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2024/08/17 ポイント争奪ミドルスクール決勝 うたまる(タックスラック)vsとろ(ランドスティル)

うたまるのデッキはタックスラック。
準決勝は《土地税/Land Tax》から完璧なうたまる劇場を演出。それも含め今日1日のパフォーマンスは中々のものだ。
先ほどの準決勝前でも呟いていた「最近ずっと1没している」とのジンクスはこれで晴れただろうか。

対するとろは今年のトーナメントでは毎度SEまでは到達しているものの、毎度その先で屈することが多かった印象。
今回は前週に続いてランドスティルでの参戦。スイスラウンドで引き分けつつもなんとか予選を突破しここに座っている。
今年は一度の優勝経験があり、その際のデッキもランドスティル。曰く「回す自信のあるアーキタイプの一つ」ということで、観戦側としても楽しめそうだ。

なお、今日はお盆(土曜日)ということで翌日(日曜日)に更にミドルスクール休日イベント(12時開始SE有)が控えており、この時点で時刻は18時くらい。
もちろん両者共に参加予定で、どちらからとなく漏れ出た「明日もやるのか…(戦慄)」との言。つまりはやる気充分だろう。

最高の夏、最高の勝負が今始まる。


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【ROUND:1】

スイスラウンド上位のうたまるが先攻。

先攻の《土地税/Land Tax》デッキvs後攻の青いデッキ。
つまり1ターン目の《土地税/Land Tax》設置はかなりのアドバンテージが確定し、この時点でうたまる側に大きく傾くことになる。
とろが抗えるのは《意志の力/Force of Will》か、それともメインに1枚の《浄化の印章/Seal of Cleansing》か。
いずれにせよ攻防のキーは最序盤に訪れそうだ。

両者初手を確認すると、うたまるの手札には《土地税/Land Tax》の姿が!
当然の即キープ宣言を受けて後手のとろは頭を抱える。つまり、逆に《意志の力/Force of Will》も《浄化の印章/Seal of Cleansing》もない状態なのだ。

まあ確かに今のままでは《土地税/Land Tax》の誘発は避けられない。ただ土地を持ってくるだけなら、《巻物棚/Scroll Rack》さえ無ければ最悪の事態は訪れない…かもしれない。

とろはマリガンを決断するものの、続く手札にも渋い顔。
残念ながら沼方向に進む結果になってしまったか、最終的に妥協し5枚スタートとなる。

うたまるはこのマリガン連打を確認し、即《土地税/Land Tax》ではなく《強迫/Duress》で手札を削り取る事で安全な方向に向かう姿勢を見せる。
《行き詰まり/Standstill》
《衝動/Impulse》
《嘘か真か/Fact or Fiction》
《島/Island》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
が公開され、《行き詰まり/Standstill》をディスカード。

とろは《島/Island》を置くに留まるが、うたまるは更に《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で《衝動/Impulse》を抜きつつ《土地税/Land Tax》!
予定調和とはいえ手札が完全破壊された上でこれはかなり厳しくなってしまった。
うたまるの土地が《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》であった事もありこの《土地税/Land Tax》はほぼ確実に土地をもたらす事になるだろう。

とろ側は《嘘か真か/Fact or Fiction》を目指すため土地を置かざるを得ず、また歪んだゲームが開始される事になった。

ところが土地サーチ後の《ゾンビの横行/Zombie Infestation》は引いていた《対抗呪文/Counterspell》でかわし、続くターンの《壊滅的な夢/Devastating Dreams》X=2は《衝動/Impulse》からの《意志の力/Force of Will》!

