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さっぱりギャラリー🌿010


さっぱりギャラリー🌿010


2000年頃にフランスのブルターニュ半島を旅行した時に撮影した古墳の石室の写真をもとに、2006年頃に描いた色鉛筆画です。

この遺跡の名前は La Roche aux Fees(Feesの最初のeの上に斜め右上の点がついている) だそうで、意味は「妖精たちの岩」、英語では the Rock of the Fairies とか the Fairies' Rock とかになっています。
右端の老木はクリの木です。

フランスのブルターニュ半島の「ブルターニュ」とは 「little Britain(小さいブリテン)」で、イギリスのブリテン本島に対しての名前だそうです。
大陸におけるブリテン島の前線基地というか、ブリテン島とブルターニュ半島はもともと同じ文化圏だったみたいですね。
ブルターニュ半島にもアーサー王伝説が残っているそうです。
アーサー王は、ローマ帝国の支配下にあったころのブリテン島にいたと思われるブリテン島の土着民の首長をモデルに作られた伝説の人物で、「ブリテン島が危機に瀕した時、アーサー王はアヴァロン(リンゴの木が生い茂る不老不死の国)から必ずブリテン島に舞い戻って、ブリテンを守ってくれる」と信じられているそうです。

ブリテン島のキリスト教以前の土着宗教の司祭だったドルイド僧に関する本『The Druids』という本を、いまでも本棚の片隅に持っていますが、読んだ時の記憶によると、
カエサル(ジュリアス・シーザー)がガリア(今のフランス)を制圧しようと攻め込むんですが、制圧するあと一歩のところで、海の向こうから船に乗って謎の者たちがやってきて、現地の野蛮人たち(現フランス人)になにやかやと入れ知恵すると、野蛮人たちは途端に元気を回復して激しく抵抗して、なかなかガリアの地を制圧することができない。
「海の向こうからやって来てきて現地人に入れ知恵する、あの謎の者たちは一体何か?」と聞くと、「あれはドルイド僧たちです」ということを知り、ドルイド僧たちの本拠地であるブリテン島の制圧に乗り出した、ということです。

ドルイド僧は、森の中に住む僧侶で、森の中の聖なる場所(nemeton 英語読みは ニマトン かな?)にて宗教的な儀式を行う、森の僧侶だそうです。日本の山伏みたいなかんじ?
紀元後6世紀に、アイルランド経由でキリスト教がブリテン島に伝わると、キリスト教の宣教師たちは、ブリテン島の土着宗教を「原始的で野蛮な邪教」と扱い、土着民が宗教的な拠り所にしていたストーンサークルの真ん中にわざと教会を建てたりしたそうです。
その結果、ブリテン島の先住民が崇拝していた八百万の神々は、キリスト教による弾圧のせいで、醜い妖精や妖怪に成り下がってしまったそうです。

それでも、ブリテン島は今も先史時代の巨石の遺跡が多く残っていて、ストーンヘンジをはじめ観光資源になっているものもけっこうあります。ブルターニュ半島の巨石も、カルナックの列石群など観光資源になっています。ブリテン島やブルターニュ半島では、ヒツジの放牧場(いつもヒツジに草が食べられているので見通しの良い草地)に忽然と立っているものが多かったです。
山岳国の日本では、巨石信仰の場所の多くは山の中にひっそりと鎮座ましましていると思いますが、なるべく観光資源化されないで、心から崇拝する信者さんたちの魂の拠り所でありつづけてほしいと願います。

この絵の遺跡は、もともとは丘陵型の古墳だったのですが、盛り土がなくなって、石室だけが残っているそうです。
石室の入り口は南南東に向いているそうです。南南東は冬至の日に太陽が昇ってくる方角だそうです。
午前9時を過ぎても日が昇らず、ようやく南南東から日が昇ったと思ったら、ほんの数時間、地平線を這うように太陽が移動して、午後3時過ぎにはもう沈んでしまうような場所では、冬至の日は、これから日がだんだん長くなって春になっていく、希望の日だったに違いありません。

この絵のもとになった写真は、こちらのブログ記事にあります👇



🌳おしまい🌳


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