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約束の記憶 第2章 1話
小説です。(前回は3/20の記事です)
第二章 1話
「任務完了 送還します」
Rプロジェクトのチームリーダーである小坂桃子は、トラブルもなく、完了できたことにホッとした。
コーヒーを一口飲もうとしたところに、人が入ってきた。
「浅倉もみじ、終了ね。どうだった?」
上司であり、ここの責任者の中島みすずだった。
「予測ではあと3年かかるところでしたが、1年で完了しました」
「随分早かったわね。原因は何?」
「責任感が強く、過去の罪を背負い続けていましたが、伝統を継承する使命が勝ったことと、素直なのが原因と思われます」
「ふーん。森田一葉の影響もあるのかな」
「過去世からの因縁をみても、相性がよかったと思われます」
「そか、わかった。お疲れさま」
「お疲れ様です」
見た目は温和なのに、妙に緊張する。
よく怒られた学校の先生に似ているせいか、びくびくしてしまう。
たまにきて、聞きたいことだけ聞いて、いつの間にか去っていく。
毎日いたら、私のストレス値がやばいことになっていたはず。
そうでなくても、国家機密の仕事で、プライベートも管理されているというのに。
判断基準が何かはトップシークレットでわからないけど、管理する側から「される側」になったら、たまったもんじゃないわ。
「おーい。小坂」
同期の神木直人がチャットで声をかけてきた。
「何ぼーとしてんだよ。浅倉もみじの報告書を至急だせってさ」
「え?珍しいわね。提出しても目を通してもらっているかもわからないぐらいなのに」
「周辺の人間を洗い出せってミッションがきているから、何かあるんだろ。いいから早めにな」
「わかった。すぐとりかかる」
浅倉もみじ当人も周辺人物も特に問題はなかったはずだけど、何かひっかかかることがあったのかしら。
ホッとしたのも束の間、なんだか嫌な予感がしてきた・・・。
つづく
(次回は3/27にUPします)
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