ウォーズ初段の怨霊は「対振り引き角雁木」を布教したい ~江戸時代の戦法を、ちみらに布教するのだ~


※注意

 このNoteでは、私の得意戦法である「対振り引き角雁木」をどんな戦法かということをヌルっと解説していきます。
 所詮は将棋ウォーズ初段の実力の怨霊がヌルっと解説していくので、詳しい変化や細かいところなどは誤魔化しながら、なぁなぁな感じで解説していくので、期待したら死にます。その辺りについては自分で研究しやがり下さい。へへーい。

1、対振り引き角雁木とは

 まず、対振り引き角雁木という戦法は対振り飛車の戦法であり、雁木とはありますがいわゆる「雁木囲い」には囲いません。どちらかといえば持久戦型四間飛車系、ノマ三間、向かい飛車等に対して使用できる戦法になりますが、このNoteでは主に対四間飛車について話していきます。
 この雁木という戦法は、江戸時代の檜垣是安という棋士が考案したといわれる戦法で、江戸時代では「雁木」や「引き角」というとこの戦法を指していました。また「是安流」と紹介されている場合もいくつかあります。
 現代ではこの戦法を紹介した棋書などはあまり無いので、本格的に調べようとなると、基本的には江戸時代から昭和の棋書を国立国会図書館デジタルコレクションで漁って調べることになります。

・基本形

▲7六歩、△3四歩、▲2六歩、△4二飛、▲2五歩、△4四歩、▲4八銀、△4四歩、▲5八金、△3二銀、▲6八玉、△5二金、▲5六歩、△7二玉、▲3六歩、△8二玉、▲6八銀、△9四歩、▲9六歩、△7二銀、▲7七銀、△4三銀、▲7九角、△1四歩、▲1六歩(基本図)

これが基本的な形です。
大体、ここから相手の指し手によって分岐します。

 手順前後や色々な変化の余地がありますが、基本的な形はこんな形になります。ちなみに私は初手2六歩から指すタイプの居飛車党なので、この組み方は私のやり方とは違いますが、江戸時代や昭和の棋書では基本的には▲7六歩からがほとんどなので、今回は▲7六歩からやっています。
 ちなみに戦法の雁木の由来となっているのは、考案者の檜垣是安が船着き場の雁木(階段状の構造物)を見て閃き、7九と引き角した角筋が駒の階段を登っていくかのように通るというところから来ています。いつの間にか(恐らく戦後間もなくから)今の雁木囲いが雁木と言われるようになりましたが、元々はこちらが雁木でした。
 並べてもらえば分かる人には分かると思いますが、駒組の関係上「4六銀右銀急戦」や「4六銀左銀急戦」との相性がいい戦法になっております。また「飯島流引き角戦法」や「鳥刺し」と同じ狙い筋で攻めることができるので、こういった戦法と併用して指すことも可能です。基本的にはこういった戦法と併用して、場合によって使い分ける運用がオススメです。私も元々は飯島流を指してたので。

2、基本的な狙い筋

 まずは引き角雁木の基本的な狙い筋を紹介していきます。よくある狙い筋なので、なかなかこんな風に決まることはあまりありませんが、ウォーズ級位者帯では結構引っ掛かる人が多いので、知らない人相手にはドヤ顔できます。

・引き角狙い筋1

基本図から、△4五歩、▲3七桂、△4四銀

引き角した瞬間、ここぞとばかりに角道を開けてくる人が多いです。

 この戦法というよりは、対振りの引き角系の戦法ではよくある手筋なので、この辺りはこの戦法を指さなくても知っていて損は無いかと思います。この戦法を指してると、▲7七銀か▲7九角を見た瞬間に角道を開けてくることがとても多いです。しかし、振り飛車側はうっかり角道を開けてしまうととても痛い目を見ます。▲3七桂と跳ねて歩を守る為に銀が出てきましたが、この局面では既に先手が大優勢です。

