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【東京卍リベンジャーズの作者】和久井健先生の経歴|新宿スワンから絵柄を激変させて大ヒット

こんにちは。saraです。

今回ご紹介するのは、ヤンキータイムリープ漫画「東京卍リベンジャーズ」の作者として有名な和久井健先生です。

東京卍リベンジャーズは、2017年から少年マガジンにて連載が開始され、2021年9月までの累計発行部数は4,000万部を突破。

アニメ化、実写映画化、舞台化されたことでますます勢いが加速し、少年マガジンを代表する人気漫画となっています。

和久井先生は、東京リベンジャーズの作者としてだけではなく、新宿歌舞伎町を舞台にしたスカウトサバイバル漫画「新宿スワン」の作者としても有名です。

青年誌(新宿スワン)から少年誌(東京リベンジャーズ)に移るにあたり、読者層の変化を意識して絵柄を大きく改変しています。

また、アウトロー作品を得意としている和久井先生ですが、読者層の幅を広げるため、また、アニメ化を実現させるために、時代の流行にあわせた「タイムリープ」を作品に取り入れるなど、様々な試行錯誤をしてきており、それが現在の「東京卍リベンジャーズ」のヒットへと繋がっています。

新しい読者を獲得するために、常に試行錯誤・努力をし続け、多くの読者を魅了する和久井先生。今回はそんな和久井先生のこれまでの経歴や「東京卍リベンジャーズ」が誕生するまで経緯についてご紹介していきます。

動画版はこちら。(YouTubeも見にきてくれるととても嬉しいです。)

経歴

和久井先生は、自身の詳しい情報を公表していないため、本名・年齢・出身地などは不明ですが、

1991年~1997年まで連載していた「疾風伝説 特攻の拓」に対し「痺れるほど好きでした」と発言したていることから、現在はアラフォー世代ではないかと想定できますね。

また、元キックボクサーの武田幸三さんのブログにて、ツーショット写真を掲載したことで、風貌はやんちゃ系の爽やかイケメン男性であることも明らかになっています。

和久井先生は2004年に「新宿スワン」の前身となる「新宿ホスト」でヤングマガジン月間新人漫画賞にて佳作を受賞。

翌年2005年には、「新宿ホスト」を基に「新宿スワン」の連載をスタートさせます。

新宿スワン

「新宿スワン」は、2000年代の新宿歌舞伎町を舞台に、裏社会に生きる主人公のスカウトマンの成長を描いたスカウトサバイバル漫画です。

連載にあたり、主人公を「ホスト」から「スカウトマン」に変えた理由について、主人公をホストにしてしまうと、物語がお店の中だけで完結してしまうため、ストーリーが広がらない恐れがあり、

主人公をスカウトマンにすることで、ホスト以外の職種の人たちとの関わりや、新宿歌舞町での出来事も物語に取り入れることができるため、主人公をスカウトマンに変更したそうです。

また、和久井先生自身が元スカウトマンであることも、主人公をスカウトマンに変えた理由の1つであり、「新宿スワン」は、和久井先生の実体験にフィクションを交えて描かれているとのことです。

躍動感のあるキャラクターのリアルな感情描写、作中で回収されていく伏線の緻密さや、己の信念をまっすぐに貫く漢の姿に、心を震わせた方も多かったのではないでしょうか。

「新宿スワン」は2005年から2013年まで連載され、全385話。全38巻で完結。

2007年にドラマ化、2015年と2017年には実写映画化もされ、初連載作品ながら累計発行部数が1,000万部を超える大ヒット漫画となりました。

Abaddon

和久井先生は「新宿スワン」と並行して、2010年から実在する格闘家・五味隆典さんを主人公にした格闘技漫画「Abaddon」の連載をスタートさせます。

「Abaddon」は2010年~2012年までの約2年間で全2巻を発行。

セキセイインコ

Abaddonと新宿スワンの連載を終えた翌年、2014年からは同じくヤングマガジンにて、永遠の命を持つ少年を主人公にしたダークSFファンタジー漫画「セキセイインコ」の連載をスタートさせます。

セキセイインコは、これまでの和久井先生が描いてきた漫画とは全く別の世界観であり、絵柄を含め和久井先生とって新境地とも言えるファンタジー作品となっています。

セキセイインコでは、「新宿スワン」を読んでいない人にも興味を持ってもらいたかった、また、「セキセイインコ」の世界観を読者にすぐに受け入れてもらいたかったとのことで、

「新宿スワン」の頃はアクリル絵の具を使用していましたが、「セキセイインコ」の時は色鉛筆を使用してカラーを描いていたそうです。

また、3巻のカラーでは、パキッとしたキャラクターの雰囲気を作り出すために、さらに着彩方法を変えてアクリル絵の具と色絵筆併せて使用していたと語っています。

和久井先生は着彩方法を変えた理由について、「いろんな描き方を試したい、より上手くなりたい、いい描き方があればどんどん取り入れていきたい思っているから」と語っており、この頃から試行錯誤をしてヒット作を生み出す様々な努力をしていたことが分かりますね。

