M-1グランプリ2020札幌予選

今年は無観客で実施されたM-1グランプリ2020の札幌予選。コロナの影響もあり3回戦がカットされるため合格者を絞ることはあらかじめ予想されていたが、59組の参加のうち2回戦進出は5組、合格率は8%という他の会場と比べても厳しい審査がされた。

結果も波乱含み。昨年のTOP3であるつちふまズ、コロネケン、ゴールデンルーズが全て不合格となった。合格はスキンヘッドカメラ、リングリンデ(以上札幌吉本)、まごのて(太田プロ札幌)、風水、大福(以上アマチュア)。TOP3はリングリンデ、風水、まごのてであった。

1位 リングリンデ

札幌吉本のリアル母子コンビ。東京NSCでいえば16期と同期。息子のまひろは10歳でデビューしたため年上の後輩が多い。笑道では黒帯と白帯のエレベーターが多く決してトップ級の成績というわけではなかっただけに1位は驚いた。「M-1グランプリへの道」でも紹介されたが、「お母さんがホストクラブに行く」という設定に爆笑が起こった。レギュラーのプレゼンが上手いおかげとはいえ(実際のネタと見比べてもらえばわかるが、レギュラーの言い方は嘘はついていないけれども期待をはらむ誤解を聞き手に与える、絶妙な演出が施されている)、確かに言われてみると、母と息子でやる漫才としては狂った設定である。キャンプファイヤーというライブでも東京から来たMCの芸人に「母と息子のコンビ」というのをめちゃくちゃ食い付かれていたが、馴染みすぎていて気付いていないだけで東京では引きのあるプロフィールなのだろうか。リングリンデは数年前までおかあさんが出産と育児で休んでいて息子のまひろがピンで活動していたのだが、もしかするとそれもはたから見るととても面白い話なのかもしれない。このまま札幌事務所の顔レベルに羽ばたいたら熱い。

2位 風水

アマチュアからのTOP3入りは、おそらく今年初めてのはず。北海道のテレビ局員2人のコンビで、ともにもともとは東京の学生お笑いサークル出身者。札幌で就職した2人がコンビを組んだのだろうが、あっさりと地元のプロ芸人を超えていってしまう東京の学生お笑いのレベルの高さを知らしめてくれた。

3位 まごのて

太田プロ札幌の、40代社長と20代フリーターの年の差コンビ。リングリンデと同様に、普段の事務所ライブでは必ずしもトップ常連というわけでもないので3位は少し意外だった。まごのてが大ウケしているのはたいてい社長がプライベートを暴露されるネタのときだが、M-1でもそのスタイルを踏襲し、いきなり衝撃的な告白から始まる。ほぼザ・ノンフィクションである。

大福

HTBのアナウンサーコンビ。「M-1グランプリへの道」でも、密着取材とネタの断片を見ることができる。北海道のアナウンサーのタレント力は相変わらず高い。

スキンヘッドカメラ

札幌吉本の中堅クラスのコンビ。1回戦でかけたネタは不明だが、昨年あたりからやっているクレーム漫才が面白い。声を荒げまくっても台詞が聞き取りやすい技術力が強みで、TOP3に入らなかったのはちょっと意外なのだけれど、実は合格者5組のうち2回戦突破が一番ありえるんじゃないかと思っているのはこのコンビ。

ナイスアマチュア賞 ポケットコロッケ

20歳のアマチュアコンビ。札幌の専門学校のお笑いコースの学生で、去年は2回戦に進出した。去年から才能が光っていたので、将来が楽しみである。

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