更に2つの荒波を凌いだ後のドローは《浄化の印章/Seal of Cleansing》。手札は皆無だがまだ生きている。
ここで《土地税/Land Tax》を破壊しに行く事も考えられたが、これ本体よりも《ゾンビの横行/Zombie Infestation》《巻物棚/Scroll Rack》の方が脅威になりうるため一旦置いてみるだけに留まる。

しかしうたまるは全く別の方向に向かっていた。
《土地税/Land Tax》の誘発から3枚探した上で特に何もせずターン終了時に余ったカードを捨て始めると、その中には《マローの魔術師ムルタニ/Multani, Maro-Sorcerer》が潜んでおり、どこをどう見ても次のターンに釣る作戦。

《再活性/Reanimate》から《マローの魔術師ムルタニ/Multani, Maro-Sorcerer》が襲いかかる。
この《マローの魔術師ムルタニ/Multani, Maro-Sorcerer》はほぼうたまる分の手札しか数えていないので実質被覆のついた《マロー/Maro》なのだが、ディスカードを検討するレベルのでかさに加え、とろにはこれを触りうるカード(《神の怒り/Wrath of God》《謙虚/Humility》)に辿り着く時間もマナも残されてはいないのだった。

うたまる 1-0 とろ


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とろはサイドボードで《解呪/Disenchant》《無効/Annul》を追加。同時に《翻弄する魔道士/Meddling Mage》やゲームを早める《賛美されし天使/Exalted Angel》も増え、より速い形に姿を変える事に。

うたまるは《要塞の計略/Stronghold Gambit》などを追加。リアニメイトプランをより推す形を目指したが、とろ側にクリーチャーカードが若干増えたのが吉と出るか凶と出るか。

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【ROUND:2】

とろが先攻で7枚をキープ。
うたまるも《土地税/Land Tax》こそないものの、まずまずの初手をキープ。

《島/Island》で終えるとろ。
うたまるは《暴露/Unmask》をピッチで撃つが、ここで土地を置かずに撃ってしまうミス。惜しくも《魔力の乱れ/Force Spike》に引っ掛かる事に。

ともかくこれがとろのカウンターを1枚消費させる事になり、続く《巻物棚/Scroll Rack》は成就。
この時点でとろの土地は《平地/Plains》《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》と少々懐が寒い。
更に追加するのも《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》と、もう少し青マナが欲しい所だ。

うたまるは少々の入れ替えの後《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》を置くのみ。
とろは待望の青マナである《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》を手に入れる。

うたまるは手札に来た《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》をプレイし回収とシャッフルに充て、《強迫/Duress》で《謙虚/Humility》を落とす。

…とここでとろ、おもむろに裏向きの2/2を召喚。
誰がどう見ても「アレ」なのだが、実はうたまるは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をデッキに入れていないため個別対処することができない。

そんな事情を知っているのはうたまる本人のみゆえに、続くとろの《翻弄する魔道士/Meddling Mage》の指定は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》。
《壊滅的な夢/Devastating Dreams》でもあれば吹き飛んでしまいそうな場ではあるのだが、《マナ漏出/Mana Leak》はしっかり抱えている。

うたまるは《巻物棚/Scroll Rack》に願いを込めるが、ライブラリーは期待には応えてくれなかったようだ。
アップキープに《納墓/Entomb》で《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》を落としシャッフル。そこでも満足なカードは得られず、なんとか唱えた《ゾンビの横行/Zombie Infestation》には《マナ漏出/Mana Leak》が。

とろの攻撃を挟み、うたまるは最後の仕掛けとばかりに《陰謀団式療法/Cabal Therapy》。
指定は《対抗呪文/Counterspell》だが、とろの手札は《無効/Annul》。

万策尽きたうたまる、無念の投了。

うたまる 1-1 とろ


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サイドボードはお互いほぼ変更なし。
さすがに両者の顔に疲労の色が見えるが、この捌きあいのゲームは彼らの休息を許してはくれない。
昨夜もこのデッキを回していたらしいうたまる、「(シャッフル回数のためか)肩こりがやばい」との苦言。まあシャッフルが多いこのデッキは日々の鍛錬が大事だとは思うが、身体を労わってほしいものだ。

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【ROUND:3】

先攻のうたまる、《土地税/Land Tax》を求めてマリガン。
とろはキープを宣言する。

うたまるは挨拶代わりに《強迫/Duress》をぶつけ、
《無効/Annul》
《正義の命令/Decree of Justice》
《対抗呪文/Counterspell》
《浄化の印章/Seal of Cleansing》
という手札を確認。
ここから《無効/Annul》を抜き去り、続くターンで《巻物棚/Scroll Rack》を追加する。

