7がつ望じつ、四

七年ほど乗っているママチャリの後輪がすりへってパンクした。
家からいちばん近い自転車屋さんに電話をかけると、携帯電話にかけてくれとアナウンスが流れ、伝えられた番号にかけるもでなかった。にばんめに近い自転車屋さんに電話をかけるとすぐにでて、金額とその場で直してもらえることを確認し、それから向かった。この自転車屋さんは花農家さんに勤めていたときの通り道にあって、いちどブレーキを直してもらったことがあった。ご縁があるね。
おじいさんが作業しているあいだ、扇風機のまわっている事務所でひとり待たせてもらった。小学生のころ家が車の整備工場のともだちがいて、事務所にもおじゃましていたので、個人業の事務所が懐かしかった。机があって、たくさんの引き出しがあって、応接テーブルと椅子があって、いくつもポスターが貼ってあって、お茶なんかも淹れられるスペースがあって、必要なすべてが備わっている具合にあこがれがあった。家にくる保険屋さんのぱんぱんの鞄にもあこがれがあった。そんなことをおもいだしていると作業がおわった。
凹凸のある黒い新しいタイヤが、年期のはいったママチャリについてる。またお世話になるね。気分よくペダルをこいで帰ってきた。ほどなくして雷雨。

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