドレスである。よく見ると、メールアドレスには3パターンあるのが分かる。
ちなみにnoteだとメールアドレスを書き込むと、なんかリンク付けされて編集が面倒なので、一部をカンマにしているけど、ホントはちゃんとドットになってる。
・xxxxxxxx@xxxx,xxxxx,ne,jp
信田のメールアドレス。
・xxxxx@xxxxxx,co,jp
信田とやり取りしている返信者1のアドレス。
信田の登録名は「xxxxxxx xxxxxxxx」
・xxxxxxxx@xxxx,co,jp
返信者1とやり取りしている返信者2のアドレス。
信田は個人名義のアドレス。対する返信者1と返信者2のアドレスは企業名義である。
返信者1は信田と原稿の話をしているから出版社の人間だと思われるが、返信者2についてはメールの内容から察するに「返信者1の知り合いであり、返信者2も糸満市幽霊屋敷騒動について調べていたか知っていた人物」という感じになる。
・呼称の変化
疑問点の3つ目は、呼称の変異である。メール本文を読み返していただくと分かるが、「メール本文(受信箱_83)」と「メール本文(受信箱_84)」ではO夫妻と呼んでいるが、「メール本文(受信箱_88)」では「坂本夫妻」へと呼び方が変わっている。オカルトライターMについてはそのままMと表記されているので、O夫妻のみ坂本夫妻になっているのである。
考えられる理由は2で一つは「返信者2のみO夫妻と呼称している」ということから「そもそも坂本夫妻というのはフロッピーディスク内を閲覧したもののみが知り得る呼び方で、返信者2はフロッピーディスクのデータを閲覧した事がなかったからO夫妻と呼称している」という可能性。
しかし「アドレスから何から伏せ字にしてるのに、テキストを保存する段階で何故そこだけ坂本夫妻に書き換えず、O夫妻にしたのか」という疑問が残る。
もう一つの理由は「実はO夫妻と坂本夫妻は同一人物では無い」というのがあるが、そうすると内見の時期から考えて、O夫妻と坂本夫妻が同じ時期に同じ家に住んでいることになってしまうため、別々と考えると矛盾が生じてしまう。
・信田の主張の変化
疑問点4つ目は、信田の主張の変化である。「メール本文(受信箱_83)」で返信者2は、一連の騒動はO夫妻とオカルトライターM達の狂言という話を書いているが、その前の部分では「その後の流れは信田さんのおっしゃる通りで概ね間違い無いでしょう」とある。
ということは、信田は元々「幽霊屋敷騒動はO夫妻とオカルトライターM達の狂言」と考えていたいうことになる。
しかし「メール本文(受信箱_88)」では、返信者1に「ホラー作家になれるんじゃないですか」と言われるような話をしており、主張が180°変わっている。
以上、疑問点をまとめると
メール本文(受信箱_76)は曜日がおかしい
メールアドレスは3人分ある
「O夫妻」と「坂本夫妻」の呼称の違い
信田の主張が「狂言」から「怪奇現象」へ変化している
という感じになる。要は、やはりメールも鵜呑みで信じられる情報じゃないということ。
◯忌避.docの不可解な点
忌避.docは幽霊屋敷騒動が時間が経過してから廃墟となった家に取材に行った人の話。この中の記述についても気になる部分がある。
・消えた3つの家族
実は忌避.docの冒頭から?である。
まずは本題の坂本一家、そして1976年のデイビス夫妻。そう、あと一家族足りないのだ。
「メール本文88」で言及されているが「デイビス夫妻は坂本夫妻の前の前の住人で、期間が空いてるのでその間にも誰かが移り住んでいる可能性がある」という記述があり、この3つの家族というのは
1976年のデイビス夫妻 → 謎の家族X → 2001年の坂本一家
ということになると思う。T氏は謎の家族Xについても知っていたと考えられる。
で、ここで考察に出てくるのがO夫妻。しかし、先程の話の通り坂本夫妻とO夫妻を別とすると、同じ時期に同じ家に2家族いた事になる。はてー?
・バスルームの謎
忌避.doc内の記述を2つほど抜き出すので、読み比べて欲しい。
そう、デイビス・カレンは、デイビス夫妻が死んだ後に移り住んだ謎の家族がリフォームした際に作ったバスルームで死んでいるのだ。んなわけあるかーい!
・20010908b.docとの相違
まずは20010908b.doc側の幽霊屋敷の様子を見てみる。
以上の記述によって分かることは「床上浸水があった」ということと「土地全体は家の内側に向かって傾斜がついている」ということ。
しかし忌避.docの中では膝下までの床上浸水があったような記述は現れず、台所の床や壁紙を調べる描写の中でも、そういった話は一切していない。
また傾斜についても忌避.docでは
とある様に、家の内側から外側に向けて傾斜のある様な描写があり、20010908b.docにあるような摺鉢状の傾斜なら、仏間の方向に球が転がっていく様な気がする。とはいえ、傾斜については気にしすぎかも?
