2023/09/16 ポイント争奪ミドルスクール杯 決勝戦 とろ(スタイフルノート)vsかえる(ゴブリン)

とろの使用するスタイフルノートは《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》のデメリットを《もみ消し/Stifle》《幻視の魔除け/Vision Charm》で無視してしまう大味なコンセプトのデッキだ。
大きな特徴としてはこれらのコンボパーツが全て1マナであること。つまり土地2枚で成立してしまうそのスピード感ゆえに、相手としては殴り合いを挑むのも難しい。
更に青いデッキであるため、除去対策のカウンターもばっちり搭載できる。4枚の《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を1枚でも探し出すべく大量のドロースペルが脇を固める。

対するかえるは最近メタゲーム上に増加傾向であるゴブリンで参戦。
かつてのエクステンデッド禁止カードである《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》からのマナジャンプは噛み合えば破壊力抜群。生ける《ルビーの大メダル/Ruby Medallion》である《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》から《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》に繋がれば死あるのみ。
更に《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》から様々な対処札を導くことができるため、見た目以上に器用な動きをする面白いデッキだ。
今回は《不毛の大地/Wasteland》《リシャーダの港/Rishadan Port》での拘束ルートも仕込まれている。

とろはここまでゲームを落とさず絶好調。しかしかえるもスイスラウンド初戦を落とすもののそこから快進撃を続けてここまで辿り着いた。今日はツキがあるのかもしれない。


【ROUND:1】

スイスラウンド上位のとろが先攻…だが、土地無しの初手をマリガン。
その後の7枚にも満足とは行かないようだが、《もみ消し/Stifle》《意志の力/Force of Will》ありの初手をキープ。《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》の姿はない。

かえるも7枚でキープする。

《汚染された三角州/Polluted Delta》で返すとろに対し、かえるは《山/Mountain》から…ターン終了を宣言。

かえるのデッキには9枚の1マナクリーチャーが入っており、そのどれでもないとすれば恐らく《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》でキープしている。

プロレス

とろの気合が入った1stドロー(先攻2T目)…は《衝動/Impulse》。成らず。
構えて返すとろに対し、かえるは予定調和的に《山/Mountain》からの《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》。

シャッフルしないでね

一応《衝動/Impulse》を撃ってみるもののこれをスルー。《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》に対しダメージレースを挑んでくる可能性のある数少ないクリーチャーだけに、後続の価値が一層高まった形となる。

ターンが移るものの、とろは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を置くのみで切り返せない。

ここで一気に畳み掛けたいかえる。
まずは挨拶とばかりに《不毛の大地/Wasteland》で《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を破壊する。そして単騎で突っ込んでくる《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》…

お互いにTheいまいちな回りとなってしまっている。先にこの泥沼を脱出できるのはどちらか。

九死に一生を得たとろは《手練/Sleight of Hand》。
…まだ《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》の姿はない。

更に九死に一生を得たかえるは《沼/Swamp》から《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》。《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》が既にアクティブなこともあり、ここから一気加速が予想される。

とろは《選択/Opt》で受け、占術でついに《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》に辿り着く。

でけー

これを貰いつつ《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》には《目くらまし/Daze》。

全ての準備が整ったとろはここで発進。
《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》の誘発型能力に《もみ消し/Stifle》を撃ち込み、規格外の生物が登場する。

よく《正義の命令/Decree of Justice》が消えてた

この巨大すぎるブロッカーを前に孤独の《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》は立ち往生してしまう。次のターンからはすれ違いになりうるとはいえ、どう頑張っても1ターン以上は足りない。
《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》を出してみるものの、現状なんの足しにもならないようだ。

そのまま2ターンに渡る蹂躙でまずはとろが1本。


とろ 1-0 かえる


とろは《寒け/Chill》《水流破/Hydroblast》《青霊破/Blue Elemental Blast》をサイドイン。最近赤いデッキがよく勝っているということで対策充分のようだ。
後手なので《目くらまし/Daze》などを減らしつつ、《水流破/Hydroblast》などと同価の《対抗呪文/Counterspell》を減量する。