とろは土地を置くのみだが、ここから《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で《浄化の印章/Seal of Cleansing》を対処しつつ《土地税/Land Tax》を追加。

とろは合間に《正義の命令/Decree of Justice》を1でサイクリングしつつ耐える。
攻撃後に《解呪/Disenchant》で《土地税/Land Tax》を壊すが、うたまるは更に《悟りの教示者/Enlightened Tutor》を重ねてくる。
手札には《強迫/Duress》もあり、これで再度《土地税/Land Tax》の時代が…と思いきや、《強迫/Duress》で覗いた手札は

うたまる「強くない!?」

最後にプレイした《陰謀団式療法/Cabal Therapy》の後のドローとサイクリングで引いたカードが強すぎるというオチが待っていた。
圧巻の3枚揃ったカウンター呪文を前に、さすがに手が止まるうたまる。
今回はこれくらいで許してやるよ、とばかりに《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》で諸々を戻すに留まる。

とろは1/1での攻撃を挟み変異を召喚。

返しでうたまるは《ゾンビの横行/Zombie Infestation》を引き込みそのままプレイ。
この《ゾンビの横行/Zombie Infestation》にとろは悩む。

今使えるマナは2マナ。つまり、このターン使えるカウンターは1回のみ。
《ゾンビの横行/Zombie Infestation》を通すと2枚ディスカードでゾンビを作られ《陰謀団式療法/Cabal Therapy》から見られているカウンターがその餌食に。ただ過程でその2枚を削り取れるかもしれない。
カウンターすると代わりに《土地税/Land Tax》が通ることになる。

結果カウンターする事を選んだとろ。結果として《土地税/Land Tax》は無事に場に出た。

とろは土地を起きつつ《賛美されし天使/Exalted Angel》を表向きにする。この時点で継続して残り2マナを立てており、プレッシャーを与え続ける姿勢を崩さない。
この2マナの圧にやはり動けないうたまる。とはいえ《土地税/Land Tax》の充電、《巻物棚/Scroll Rack》の入れ替え機能はまだ生きている。
とろのクリーチャー群による制限時間あり、うたまるの脱出ゲームが始まった。

とろは《賛美されし天使/Exalted Angel》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》と1/1兵士で攻撃を繰り返し、カウンターを抱えたままで迎え撃つ。

残りライフ4のうたまる。
決死の《巻物棚/Scroll Rack》から7枚を交換し、《暴露/Unmask》から《壊滅的な夢/Devastating Dreams》X=6!
とろもカウンター1枚分なら防げたものの、《暴露/Unmask》を挟まれてしまっては。

まさに「仕切り直し」を要求された両者。
いや、うたまる側の場には《土地税/Land Tax》《巻物棚/Scroll Rack》《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》がある分、これは「逆転」である。

さっきの脱出ゲームの話はどこへやら、(とろ側だけ)迫真の土地なしゲームが始まった。
うたまるはターンをそのまま返し、とろも土地を引かない。「さっき引いていれば」の《意志の力/Force of Will》も今更遅ればせながら駆け付けてきたところだ。

とろの終了ステップ、うたまるの《納墓/Entomb》に対しとろはまた悩むことに。
《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》での回収なら直接的な影響は小さい。ただ手札にリアニメイトプランが潜んでいると厄介な事になる。ライフが少ない、とろ側にも《賛美されし天使/Exalted Angel》が埋まっているので《再活性/Reanimate》《死体発掘/Exhume》は撃てないが、もし《動く死体/Animate Dead》なら…。
結果スルーを選択するが、《動く死体/Animate Dead》は無かったようで《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》での修復に留まりほっと一安心。とはいえ土地がなさすぎて依然として脅威は去っていない。

