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【 すべては自分のために 】

県内の路線バスに週に1~2回は乗車します。
先日料金の支払の時に運転手さんに「口を覆うように」と言われました。
運転手さんは笑顔で(見えないけど多分)言ってきたので、
私はうっかり「はい」と笑顔を見せて乗り込んでしまいました。
当然ですが口と鼻を布切れで覆うことなどなく、まぁ「返事だけは良いけど・・・」というやつです。

思わぬ一言に少々動揺し、ふと我に返ると、このままでは運転手さんは素顔の人が乗る度に同じ言葉をかけ続けてしまう。
これはよろしくないと思い、「運転手さんにどんな言葉を伝えるのがよいか」を咄嗟に考え答えを導きだし、降車の時に運転手さんにひとことモノ申しにいきました。

普段素顔のままバスを利用していますが、このように言われたことは今まで一度もありません。
この運転手さんが過去に何かがあり、未然にトラブルを避けたいが故に
独自に対策しているのかもしれません。
もしそうだとしたら運転手さんのお気持ちがわからないわけではありません。

いざ一言を!と勇み告げに行きましたが、緊張してしまうと上手く言葉がでないものです。
しかしきっと運転手さんは何かを感じて頂くことはできたのではないかと思います。

その出来事を経て再びバスに乗車した時のことです。

気持ちよく晴れ渡った爽やかな日曜の朝、バスの車内は空いていました。
乗車しますと「カンセンタイサク」がどうのこうのというアナウンスが流れました。

私はいつも利用しているバスと同じ会社のバスに乗っているつもりだったのですが、あまり聞かないフレーズを発するアナウンスが流れてきました。
その時に違う路線バスであったことに気がつきました。

県内を走るバスでも会社によりこんなにも違うのかと。
この路線バスは「手洗いや消毒」についてもクドクドご丁寧に盛り込んでアナウンスをしていました。
日常の動きまでたまたま乗り合わせた人に向けてアナウンスするなんて、お節介にもほどがあります。
ただ運転手のすぐ後ろの席は解放していました。
いつも利用しているバスはいまだにロープを張ったまま、着席の制限を継続しています。

バスが出発して「カンセンタイサク」アナウンスを流し、次のバス停に到着したらまた同じ「カンセンタイサク」アナウンスが流れました。
誰も新たに乗り込んできてもいないのに。

すぐに感じました。

「は~い。運転手さん。素顔の私に向けてアナウンスを流しているのかしら~ん?」

大体空いているバスに乗車するとこの現象がたまに起き、同じアナウンスを2回連続で繰り返し流すとうパターンで、これはどうやら会社が違っても同じように運転手さんはしてしまうようです(笑)

降車の時に今度はこんな言葉を伝えてみました。

「どうもありがとうございました~♪♪♪」(ペコリ。一礼)

何と言っても、とってもとっても素敵な場所へと私を送り届けてくれたバスなのですから。

感謝。


間もなく開花。わくわく。

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