上図から、▲2四歩、△同歩、▲同角、△2二飛

△2二飛以外はぷえぷえして死にます。

 △4四銀を見たら、すぐに▲2四歩から仕掛けていきます。△同歩、▲同角で△2二飛以外の手は、どうあがいても2筋が受からなくなり、先手が龍を作れて酷いことになってしまうので、△2二飛が最善手です。2二飛は「角を取ったら飛車を抜くぞ!成っちゃうぞ!」という手で、ここで日和って▲2五歩打も無いことも無いんですが、大優勢ではなくなってしまうので注意です。

上図から、▲3三角成、△2八飛成、▲4四馬、△1九龍、▲4五桂

駒得の上に5三桂成りが厳しく、
△6二金とかやっても▲4三銀とか打っちゃってもいけそう。

 正解は漢らしく「飛車ぐらいくれてやるよオラァ!」と言わんばかりに3三角成と角を取ります。後手は△2八飛成と飛車を取りますが、先手はさらに▲4四馬と銀を取ると飛車1枚と角と銀の2枚の交換となるので、先手が駒得する結果に。さらに桂を跳ねて美濃囲いに手をかけていきます。この局面でソフトでは800点ほどの優勢です。
 この攻め筋が引き角のよくある筋です。知っていればまずこうは決まりませんが、知らなければ自然な指し手が多いので、まずドはまりします。

・引き角狙い筋2

基本図から、△4五歩、▲3七桂、△5四銀

5四銀はよくある形ですね。

 先ほどは角道を開けてから4四銀でしたが、次は5四銀と上がってきた局面。これでも先ほどと同様の筋が決まる手順があります。

上図から、▲5五歩、△同銀、▲2四歩、△同歩、▲同角、△2二飛、▲3三角成、△2八飛成、▲5五馬、△1九龍

馬の位置が違うけど、同様の手筋で駒得に。

 5四の銀は先ほどの4四に居た時と違って、▲3三角成としても馬の効きに銀がいないし、浮きゴマにもなっておらず取ることが出来ません。なので引きずり込んでやろうということで、▲5五歩がいい手。取ると馬筋に引き込まれてしまうので、先ほどと似た手順で優勢になります。

上図から、▲1一馬、△2九龍、▲4五桂

▲1一馬をせずに▲4五桂で「龍取りだぁ!」とキャッキャしていると、
△6九龍と龍を切られてから面倒なことになります。

 注意してほしいのが、馬の位置です。▲4五桂で龍には当たりますが、後手は香車を持っているため、△5四香打ちが受けづらくなっているという点です。△6九龍と龍切りから▲同玉に△5四香打で馬と金の両取りになってしまうため、ソフトでは有利の評価値が出ますが、人間的には先手の囲いはもろいし、飛車打ちから食いつかれて逆転なんてことが起こりやすそうな局面になってしまうので、オススメは出来ません
 ここは冷静に1一馬と香を取りましょう。ちなみに▲4五桂の局面は先手が先ほどと同じくらいソフトで800点ほどの優勢になっています。

・引き角狙い筋3

基本図から、△5四歩、▲3七桂、△6四歩

角道を開けずに来た場合。

 4五歩を突かずに固く来る場合もあります。この場合、▲3七桂と跳ねても守るべき4五歩が無いので、後手の銀が動いてくれず、銀が浮き駒になってくれません。なので、▲2四歩から仕掛けても駒得の手順は出来ないことになります。ですが、仕掛けていきます。

上図から、▲2四歩、△同歩、▲同角、△2二飛、▲2五歩打

▲2五歩で角を支える手。これで角を取っても△2八飛成と飛車を取る手が無くなる。

 ▲3三角成としても今度は銀が浮き駒になっていないので、駒得は出来ません。なので、▲2五歩と一度角を支えます。△2四角と角を取ってはもちろん歩が伸びてきて痛いので、やるとしても△2三歩打か他の手になります。△2三歩打は持久戦になるので、ここでは他の手を指した場合を紹介します。

上図から、△7四歩、▲3三角成、△同桂、▲2四歩、△2五歩打、▲2三角打

▲2三角打が特徴的な手。
3四角成があるので、振り飛車はここも気にしなきゃいけない。

 ▲2四歩と突く手に対して、後手は桂の効きを生かして△2五歩打で飛車の効きを止める。このままでは歩が取られてしまうので、▲2三角打と4一角成を見せる手。4三の銀が居なくなってしまうと▲3四角成から▲2四歩成で後手陣が崩壊してしまうので、銀引きで角を追い返すことも出来ないようになっています。