ドローゴー合戦が再開され、うたまるは合間で《巻物棚/Scroll Rack》で調整していく。

しかしとろも負けてはいない。
《ゾンビの横行/Zombie Infestation》には《意志の力/Force of Will》。
《賛美されし天使/Exalted Angel》を狙った《動く死体/Animate Dead》には《魔力の乱れ/Force Spike》。
《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を置き、返しの《ゾンビの横行/Zombie Infestation》には《無効/Annul》。

物凄い勝負になってきた。

とろはここで《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》攻撃といきたいが、それだと現在2対2の枚数である土地がすべて寝ることになり、構えの圧が減ってしまう。
かといって動かないわけにはいかないとろ、あえて《行き詰まり/Standstill》によるリソース回復を選択。

一方のうたまる。土地の枚数は同じであるものの、そのうち1枚は壊れやすい《宝石鉱山/Gemstone Mine》であるため、エンドの《納墓/Entomb》(《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》)で《行き詰まり/Standstill》と《宝石鉱山/Gemstone Mine》を壊しつつ無理矢理《土地税/Land Tax》の誘発に繋げる。

《巻物棚/Scroll Rack》の入れ替えを挟み《強迫/Duress》を撃ってみるが、ここで《翻弄する魔道士/Meddling Mage》2枚がチラリ。
なんだかとんでもないことになっているとろの手札。
出されてはかなわん状態のうたまるだが、肝心の《陰謀団式療法/Cabal Therapy》がないので触ることができない。

そしてついに白マナを引いたとろ。
意を決して《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を送り出すが指定に悩み、そう何度も喰らってられるかと《壊滅的な夢/Devastating Dreams》を選択。

対して《土地税/Land Tax》の誘発からうたまるは何度目かもわからない《ゾンビの横行/Zombie Infestation》。
そしてついにこれが通る!

せっかく出した《翻弄する魔道士/Meddling Mage》だが殴りに行けない。うたまるのライフ4が果てしなく遠い。
《土地税/Land Tax》の2枚目も置かれてしまい、どんどん選択肢が狭まっていく。

ついに観念し、《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を置くとろ。
さらに《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を。指定は《動く死体/Animate Dead》。

土地を置いたことにより、ここで一気に《土地税/Land Tax》が6枚分誘発。
更に《巻物棚/Scroll Rack》で変換…するのだが、溢れんばかりのうたまるの手札がとにかく弱い。クリーチャーの居ない《要塞の計略/Stronghold Gambit》は一体何に使えばいいのか。
《強迫/Duress》に対しとろは《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を起動しつつ《衝動/Impulse》。何を引いても落ちてしまうため土地に変換する。
うたまるは《納墓/Entomb》からの《ガイアの祝福/Gaea's Blessing》で墓地を掃除しつつ更なるゾンビの生産に備える。

返しのとろは土地を置くのみ。

一気にゾンビ4体を並べたうたまる。
次のターンからは(《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を勘定しても)ブロックが漏れ始める可能性が高く、ここが恐らくラストチャンスになりうる。

ここでとろ、決死の《正義の命令/Decree of Justice》を表撃ち!
ほぼ最後の希望に等しい4/4飛行が孤独に降り立つ。

うたまるのライフは4。
今回のデッキには《剣を鍬に/Swords to Plowshares》がない。触りうるのは《壊滅的な夢/Devastating Dreams》のみだ。そしてそれは現在《翻弄する魔道士/Meddling Mage》によって禁止されているので、《不快な夢/Sickening Dreams》で一度《翻弄する魔道士/Meddling Mage》を倒さなければいけない。
このダブル夢攻撃を喰らえばとろ側は今度こそ立ち直れない。というか恐らくライブラリーに生きている土地がほぼないため、普通に呪文を唱えるのも難しいレベルだろう。

《土地税/Land Tax》の誘発、そして《巻物棚/Scroll Rack》の大量の入れ替え。
運命の瞬間。



《不快な夢/Sickening Dreams》は、そこには無い。

その日幾度となくプレイヤーを屠ってきた《壊滅的な夢/Devastating Dreams》の群れにまみれて、うたまるは膝を屈することになった。

うたまる 1-2 とろ

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優勝はとろ(ランドスティル)!おめでとう!

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