【短編小説】やめたあの子③
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今まで何をしても、いつも私の上位互換がすぐ傍に現れた。
幼稚園のとき、テレビで見たバレリーナに憧れて、バレエを始めた。そんな私に憧れて、後から始めた当時の親友の子の方がみるみると上手になって、見込みのある子だけが入れる競技クラスに昇格していった。私は不貞腐れて、バレエに飽きたと言ってやめた。
小学校にあがると、自分は勉強が得意だということに気付いた。周りの子から、「学年で一番の天才は足立仁香ちゃん」と言われていたぐらいだった。けれど、