ゴールドコースト、マーブルビーチ、瀬戸内海
(い)
僕は中学生のころ、オーストラリアの東海岸に家族旅行に行ったことがあるのかもしれない。
そこの海の浜辺は足で踏むと「キュッキュッ」と音を立てることで有名であったが、その奇妙な音は、「海」にとって、僕の日常(であったような気がする)としての海の瀬戸内海が、単に一つの具体でしかないということ、僕が知っていた「海」は「海」の巨大な集合の一部に過ぎないことを、僕に教えたとも言えるのではないだろうか。それは僕が地元から離れるための第一歩だったのかもしれないし、僕と世界との調和の