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ピリカ目線~オムツを手に、私は三度泣く

コロナになった。2回目だ。

今朝起きて、身体がだいぶ軽かったし12時間も眠っていたので、快方に向かっているのだろう。皆様には弱気なつぶやきにコメントをいただき、本当にありがとうございました。

発熱したのが木曜日の夕方だったが、朝から既に声が出なかった。
1年前にした手術の、全身麻酔から覚めた瞬間を思い出して心がざわざわする。
自分の中の野獣が唸っているような、不穏な感じ。

その不穏さで普通の風邪ではないな、と悟った。おかげさまで、危機管理能力はある方なのかもしれない。

早めにリスケを関係各所にお願いする。仕事は、全員出社でしかも社内ディスカッションの日だった。小グループに別れて意見交換する日。到底無理だ。

すまスパの収録も予定してたが、声が出なければどうしようもない。その日のメンバー納豆さんと、ゲストさんにお詫びを入れる。本当に申し訳なかった。

身体が痛くて、ビシビシとくるあの感じももちろんきつかったが、今回とりわけしんどかったのが咳。

ごほんごほんと、大きく身体を揺らすほどの咳が出る。それだけではない。
中年女性のお悩み、特に経産婦のお悩み第1位、「ちょいモレ」が、「かなりモレ」になるのである。食事中の方すみません(^-^ゞ

子宮摘出してから、気になるようになった。

たまに、ボクササイズでキックしたりしたときに「ヒヤッ」とするので15cc用はストックにあった。


これでは追いつかないのはわかっていたが、買いに行く元気もない。
家の男ども(失礼)に頼んでも、違いが分からず可愛いパッケージに惹かれ、生理用ナプキンを買ってくることは目に見えている。

最初は変える頻度を早めにしてどうにかこうにかしていたが、食事が刺激になったのかひどく噎せたときがあった。

ごほんごほん。ごほんごほん。
吐き気を必死で収めていると、下のほうに力が入らない。
たらたらっ、と足元に不穏な感触が走る。やがて、水溜まりができた。

呆然と水溜まりを見つめる。

情けなさに涙が溢れ、膝から崩れ落ちた。
雑巾で狂ったように拭く。

コロナになったとはいえ、頭は正気である。フラフラではない。
それでも身体の排泄機能ひとつ、自分でコントロールできないのか。

腹をくくり、階下の義母の部屋からオムツを失敬してくる。

アテント、というメーカー名のものを自分で使うことに少々傷つきながら、また涙が出る。
(こういうとこが無駄に黒ひょう)そして、意を決して装着する。

つけ心地はわるくなかった。
すこし太ももの付け根のところがざりざりするが、致し方ない。このオムツのおかげで、私は今回コロナを乗りきれたと思う。
本当に感謝である。

直前に、「すまスパPRO」を収録したこともあり、実母に初めてオムツをつけてもらった時を思い出す。

防水シーツを娘の夫に敷いてもらうことだけでも屈辱だったかもしれない。
夜中に、殺気だった表情の娘からオムツを渡された時の母の気持ちを思うと、いたたまれない。

あの時も、母はなかなかオムツを履きたがらず、おりものシートをつけたがった。自分の状況を分かっていないように見える、母の行動がますます私を苛つかせた。

「それじゃ、もう役たたんやろ!」

あの日の私の言葉が、今の私をも傷つけた。
因果応報とはこのこと。

また、涙が出た。

身体がいうことをきかない。
そのことを早めに経験できたことは、よかったのかもしれない。

あとは栄養つけて回復するだけである。

老いは確実に近くにやってきていて、私たちを突然自覚させる。

それを見ないようにして、気持ちを若く保とうとすることも大事だけれど、廻りに便利なものがあれば腹くくって使う、という柔軟さも大事だと感じた日々だった。

アンチエイジング、という言葉はいろんな購買意欲を掻き立てるからかよくネットで見かけるけれど、私がいまから必要なのは、老化に抗うのではなくうまく軟着陸させること、なのではないだろうか。







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