約束の記憶 25話
小説の25話です。
注 森田かずは→森田一葉、漢字に変更します。
「思い出せ。あの約束を」
目が覚めても、どきどきしている。
リアルな夢をよくみるようになってから、この言葉を何度も聞いた。
今日は頭の中に響き渡るほどの声だった。
何の約束なんだろう。
とても大切なことを、忘れている気がするけど、わからない。
夢の内容はすぐ忘れてしまうけど、感触が目を覚ましても残っている。
知っている人がでてくるけど、この声は知らない。
しばらくぼんやりして、出かける支度をした。
「どこに行こうかな」
あてもなく、ただブラブラ歩いていると、コーヒーのいい香りが漂ってきた。
「こんなお店あったかな?」
いつも通る道に、見かけないお店ができていた。
新しくできた店のはずなのに、見た目はレトロな作りだった。
店内に入るとコーヒーと焼き立てのパンの香りで充満していた。
窓際の席に腰をかけて、コーヒーを待った。
客は2.3人いて、窓際の端に30代ぐらいの男性が本を読んでいた。
ちら
何の本を読んでいるのか気になって、見ていたら、目が合ってしまった(〃ω〃)
微笑んでごまかせばいいのに、なんだか気まずい。
目線を合わせないように、普通にしていよう‥。
なんか
視線を
感じる
ちら
うわー、こっちをみてるーー(//∇//)
しかも、笑ってるーー
なんで初対面で、言葉も交わしていないのに、気恥ずかしいんだろ
冷静に 冷静に
あれ?
動揺させた男性はいつのまにか席からいなくなっていた。
全く一人で焦って何してるんだか
「ふーー」
一息ついて、コーヒーを一口飲んだ。
「そこ座ってもいい?」
背後からいきなり声が聞こえた。
つづく
あなたの好きなことが誰かの笑顔にする、ハッピーシェアリングの活動費にさせていただきます!