上図から、△4二飛、▲3五歩、△同歩、▲2五桂、△同桂、▲同飛

居飛車としては飛車先が突破できそうな局面に。

 後手が△4二飛で角成を無理矢理受けるも、▲2五桂から歩を取って△同桂、▲同飛として攻めていきます。一度▲3五歩を入れるのは、この後3四歩打から攻めていきたいからで、3三歩成からの右辺の突破を目指す手になります。この時点で、ソフトでは450点ほどの有利が出ています。
 

・まとめ

 ここまで引き角の基本的な狙い筋を紹介してきましたが、もちろんいわゆる「ここせ(わざと有利な手を相手役に指させる)」です。というのも、これらの手順は「引き角の対策をあんまり知らない人が指したらこうなるよ」って言う感じの手順で、簡単な例としては実は早めの△2二飛で今まで紹介した手順は使えなくなります
 とはいえ、向かい飛車に構えられたら使えないよ!となってしまっては戦法としては成立しないので、向かい飛車用の手もありますし、変化球もあります。でも、対向かい飛車は私も研究中なので、その辺りはこのNoteでは解説しません。フワッフワしてるからまとめるのが大変。

3、派生出来そうな囲い

 さて、上に書いてある通り上手く行かないパターンがあります。対振り引き角雁木はほとんど船囲いの形で耐久力に問題があるので、仕掛けに困ったときは固く駒組をするというのも選択肢の一つです。四間飛車側の対応は結構適当なのですが、ここでは囲いまでの変化と囲いをいくつか紹介していきます。

・矢倉への変化

基本図から、△5四歩、▲6六歩、△2二飛、▲6七金、△6四歩

早囲いの途中のこの形で指すことも。
意外と固いのである。

 ▲6六歩は実戦でも割と突く歩で、端的に言えば角道を止める歩です。居飛車党の人ならわかるとは思いますが、矢倉早囲いのような駒組の仕方をするので、矢倉に変化することが出来ます。本来であれば、振り飛車相手にあまり矢倉囲いにはしないのですが、対振り引き角雁木では一応、選択肢に入ります。

上図から、▲8六歩、△7四歩、▲8七玉、△6三金、▲7八金、△7三桂、▲3五歩、△同歩、▲同角、△3四歩打、▲6八角

気分は天守閣美濃。下段飛車に対してはあんまり固くはない。

 三筋の歩を突いて形よく角を引いてみて矢倉が完成。右銀はここから3七や5七から使っていきたいので、この銀は囲いに使わずに行きます。
 ちなみになんで8七玉にしているのかというと、江戸時代の棋譜では7七銀を8八に引いて桂を跳ねた形がよく指されており、どうやらそれが一つの形のらしいからで、8八玉ももちろんあります。

江戸時代の棋譜でよく見る形。
現代では、チョコレート囲いとかいうそうな

・穴熊への変化

矢倉への変化1から、▲8八玉、△7四歩、▲9八香、△7三桂、▲9九玉、△6三金、▲8八銀、△4五歩、▲7八金、△4四銀、▲7七金

とりあえず穴熊に囲うときはこの形に。
通常の穴熊よりは銀がぐるっと動いているため、手損になっている。

 あまりいい形の穴熊とは言い難いですが、穴熊に囲うことも可能です。向かい飛車の形で攻めるのが難しそうだったり、相手が低い陣形で駒組を進めているような状態で、とりあえず固く囲おうというときはこんな感じの穴熊に囲うことがあり、右銀を使っての三筋突破を狙ったりしていきます。

・まとめ

 他にもミレニアム囲いが候補としてありそうですが、実際に指したことはないので何ともです。対振り引き角雁木で玉を囲うときの難点としては「銀が7七にあること」と「角が7九にあること」がかなり災いしており、中途半端な囲いになってしまったり、手数が嵩んでしまいます
 この辺りをどうクリアするかは研究次第ですが、ぶっちゃけ固く囲いたいのであれば別の戦法をやった方がいい気はします。
 