※人物に関する情報や考察の整理
忌避(仮)の特徴は誰が誰だか分からないところで、これがまた話をややこしや〜にしています。ここでは本文中で拾える情報を整理しつつ、よくある考察などを整理していきます。
・実名の人物と仮名の人物について
忌避(仮)は、実名と仮名の人物をどう結びつけるかが一つ重要な鍵で、登場人物ついてまずは整理していく。
・仮名の人物
坂本康義(坂本夫妻)
坂本真沙美(坂本夫妻)
坂本清美(坂本夫妻の一人娘)
坂本まや(坂本清美の姉、故人)
高村さん(沖縄のノロ)
藤波
・実名の人物
O夫妻
オカルトライターM
専門家のF
FがO夫妻に紹介した信頼できる人
信田
メール返信者1(信田とやり取りしていた人物)
メール返信者2(メール本文83,84の人物)
津田信
編集部(本稿を掲載するにあたっての筆者)
T氏
T・Hさん
デイビス夫妻
謎の家族X(坂本夫妻とデイビス夫妻の間の住人)
バイトのA君やらエンフィールド事件の関係者など、これは流石に含まなくていいだろうという人物や、飼い犬のバーニーはバーニーなので記載してない。
また、T氏は実名の方に入れたが「忌避.doc」ので出てきている為、T氏も仮名の可能性はある。
・坂本一家とO夫妻について
忌避(仮)のメイン被害者である坂本一家、O夫妻というのは「メール本文(受信箱_88)」に見える名前。
坂本一家もO夫妻も「2001年7月に糸満市の幽霊屋敷を訪れて購入を決めて沖縄から東京へ移住し、幽霊屋敷騒動を起こした」という経緯を持っており、同様に娘がいるという家族構成。普通に考えれば、坂本夫妻=O夫妻である。
しかし、メール本文内での呼称の変化と、謎の家族Xの存在があるため、別々に考えられる可能性もある。もちろん別々に考えるのであれば、同じ時期に同じ家に2つの家族が存在する矛盾を解決しなければいけない。
・信田と津田信について
よくあるのが、信田と津田信を同一人物と考える考察。名前が似ていることから「津田信をペンネームとし、信田が本名ではないか」というのが一つで、2人の共通点もかなりある。
出版社に所属していないフリーのライターである。
糸満市の幽霊屋敷に取材に訪れて、東京に帰ってきている。
Mのフロッピーディスクを元に忌避の記事を書いている。
これらの共通点から考えれば、同一人物でもおかしくはないが、同一人物とした時にいくつか疑問点も生じてくる。
信田は出版社の社員との面識もあり、糸満市以外の記事についても関わっている(メール本文76内では、打越橋に行く予定)ため、津田信の様に編集部の誰も知らないというのは違和感がある。
津田信=信田とすれば、順番的には「T・H氏への取材→沖縄取材→T・H氏の訃報を聞く→メール本文のやり取り」となる。忌避のT氏がT・H氏と同一の人物であるとして、T氏の話がメール本文内で触れられていないのは気になるところ。
こんなところかと思う。他にあったら誰かおせーて。
・オカルトライターMについて
糸満市の幽霊屋敷騒動を記事を最初に書き始めたのは、オカルトライターMで間違いはない。Mについての情報を詳しく見ていくと
T社でオカルト系のライターをやっており、いわゆるコンビニ本でオカルト系の記事を書いていた。(メール本文83、84)
MはO夫妻から相談を受けており、専門家であるFをO夫妻に紹介した(メール本文83)
メール本文88で信田が台風の動きについて書いてなる中で「取り立て損なった彼の命を回収するために戻ってきた」と言っていることから、事件当日にMは現場にいた。(少なくとも信田はいたと考えている)
2001年9月12日にフロッピーディスクを出版社に送ってからは消息不明。
と言った感じになる。相談を受けているのだから、坂本夫妻のどちらかと知り合いだったはずで、知り合ったのは移住前と考えられるが、詳細は不明。
・T氏とT・Hさんについて
津田信が取材をしたT・Hさん、忌避の記事を書いた人が取材したと思われるT氏を同一人物とする考察がある。
この考察でキーとなるのが、忌避.docの筆者で、津田信が忌避.docの筆者であれば「T氏=T・Hさん」となる可能性が高いが、別の人物が筆者であれば、T・H氏が別の人物という可能性が出てくる。また、T・Hさんを実はTさんとHさんで2人のことを指しているとする考察もある。
・Fについて
メール本文84に出てくるF。この人についてはかなり情報の少ない人物なので、情報を整理してみる。
オカルトライターMがO夫妻に紹介しているので、Mの知人である。(関係性は不明)
O夫妻に信頼できる人物を紹介した。
O夫妻が「専門家」と言っているので、オカルト関係や心霊関係に詳しい人物である。
と言った感じ。性別もわからなければ動向もよく分からない人物だが、事件に深く関わっていただろうと思われる。
・メール返信者2について
メール本文83、84を書いた人物もかなり謎な人物。この人についても分かる情報を書き込んでいく。
坂本夫妻をO夫妻と呼んでいる事から、Mのフロッピーディスクを見ていない可能性がある。
幽霊屋敷騒動に関しては詳しいが、伝聞で事件について知った口調がたびたび見られるので、関係者ではなく調査していた人物の可能性がある。
メールアドレスがcoなので、出版社の人間であるメール返信者1とは仕事上の関係で、何らかの企業に所属している人物。
と言った感じ。文章からはオカルトライターMについては、あまりいい印象をもってなかったように見受けられる。
◯まとめ
ほんのり考察を加えつつ気になる点や疑問点をあげていきましたが、他にもなんかあったらおせーてください。
次回は私の考察内容をまとめていきたいと思います。ほな、ばいなら。
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