舞台「バサラオ」の愛すべき自分勝手な登場人物たち
⚠️この記事は舞台「バサラオ」のネタバレをふくみます⚠️
「この舞台は自分勝手な人しか出てきません」
古田新さんが舞台の制作発表で言った言葉が印象的だった。
自分勝手な人たちばかり?私は疑問に思った。実際、観劇してみて古田さんの言っていたことが腹落ちした。本当に自分勝手な人たちしか出てこない。
自分勝手な登場人物たち
生田斗真さん演じる主人公、ヒュウガは自分の美貌を誇りに思っている。
「光っているのは俺だけでいい」
劇中、誇らしげにそういっていた。自分が光ってさえいれば、人がどれだけ死のうと関係ない。自分さえよければいい。
中村倫也さん演じるヒュウガの軍師、カイリ。何度も手のひらを返し、裏切りを繰り返す。
粟根誠さん演じる、キタタカは幕府の執権。どんな手を使ってでも自分の思い通りにする。自分のやりたいことを邪魔する相手には容赦ない。
西野七瀬さん演じる、アキノ弓矢の名手でゴノミカドノ右腕。自分好みの男をやっつけ、その男の髑髏を身につけて「これは私の恋人たち♡」と相当なサイコパス。自分好みの頭の形の男を見つけては倒して身につけていく。しかも、劇中にちゃんと髑髏の数増えていたし!!(怖っ!!)
全部の登場人物とその自分勝手さを書いていたらきりがない。それぐらい自分勝手な人たちのオンパレードな舞台。
自分勝手な人たちが集まるとどうなるか?
とにかく、はちゃめちゃだった。みんな自分の欲望に忠実すぎる。そして、手段も選ばない。裏切り、裏切られの繰り返し。
話の途中で「これって誰がどっちの味方なの?誰が裏切るの?」とハラハラしながらもどんどん展開が進んでいく。
ヒュウガは島流にされた古田新さん演じるゴノミカドを島から脱出させた。しかし、人助けをしながらも幕府の執権、キタタカを倒したあと、ゴノミカドを斬ってしまう。しかも、その裏切りをカイリが手助けしていたとは……。
さらにゴノミカドを倒し、王となったヒュウガをカイリが斬ろうとする最後のシーンは衝撃。結局、1番狂っていたのはカイリだ。
幕府の犬を辞め、ヒュウガと組み、ゴノミカドを島から脱出させたかと思えば、ゴノミカドサイドを裏切るヒュウガを手助け。最後には自分の好きな人がヒュウガを守ろうとして死んだのが許せず、ヒュウガを助けると見せかけて最終的にはカイリ自身で倒した。(多分、倒したんだと思う)
自分の手でヒュウガを斬りたかったのね、カイリは。でも、手の込んだことをしたなぁ。でも、これが剣術だけでなく、知恵を使って色んなことを乗り越えたカイリらしいまどろっこしい復讐。
そして、私も文章で書いていてわけが分からなくなっている。それだけ「バサラオ」ははちゃめちゃでカオスなのだ。
まとめ
登場人物、みな自分勝手だけどなぜか憎めなかった。激動な時代で裏切りが当たり前だから「自分勝手」と言われてもいいぐらい自分の欲に忠実でないと消えてしまう。
なぜか理由は分からないけど憎めないし、登場人物みんな好き。はたからみれば自分勝手。でも、自分の使命や思いのために周り関係なく自分に素直に生きている。
だからこそ、この舞台の登場人物たちを箱推ししてしまう。
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