4、望月仙閣の玉頭位取り

 固くする以外にも手はあります。相手が右側を厚くしてきて、手が掛からない。そんな時は、そう、右がダメなら左から攻めたらいいんです。そこで登場するのが玉頭位取り。とはいえ、調べてもらうと分かりますが、通常の玉頭位取りは7七の地点に角がいる形で、対振り引き角雁木では7九に角がいる形で7七には銀がいる形と、通常の玉頭位取りとは違います。
 対振り引き角雁木の玉頭位取りは江戸時代の棋士である、望月仙閣(勘月由)という棋士が指した棋譜が残っており、これが最古の玉頭位取りの棋譜とのことです。また米長邦夫永世棋聖が良く指したことで知られていますが、対振り引き角雁木からの玉頭位取りも指した棋譜があります。
 玉頭位取りは大まかに分けて「6六銀」とする飯野流と「6六歩」とする神吉流の2パターンが存在し、戦法自体は指していたプロ棋士の方がいるのですが、玉頭位取りの棋書についてはなかなか見当たらないので、私が棋譜を参考にしながら整理したものを少し紹介していこうと思います。あんまり細かいところまでは正直私もわからんので、期待しちゃいかんぜよ?

・飯野流玉頭位取り

 「飯野」とはおそらく、既に引退された元プロ棋士の飯野健二先生の事だと思います。実戦でも玉頭位取りを何度も指されていた様子で、考案ってことでは無いとは思うのですが、飯野先生が好まれた形だったから飯野流なのかもしれません。

基本図から、△6四歩、▲7五歩、△6三金、▲5七銀、△5四銀、▲6六銀

△6四歩に▲7五歩は玉頭位取り宣言。
飯野流は6六銀が特徴。

 △6四歩、▲7五歩は玉頭位取りを指すなら絶対です。△7四歩を突かせないことによって綺麗な高美濃に組ませないことが一つの利点で、銀冠への組み換えをやりづらくしています。7五歩を決めるとしてやったり感がとてもあり、私はこれを決めるために玉頭位取りを指してるまであります
 飯野流は6六銀が特徴で、そのために銀を▲5七銀へと上がるのですが、飛車のコビンが弱くなるので3七を注意しながら指していくことになります。

上図から、△4五歩、▲7六銀、△6五歩、▲7七銀

7六と7七に銀が並んでるのが飯野流というそうです。

 △4五歩より先に△6五歩で銀を追われた場合は、5七に引く手も5五に出る手もありますが、どちらも飯野流からは少し外れてしまうので今回では△4五歩と角道を開けてから△6五歩を突く順を紹介します。
 ▲7六銀は、7五の歩を守るのと7七に銀を引けるようにするため、8五に銀を出てから端攻めなんかを見たりしています。

上図から、△6四金、▲3五歩、△同歩、▲同角、△6三金、▲5七角

5七角がいい位置。引き角のラインを維持したまま9三を狙う。

 端攻めをするには歩が欲しいところで、3筋の歩を交換して角を5七の好位置に持ってきます。先手としては△4六歩があるので迂闊に角を動かせませんが、4五と6五に歩があるため銀の動きが取りづらく、すぐに角を攻める手が無いので後手としても攻めあぐねるところです。

上図から、△3二飛、▲2四歩、△同歩、▲3四歩打、△5一角、▲3八飛、△2五歩、▲3五飛

大駒交換は、先手から側面と上からの挟撃を仕掛けられるのでいいイメージ。

 後手が飛車の成りこみを狙って三筋に飛車を振りなおして来たら、2四歩から角の筋を生かして飛車を止めて逆襲を狙っていきます。先手としては玉頭に手のを伸ばしているので、振り飛車が大駒を捌いてくる指し回しをすれば有利になる印象がある。
 この状態で形勢は互角。長くなってもあれなので、とりあえずはこんなところで、この後は5五歩と突いて銀を追う手があったりします。

