【炎炎ノ消防隊の作者】大久保篤先生の経歴|逆転の発想で大ヒット作連発【ソウルイーター】
こんにちは。saraです。
今回ご紹介するのは、灼熱ダークファンタジー漫画「炎炎ノ消防隊」の作者として有名な大久保篤先生です。
「炎炎ノ消防隊」は、2015年から週刊少年マガジンにて連載が開始され、コミックスの累計発行部数は1,700万部を突破。
アニメは2期に渡り放映され、舞台化も果たすなど、少年マガジンを代表する看板漫画として人気を博しています。
大久保先生は「炎炎ノ消防隊」だけではなく、死神を題材にしたダークファンタジー漫画「ソウルイーター」の作者としても有名ですが、
大久保先生は漫画制作を行うに当たり、今現在流行している漫画をあえて否定するような視点で新しいアイデアや設定を考えたり、王道とは逆転の発想から物語の構想を練り上げるそうで、
「炎炎ノ消防隊」と「ソウルイーター」もそんな天邪鬼な性格ならではの逆転の発想から誕生した作品です。
今回は、そんな大久保篤先生の経歴や、「ソウルイーター」と「炎炎ノ消防隊」が誕生するまでの経緯についてご紹介していきます。
動画版はこちら。
経歴
1979年9月20日生まれ、東京都出身。
幼少期の頃から絵を描くことが好きだったそうで、2歳くらいの時に母親と一緒に家の襖に落書きをした思い出が潜在的に残っており、
この出来事から「絵を描くのは楽しい=将来は漫画家」と思うようになったそうです。
中学生になってからも絵は描いていましたが、この頃は「漫画」というよりかは、グラフィティやポップアートなどを好んで描いており、
将来のイメージとしては、「漫画家」というよりかは「デザイナー」の方が近かったそうですね。
高校卒業後は、東京アニメーター学院専門学校に進学。
専門学校卒業と同時に、「GetBackers-奪還屋-」の作者として有名な綾峰欄人先生の元でアシスタントを務めることになります。
綾峰先生の元でアシスタントを経験していく内に、大久保先生は漫画という媒体に対して
「漫画は何をやってもいい土俵であり、役者も舞台も自分で揃えることができる」
と強く魅力を感じるようになり、
「ポップアートもデザインも漫画という土俵で自分なりに描こう」と思うようになったそうで、
ここから、本格的に漫画家を目指すことを決意します。
そして、2001年に読み切り作品「一善の骨」で第3回エニックス21世紀マンガ大賞準大賞を受賞。
これがそのまま「月刊少年ガンガン」にて掲載され、漫画家デビューを果たします。
そして、「一善の骨」を基に2001年から「月刊少年ガンガン」にて、ファンタジーアクション漫画「B壱」の連載をスタートさせます。
B壱
初連載作品となった「B壱」は大久保先生らしいファンタジーかつ独特な世界観によりコアなファンを獲得しますが、
残念ながら「B壱」は全20話・全4巻と比較的短く連載が終了してしまいます。
「B壱」は打ち切りと言われている作品ですが、実際は大久保先生自らの申し出による自発的な連載終了だったようで、
後に大久保先生は「B壱」に関して「思うように人気が出ず、とても苦労して嫌な思い出が多い作品」と振り返っています。
そして「B壱」の連載終了後、「ソウルイーター」のメインキャラクターとなる「マカとソウル」「ブラックスター」「デス・ザ・キッド」それぞれを主人公として描いた3本の読み切り作品を制作し、
これが読者から好評を博したことで、この読み切り3作品を基に、2004年から「月刊少年ガンガン」にて「ソウルイーター」の連載をスタートさせます。
ソウルイーター
「ソウルイーター」は、死神を題材にしたダークファンタジー漫画ですが、ソウルイーターの構想を思いついた当初は「命を大切にしよう」というメッセージ性が強い漫画が多かったため、
「逆に命を軽く扱って敵を痛快にやっつける漫画にしよう」という天邪鬼な性格による逆転の考えから死神という生き死にありきの設定が誕生したそうです。
また、「死神」をコンセプトに選んだ理由には「死神を題材にした漫画は少ないし、悪いものとされる死神を味方にしたら面白いんじゃないか?」との考えもあったそうですね。
また、武器をキャラクター化した理由については、「武器との信頼関係」を描くのが楽しかったことがきっかけとなり、そこから武器そのものが同じ人間同士だったら面白いんじゃないかと考えたからだったそうですね。