ちなみに、着彩方法を色鉛筆にした結果、作画にめちゃくちゃ時間がかかることが分かり、3巻のカラーは完成するまでに1週間もの時間がかかったそうです。

しかし、和久井先生はネームを書くのがとても早く、「セキセイインコ」連載時は、1話のネームを2~3時間で書いていたとのこと。

また、新宿スワンの連載時には、一晩で4本ぐらいネームを書き上げたこともあるそうで、ネームは極力早く終わらせて、絵の方に多く時間を割いていると和久井先生は語っています。

世界観や絵柄を試行錯誤しましたが、残念ながらは「セキセイインコ」は2014年~2015年の約1年間、全5巻で連載が終了してしまいます。

移籍~デザートイーグル


和久井先生は「セキセイインコ」の連載を終えた2015年から、週刊少年マガジンに移籍し「デザートイーグル」の連載をスタートさせます。

「デザートイーグル」も和久井先生特有のアウトロー感が強い作品ですが、「新宿スワン」と比較して、絵柄やキャラクターが少年誌にマッチする作品となっており、多くの読者に読んでもらうために、かなりの努力をしてきたことが垣間見えますね。

少年マガジンでの1作目となった「デザートイーグル」ですが、「セキセイインコ」同様、全5巻と比較的短く連載が終了してしまいます。

東京卍リベンジャーズ

そして、「デザートイーグル」連載終了後の翌年、2017年から「東京卍リベンジャーズ」の連載をスタートさせます。

和久井先生は次の作品は是非アニメ化したいという気持ちがあったそうですが、和久井先生特有のアウトローを描いた作品はアニメ化することがほとんどなく、担当さんと相談して考えた結果、

当時流行っていた「Re:ゼロから始める異世界生活」や「僕だけがいない街」などのタイムリープものとアウトロー作品を組み合わせたら面白いんじゃないかとの結論に至ったらしく、

そこからヤンキーマンガとタイムリープものをかけあわせた「東京リベンジャーズ」が誕生しました。

少年誌に移籍したデザートイーグルの頃から、読者を意識してかなり大きく絵柄を改変しており、例えば青年誌の「新宿スワン」ではかっこよくてきれいな女性を意識して描いてたそうですが、

少年誌の東京リベンジャーズでは少年誌的なかわいい女の子を描くと意気込み、連載開始前にヒロインのヒナタの登場シーンを何度も描いては自主的に全ボツにして描き直していたそうです。

また、「新宿スワン」の頃からの和久井先生のファンや往年のヤンキーマンガ好きの成人男性の読者の心を掴むために、連載初期の頃は「ヤンキー漫画」を強く押し出しており、表紙も意図的に「ヤンキー漫画っぽい表紙」にしていたそうですが、

連載が続き、コミックスの5巻を発売するタイミングで、「そういう読者(成人男性)にはもう十分届いただろう」という判断から、読者層をさらに広げるためにヤンキーテイストを抑えて、タイムリープ部分を強く押し出す方向へとシフトし、表紙も若い世代に受け入れてもらいやすい雰囲気へと大きく変更しました。

また、その際に、今まで発売していた1巻~4巻のコミックスの表紙も全て変更し、その結果、成人男性のみならず、女性を含む幅広い読者へと読まれるようになり、現在の大ヒットへと繋がっています。

東京リベンジャーズは自分の強みを活かすにはどうすればいいのか、どんな作品であれば現代でヒットするのか、また、世界観や絵柄はどう変える必要があるのかなど、多くの試行錯誤・努力・戦略を積み重ねた結果誕生した作品であると言えますね。

ヤンキー漫画✖タイムリープという斬新な設定、全員が主人公級の魅力的なキャラクター、巧妙に張り巡らされた伏線で多くの読者を魅了し、

東京リベンジャーズは、アニメ化前の時点ですでに累計発行部数が1,000万部を突破しており、2021年4月にアニメ化してからは、半年間でさらに爆発的に発行部数を伸ばし、現在4,000万部まで部数を伸ばしています。

また、2021年7月に実写映画化もされ、公開から3日間で興行収入7億円を突破し、8月には舞台も上演されるなど、社会現象を引き起こす大ヒット漫画となっており、まだまだ東京リベンジャーズの人気は続きそうですね。

まとめ

今回は、「東京リベンジャーズ」の作者として有名な和久井健先生についてご紹介しました。

「たくさんの読者に届けるにはどうしたらいいか」を試行錯誤し続け、新宿スワンでの長期連載から、少年誌への移籍を経て、大ヒット作品を生み出した和久井先生。

東京リベンジャーズのアニメは第二期の制作も発表されており、今後の本誌での展開と共に、非常に楽しみですね。

最後までご視聴頂きありがとうございました。

またね。

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