2024/09/23 意志の力争奪ミドルスクール決勝 ぴんぞう(パンデバースト)vsとん(デッドガイエイル)
ぴんぞうの駆るパンデバーストは準決勝の項でも触れた通り、《はじける子嚢/Saproling Burst》《伏魔殿/Pandemonium》を場に揃える事によって一撃21点を叩き出すコンボデッキだ。各種ルーター型のドロー、また一気に揃えるための《補充/Replenish》、《意志の力/Force of Will》で押し通す戦術も持ち合わせている。
立ち塞がるはとんのデッドガイエイル。
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》《ジェラードの評決/Gerrard's Verdict》の8枚で手札を攻めた上で《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》で攻撃してくるという焦土作戦スタイル。また《名誉回復/Vindicate》《押し寄せる砂/Choking Sands》で土地を攻める事もできる。
黒白という組み合わせはここ最近でもノワールや白黒コントロールが何度か入賞しており、有力かつ未だ未開拓のアーキタイプとして注目されている。
余談。
ぴんぞうはかなり久しぶりのミドルスクール参加ということでミドルスクールプレイ歴を伺ってみたところ、なんとコロナ流行以前にプレイしていたとのこと。少なく見積もっても4年以上のブランクがある。
一方でとんはMTG自体のプレイ歴は長いものの、ミドルスクールのイベントに出たのは「昨日が初めて」。
私見ではあるが、メタゲーム全体の様相はぴんぞうがプレイしていた5年前と比べてもかなり異なっている。
言うなれば、お互いによくわからない世界ながらも決勝に辿り着いた素晴らしいプレイヤーであるということ。両名には最大の賛辞を送りたい。
【ROUND:1】
スイスラウンド上位のぴんぞうが先攻。
両者共にキープを宣言する。
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を置くぴんぞうに対しとんは《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》。
とんのメインデッキには《強迫/Duress》が採用されておらず、1ターン目の動きは《葬送の魔除け/Funeral Charm》しかない。仮に持っていたとしてもこのマッチアップではコンボの後押しになってしまう可能性が高いため、無為に撃つこともないだろう。手札が少なくなった時が勝負だ。
しかしながらゲームは2ターン目にして急展開を迎える。
ぴんぞうの《真鍮の都/City of Brass》を置くのみのターン、とんはターンを迎えると《不毛の大地/Wasteland》!
ぴんぞうはスタックの《島/Island》サーチから《衝動/Impulse》を唱えるが、4枚を見ると
「やばい…」
とポツリ。
ぴんぞう、痛恨のランドストップ。
その間にもとんは《ジェラードの評決/Gerrard's Verdict》で手札を攻めるが、これは《伏魔殿/Pandemonium》2枚ディスカードと少々アシストしてしまった形。
だがその返しでもぴんぞうは沈黙したままだ。
泣きっ面に蜂とはこのことで、更に飛んでくるのは《押し寄せる砂/Choking Sands》。
ああ、唯一の《島/Island》すらも。
土地0枚の相手ならなんでも処刑可能なわけで、とんは《墓生まれの詩神/Graveborn Muse》を2連打。懐かしさ満点の良クリーチャーだ。
2体並べると自分のライフもマッハだが、攻撃により相手のライフはそれ以上のスピードで減っていく。
ぴんぞう、さすがに「参りました」と匙を投げた。
電光石火の1本目であった。
ぴんぞう 1-0 とん
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とんは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を抜き《強迫/Duress》を入れてみるものの、とん側の手札破壊要素とぴんぞうの勝ち手段が友情コンボを生み出す可能性がなくもないわけで。
同時にぴんぞう側もリソース破壊に対する最も良い対策はドロースペルの連打だが、まあそれはもうメインに入っているカード。
ゆえに互いのサイドボードは至難を極めそうだ。
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【ROUND:2】
先攻のぴんぞうはマリガン。
とんは7枚でキープする。
ぴんぞう《汚染された三角州/Polluted Delta》
とん《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
ぴんぞう《地底の大河/Underground River》
と静かに置き合うが、やはり先に沈黙を破るのはとん。
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》がぴんぞうを蝕むが、落としたのは《直観/Intuition》《はじける子嚢/Saproling Burst》と少々物足りないか。
ぴんぞうはお返しの《強迫/Duress》にて自身のリソースを破壊してくるカードを咎めに行くが、
《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》
《ナントゥーコの影/Nantuko Shade》
《解呪/Disenchant》
《押し寄せる砂/Choking Sands》
《汚れた原野/Tainted Field》
…そこには《強迫/Duress》で抜けない脅威がちらほら。
《押し寄せる砂/Choking Sands》が抜かれるものの、返しにとんは見られたのであれば仕方ないとばかりに注文通り《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》。
ぴんぞう、ここが大勝負ターン。
土地を置きつつ《大あわての捜索/Frantic Search》。ここから《伏魔殿/Pandemonium》→《補充/Replenish》と行きたいところ…だが、土地をアンタップしてターンを返す。
残った手札は僅か1枚。仮に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》だとしても、とんの手元には次の《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》が控えているが…?