そんな「ソウルイーター」は、2004年から2013年まで連載され、全113話・全25巻で完結。
2008年からはアニメ放送もスタートし、コミックスの累計発行部数は1,960万部を突破する大人気作品となりました。
大久保先生は、「ソウルイーター」と並行して、2011年から「ソウルイーター」の外伝となる「ソウルイーターノット!」の連載もスタートさせます。
「ソウルイーターノット!」は本編では語られなかった設定やキャラクターの学園生活などが描かれており、アニメ化もされ、2011年から2014年までの約3年間で全5巻を発行。
そして、「ソウルイーター」と「ソウルイーターノット!」の連載終了後の2015年からは「週刊少年マガジン」に移籍し、「炎炎ノ消防隊」の連載をスタートさせます。
炎炎ノ消防隊
「炎炎ノ消防隊」は消防隊とSFを融合させた灼熱ダークファンタジー漫画ですが、
大久保先生は、作品のコンセプトを選ぶ時に「自分の好きなもので、よく知られたものであり、そしてまだ誰も目をつけていないもの」を選ぶようにしているそうで、
消防隊は、誰もが知っている身近な存在であり、また、「消防隊✖︎ファンタジー」という設定の漫画がなかったため、そこに魅力と新規性を感じ、消防隊をコンセプトに選んだそうです。
また、炎炎ノ消防隊にも大久保先生の天邪鬼な性格が随所に影響しており、
例えば、ソウルイーターでは「命を大切にしよう」という主旨の漫画が流行っていたことから「命を軽く扱う設定」にしたのに対し、
「炎炎ノ消防隊」では、連載当初「命が軽く扱われるデスゲーム漫画」が流行っていると感じたため、今度は逆に命を大切に扱う消防隊をコンセプトにし、命の重さを問う設定にしたそうです。
また、能力バトル漫画がたくさんある中で、一つの能力しか出てこないバトル漫画はほとんど見ないことから、
「全員同じことしかできない能力バトル漫画を作り、その中で個性を出せたら逆に面白いものになるんじゃないか」という逆転の発想が生まれ、
そこから「炎炎ノ消防隊」のコンセプトの一つである炎属性だけの能力バトルという設定が誕生したそうです。
この他にも、連載当時はタイトな服装が流行っていたことから、消防隊の衣装を逆にダボダボな設定にしたり、
当時ラッキースケベという言葉や展開をよく聞くようになったので、その逆のリアクションをやってみようと思い、環の「ラッキースケベられ」という新しい設定が誕生したりなど、
大久保先生の逆転の発想は、「炎炎ノ消防隊」の多くの設定に活かされています。
ちなみに、「炎炎ノ消防隊」は「ソウルイーター」ではやらなかった事をやろうという想いから構想が練り上げられているそうで、それぞれの作品で対比する箇所がいくつかあり、
例えば、「ソウルイーター」のイメージは「月」なのに対し、「炎炎ノ消防隊」のイメージは「太陽」であり、
また、「ソウルイーター」では、パンク的なノリと勢いを重視していたのに対し、「炎炎ノ消防隊」ではより丁寧にストーリーや謎を作り込んでいるそうですね。
そんな「炎炎ノ消防隊」は2015年から「週刊少年マガジン」にて連載が開始され、コミックスの累計発行部数は1,700万部を突破。
大久保先生が描くスチームパンクな世界観や、謎が徐々に解き明かされていくストーリー展開、そして炎属性による多彩かつ大迫力のバトル描写で大人気作品となりました。
そんな「炎炎ノ消防隊」は、2022年2月に約6年半の連載を経て堂々の完結を迎えます。
現在までにアニメは2期に渡り放映されており、圧倒的な神作画による大迫力かつ美しいバトルシーンは非常に魅力的であるため、
公式にはまだ発表されていませんが、アニメの第3期の制作にも期待してしまいますね。
まとめ
今回は、「炎炎ノ消防隊」の作者として有名な大久保篤先生についてご紹介しました。
天邪鬼な性格による逆転の視点や発想から大ヒット作品を生み出し、人気漫画家となった大久保先生。
今後の漫画家としての方向性について、2020年時点の大久保先生のコメントによると、これまでのようなファンタジー漫画はしばらく描かないだろうと明かしており、
リスペクトする鳥山明先生の作品で、自身の原点にもなった「Dr.スランプ」のようなギャグ漫画を描きたいと語っているため、
もしかしたら大久保先生の新しい作風を見れる日が来るかもしれませんね。
最後までご視聴頂きありがとうございました。
またね。