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グルテン・添加物・そのほか

 欧米では「セリアック病」というものが増えているそうです。麦類に含まれるグルテンの摂取によって腸に慢性的な炎症が発生し、様々な体の不調が起きる自己免疫疾患とのこと。これとは別に「グルテン不耐症(過敏症)」や「小麦アレルギー」というものも。似ているけど、それぞれ違うそうです。
 セリアック病は白血球抗原の要素が大きいらしく、白人の25~30%が主原因となる抗原を持っていて、同じ抗原を持つ日本人は0.26%。このため、欧米では有病率が1%、日本は0.05%。アジア圏では認知度が低い病気ですけど、食生活の欧米化で今後増加する可能性があるとされています。
 ここまで、信頼できるサイトや論文などから要旨をまとめてみました。
 小麦粉は様々な場面でつなぎやとろみ付けとしても使われていますから、小麦を避けるのは本当に大変だと思います。こういう病気・症状の方は、もちろん「グルテンフリー」が必要。製造側としても原材料表記やアレルギー表記は必須だと思います。
 と、ここまではいいのですが、ちょっと疑問が。
 グルテンフリーにする(グルテンの摂取を止める)ことで、腸の調子がよくなるとか、肌がきれいになるとか。さらに進んで、誰でもパン食を止めれば体質が改善されるとかって、それは、さすがに強引です。パンを食べて何かしらの体調不良や違和感を感じる方って、意外と多いのかも知れません。だから、その原因として「グルテンが悪い」という説があり、パン食を止めて体調がよくなったから説が正しいんだという理屈は、、、科学的ではないと思います。グルテンってパンだけじゃないです。パンだけを止めて症状が改善したなら、パンが悪いのです。
 悪いパンの原因として考えられるのは、やっぱり、よくわからない添加物じゃないかと。ほかの化学物質との相互作用も気になります。内閣府による食品安全委員会報告書で「(食品添加物の複合影響は)起こり得る可能性が極めて低く、現実的な問題ではない」とされていますが、この報告書には前提がありまして、「食品添加物を複合的に摂取した時のデータがほとんど存在しない」と認めた上で、「今回の検討では、食品添加物どうしの相互作用を中心に取扱う」と書いてあります。サプリメントや医薬品なんかとの相互作用は、物質の種類が多すぎて調べるのが大変なようです。
 食品添加物は悪者だ、という気は無いんです。だけど、リスクが完全に排除できないのだから、絶対安全だというのも違うと思うのです。
 当店、パン屋です。毎日のように食べるものを作っています。そういう食品はできるだけ添加物を使わない方がよいと思います。なんですけれど、なんかこう、すごく意識が高い健康志向とか、自然・天然派とか、そういうんじゃないんです。
 添加物、使わなくても作れるし。わざわざ入れる必要ないじゃない?
 そんな考えでやっております。