「帰らぬ人」

幸せは過去にはなく
止まることではない
その場に求めても
何も還ることは
なかったあの日
ためらいがちに俯き
遠い目をした向こうへ
蘇る若かりし姿が
陽炎の中で煌めき
微笑みに包まれた中で
手を伸ばすと
またねと口にした
言葉の裏側に
さよならが潜み
消えていく
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