謎は次のターンに明かされる。
とんは予定通り《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》で攻撃するが、ぴんぞうが前ターン手に入れていたのは《直観/Intuition》だった。
《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》で捨てる前に《伏魔殿/Pandemonium》《綿密な分析/Deep Analysis》2枚に変換し、手札こそ0枚になるものの将来的なリソース埋めをすることに成功。
だが2枚目の《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》も登場してしまい、《綿密な分析/Deep Analysis》を撃つのはいいが、そのターン中に使い切る(《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》に引っかかるため)ための、引いたカードを充分に活かせるマナが足りない様子だ。
否。
この《直観/Intuition》の役割は、トップデッキの可能性を作っただけで充分だった。
ぴんぞう自身も落とした《綿密な分析/Deep Analysis》の頼りなさを嘆いていたところだったのだが。
ライブラリートップはまさに120点満点、ここ一番の《補充/Replenish》。
とん、一撃21点にて消し飛び勝負は3本目へ。
ぴんぞう「あったまってんな~」
ぴんぞう 1-1 とん
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ぴんぞうは先後の差もあるのかサイドボードに悩み、不安そうながらも15枚を示す。一方でとんはあまり悩まずインアウトを決定。
泣いても笑っても最後の1戦、素晴らしい勝負に期待したい。
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【ROUND:3】
先攻のとんは土地なしの初手をマリガン。
ぴんぞうは「土地があるのでキープします」との言。
豪胆なようにも見えるが、手札破壊・土地破壊いずれも耐える可能性があるのが「潤沢な土地ハンド」なのだ。ドローやコンボの中核は後から引いてもいいし、ものによっては落とされる方がいい。正しい選択である。
とんの《沼/Swamp》、ぴんぞう《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》の設置から、2ターン目にとんが《ジェラードの評決/Gerrard's Verdict》で仕掛ける。
しかしぴんぞうはこれを《魔力の乱れ/Force Spike》。後手番ゆえの強さが光る。
更にとんは《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》で攻めるがこれにも《魔力の乱れ/Force Spike》!
2連続の軽量カウンターに手が止まるとんだが、1対1交換でもいいから情報を寄越せと《強迫/Duress》で執拗に手札を狙う。
ここで公開された手札は
《直観/Intuition》
《意志の力/Force of Will》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《綿密な分析/Deep Analysis》
というかなり強力なもの。
とんはここから《直観/Intuition》を落とすが、ぴんぞうは続く《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》には《大あわての捜索/Frantic Search》を挟みつつ《意志の力/Force of Will》で返した上で、減ったリソースは《綿密な分析/Deep Analysis》で補充。
ここまでのセットランドも基本土地ばかりであったため、とんのセットランド《不毛の大地/Wasteland》も少々リターン不足か。
ぴんぞうも《綿密な分析/Deep Analysis》裏打ちから《強迫/Duress》してみるが、とんの手札は《沼/Swamp》。お互いにさみしい。
しかし2枚目の《綿密な分析/Deep Analysis》表、次のターンには《綿密な分析/Deep Analysis》裏とリソースをぐんぐん回復させていく。
ただ道中のセットランドは《真鍮の都/City of Brass》であったためこれは《不毛の大地/Wasteland》の餌食となり、またとんの《名誉回復/Vindicate》により《平地/Plains》を失う。フェッチランドの支払いと度重なる《綿密な分析/Deep Analysis》によって(1発も殴られていないのだが)ぴんぞうはライフ8。とん側に1枚でもクロックが出てしまうともう厳しい。
土地を並べるのみのとんのターンエンドに《衝動/Impulse》で動き出すぴんぞう。
《真鍮の都/City of Brass》から《伏魔殿/Pandemonium》を設置する。ライフ7。
忘れられがちだが《伏魔殿/Pandemonium》は相手のクリーチャー展開にも適用されるため、実はぴんぞうにとってかなりリスキーな行動でもある。
裏を返せばそれなりの算段を以て出している、ということだ。
ともあれクリーチャーを引きたいとんだが、残念ながら《沼/Swamp》。
もはや巻き返せずか。
ぴんぞうは5マナを倒すと手札から《はじける子嚢/Saproling Burst》。
6対20のライフレース、一瞬にして6対0に。
ぴんぞう 2-1 とん
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優勝はぴんぞう(パンデバースト)!おめでとう!
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