・神吉流玉頭位取り

 「神吉」とは、双玉詰将棋作家でも知られる既に引退されている元プロ棋士の神吉宏充先生のことで、神吉流と名前のつく戦法はいくつかあり、この玉頭位取りもそのうちの一つだと思われます。
 江戸時代の望月仙閣の棋譜は、6六歩の神吉流の指し方になっています。矢倉囲いへの変化も含めていけるのですが陣形が高くなる印象があり、硬いかと言われると微妙な気も。

基本図から、△6四歩、▲7五歩、△6三金、▲6六歩、△5四銀、▲6七金

4八の銀はそのままに。

 ▲7五歩を突いてから、▲6六歩を突いて矢倉早囲いの形で組んでいきます。神吉流は7七に駒がいない形なので後手の角道には要注意で、8八玉から矢倉に組むのもありますが、タイミングによっては△6五歩と攻める手があったりするので、7七に桂や角を持って来てからの方がいいかなと。

上図から、△4五歩、▲3五歩、△同歩、▲同角、△4三銀、▲5七角

やはり5七角が両方に効いていていい位置で、
神吉流でも5七に角を持ってくることがあります。

 やはり5七角がいい位置で神吉流でも5七に角を引きますが、6八に引く手もあります。今回は飯野流と比較しやすいように5七に引いてみました。後手は3四歩もありますが、なんか3筋の歩を交換すると飛車を振り直す人が多い気がするので、一度4三銀と引いて歩打ちを受けてから3筋に飛車を振る形にしてみてます。

上図から、△5四歩、▲3七桂、△3二飛、▲4五桂、△5一角

4八の銀を下手に動かしてしまうと、飛車成りがあるので注意。

 飯野流の場合は抑え込まなければ飛車成がありますが、神吉流は4八に銀がいるため、一応すぐの飛車成りはありません。実際にはなかなかこうなりはしないとは思いますが、銀を下手に動かしてしまうと2四歩から仕掛ける隙ができたりと、なかなか神経の使うところで、4五桂と跳ねられればかなりいい感じです。

上図から、▲6五歩、△同歩、▲6四歩、△6二金

後手は端から攻めた時の逃げ場が狭い。
積極的に端を狙いに行くのもありそう。

 ▲6五歩が飯野流には無い手で、6六歩型の神吉流の特徴かも知れません。▲6四歩を△同金と取ってしまうと▲5三桂成が入ってしまうため△6二金と下がりますが、後手の陣形を崩すことに成功してソフトでも形勢はほぼ互角。
 この後は端など絡めながら2四歩からの攻めを狙っていったり、7四歩から相手の玉頭にさらに圧力をかけて行ったりという将棋になります。

・まとめ

 玉頭位取りはこんな感じです。通常の玉頭位取りとは角の位置が違うので、既存の玉頭位取りの対策を持っている人に対しても有効な手筋があったりするようで、振り飛車側としてはなかなか厄介かもしれません。
 飯野流、神吉流とどちらも指されている形で、まだ私の中でもハッキリはしていませんが、振り飛車側の指し手によって相性がある気がします。

5、終わりに

 これが対振り引き角雁木、いいやこれが「雁木」です。君らも共に是安先生の意思を継ぐのだ。
 真面目な話をすると、対振り引き角雁木一本よりは、他の作戦も指しながら手札の一枚として持っておく、くらいのイメージがいいと思います。私はすっかりこれ一本になってますが。
 ちなみに雁木囲いですが、江戸時代の棋書や棋譜を見ると中飛車相手に似たような形が指されており、対振り引き角雁木は5六歩を避けられない関係上、中飛車相手には雁木囲いに組むという選択肢もあると言えばあります。雁木に雁木、どっちも極めれば真の雁木マスターになれるね。(ニッコリ)
 もっと詳しく対振り引き角雁木について知りたい方は、私に聞くか、国立国会図書館デジタルコレクションから江戸時代の棋書や棋譜を読んだりして下さい。で、研究して手順を私に教えて下さい。よろしくお願いします。

 では、次回「添田仙翁伝の駒組の完成形、立摩流四間飛車編」でお会いしましょう。それでは、さようなら。


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