かえるもこれまた《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》を入れつつ、《過負荷/Overload》《終止/Terminate》などをサイドイン。
逆に除去として機能しにくい《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》をサイドアウト。

双方かなりの対処札が取られているのが印象的だが、これが青vs赤の対決ということなのだろうか。


【ROUND:2】

2ゲーム目は両者マリガンなしでスタート。

かえるの《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》から開幕。
このデッキでは間違いなく最高峰の滑り出しである。

相手はLuckyじゃないよ

《汚染された三角州/Polluted Delta》で返すとろに対し、かえるは《硫黄泉/Sulfurous Springs》からの《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》で襲いかかる…ものの、これには《青霊破/Blue Elemental Blast》。
《赤霊破/Red Elemental Blast》で返される恐れもあるため相手のターンで動くのは少し危ないが、この《青霊破/Blue Elemental Blast》は無事成就し平穏が訪れる。

第2メインでかえるは《強迫/Duress》。
《マナ漏出/Mana Leak》《衝動/Impulse》《衝動/Impulse》《幻視の魔除け/Vision Charm》という選択肢から《マナ漏出/Mana Leak》を抜き去る。
《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が続くが、先程の《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が偉大すぎていまいち頼りない。

返すターン、とろは《不毛の大地/Wasteland》で《硫黄泉/Sulfurous Springs》を破壊する。
これに対しかえるは《山/Mountain》を出すもののクリーチャーの追加はなく、《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が無人の荒野を駆ける。

《島/Island》を置くだけのとろ、再び《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》待ちの構えとなる。
かえるに動きがないのが不気味で、恐らく除去があるためこのまま一筋縄では行かないような見た目だが…。

かえるは《山/Mountain》で3マナ目に到達。しかし《モグの狂信者/Mogg Fanatic》が突っ込むのみで動きがない。
エンドにとろは《衝動/Impulse》。貰うのは《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》とあまり実りがないように見える。

ここでとろのドローは《先触れ/Portent》!

ドロー忘れがち

何がなんでも例のアレが欲しすぎて《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》出しつつ即発射。
ここでのめくれはなんと《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》《意志の力/Force of Will》《対抗呪文/Counterspell》と120点の満漢全席。

《先触れ/Portent》でのドローを挟みつつ、かえるは苦しいながらも《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》へ《不毛の大地/Wasteland》を試みる。

ふ、不毛

…が、これに対しとろは《もみ消し/Stifle》!自分の3マナを守り切る姿勢を見せる。
この3マナを守るということは、次のターンにはそれだけの攻防が始まるということの裏付けに他ならない。

まずは《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》。これに《もみ消し/Stifle》と繋ぐが、ここでかえるは《赤霊破/Red Elemental Blast》。

チューター対策にもなるよ

これを通しつつ、とろは守った3マナ目で《幻視の魔除け/Vision Charm》。《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を隠しにかかる。

これに対する応手はなく、無事に《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》が着地。とろの次ターンからの力強いビートダウンが確定してしまう。

続くターン、かえるは通ってしまったのなら仕方がないとばかりに《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》で《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》を導く。

男看守もいそう
速攻は余計だったね

この後《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》が対処されるようなことがあれば逆にとろの命はない。

フェイズインした《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》が襲いかかり、かえるのライフは7。
これで既にリーチがかかっている状態なのだから恐ろしい。

かえるは《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》から《沼/Swamp》…《沼/Swamp》!
ここで持ってくる黒マナ、つまり値千金の除去の構え。

かえる渾身の《終止/Terminate》が叩きつけられる!

デデンデンデデン

…この時のとろの手札の内容の記載を以て本稿の締めとさせていただきたい。

どうやっても負けないんだが?


とろ 2-0 かえる


優勝はとろ(スタイフルノート)!おめでとう!

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