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2024/03/20 ファイレクシアン・ドレッドノート争奪ミドルスクール決勝 ワタナベダイキ(ランドスティル)vsキムラタクヤ(テラゲドン)

リアルのミドルスクールイベントとしては大規模な19人参加となった今大会。
コンボデッキだらけであった前回のSE有りのイベントとはまた一転、最後の2デッキは比較的フェアなデッキの組み合わせとなった。

ワタナベはスイスラウンドを3-1→抜け確定IDで通過。
使用するのはランドスティル。各種妨害と《行き詰まり/Standstill》でアドバンテージを稼ぎつつ、《行き詰まり/Standstill》環境下でも攻めれる《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》《正義の命令/Decree of Justice》を駆使して勝つデッキだ。
SE1でスタイフルノート、スレッショルドと《謙虚/Humility》が活躍するマッチをそれぞれ攻略しここまで登り詰めた。

対するキムラ。
今回のトーナメントは他卓の引き分け発生や最終ラウンドでの上位卓ID多数により、9点ライン一人だけがSEに潜り込める熾烈な争いが繰り広げられた。そこから唯一生還を果たした猛者であり、8位通過ながらも決勝へと辿り着いた。
キムラの駆るテラゲドンは《土を食うもの/Terravore》《熊人間/Werebear》などを《ハルマゲドン/Armageddon》《大変動/Cataclysm》などで足止めをしつつ育てていく大味なデッキ。クリーチャーの平均サイズも大きく地上戦は申し分ない。
SEではここまでゴブリン・Two Dueceなど赤いデッキの2連戦を勝利。相手が青いデッキということで《ハルマゲドン/Armageddon》の活躍に期待だ。

私見ではワタナベの《謙虚/Humility》が鍵を握る事になると見ている。
とはいえそれは枚数も2枚とそれほど多くないため、キムラ側がどれだけ手数を用意できるか・ワタナベがそれを対処できるかがゲームの大筋を左右することになるだろう。
デッキの都合上中速のマッチとなるため、色んな意味で互いの耐久力が試されることになる。


【ROUND:1】

スイスラウンド上位のワタナベが先攻。
ワタナベは悩んだ末にマリガンを選択するが、続く7枚にも渋い顔。結果ダブルマリガンとなってしまったものの、なんとか開始できそうだ。
木村は軽いクロックが無いが決め技になりうる《ハルマゲドン/Armageddon》ありの手札をキープ。

ワタナベは《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》を置いてターン終了。
木村も《隔離されたステップ/Secluded Steppe》で応える。

ワタナベはキムラのデッキを知っていることもあり《火薬樽/Powder Keg》を先んじて設置。
キムラの手札にはまだゲームに影響のあるカードが少なく、恐らくクロックの1枚目はこの《火薬樽/Powder Keg》と心中することになる。

トークンに強い

キムラは《低木林地/Brushland》から《根囲い/Mulch》。土地を2枚手札に入れつつ、ポロリと《獣群の呼び声/Call of the Herd》が墓地へ。

ワタナベに手番が移るものの3枚目の土地を置けない。
ダブルマリガンが響いた形になった。
俄然勢いづくキムラは《森/Forest》から《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》を導くが、ワタナベも《魔力の乱れ/Force Spike》とまだ負けてはいない。

ここでワタナベ渾身のドロー…も応えずターンを返す。
木村は《不毛の大地/Wasteland》を置きつつ《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》2体目をプレイ。
ワタナベはこれをスルーしつつ、《火薬樽/Powder Keg》にはカウンターを置かず。あくまで《獣群の呼び声/Call of the Herd》を睨んでいく格好となる。
そして土地を引いた!もののそれは残念無念《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》なのでキムラの《不毛の大地/Wasteland》に睨まれてしまっている。
とはいえこの白マナを有効活用すべく《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を撃ち込むが、キムラは2枚ディスカードで回避。これが《剣を鍬に/Swords to Plowshares》2枚ディスカードだったため、手札の弱さが若干露見してしまった形か。
キムラは《獣群の呼び声/Call of the Herd》フラッシュバック→《不毛の大地/Wasteland》で《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》を壊しターンを返す。

ここでワタナベは念願の《平地/Plains》をドロー!
遅れながらもマナベースの整備を目指す。
キムラの《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》に《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を再度ヒットさせ、攻撃を象トークンのみとする。
キムラは《土を食うもの/Terravore》と畳み掛けるが、《マナ漏出/Mana Leak》が突き刺さる。ようやく青マナが仕事をし始めた形。

返すターン、ワタナベは《火薬樽/Powder Keg》はステイしつつ《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を置き《謙虚/Humility》!
ランドスティルの武器が出揃ってしまった。

出された奴もジャッジも大変ね

消沈するキムラ。
象トークンの攻撃も1点と心もとなく、《平穏な茂み/Tranquil Thicket》のサイクリングでターンを終える。

ワタナベは《黄塵地帯/Dust Bowl》で返す。もはやここからはリソース勝負の構えだ。
キムラの再度の《獣群の呼び声/Call of the Herd》を余所にワタナベは《正義の命令/Decree of Justice》を3でサイクリング。
返すターンで《浄化の印章/Seal of Cleansing》《行き詰まり/Standstill》と連打しゲームを掌握しにかかる。

キムラは《熊人間/Werebear》《根囲い/Mulch》と続けるがいまいちリターンがない状態が続いている。必要なのは《謙虚/Humility》を対処できるカードなのだ。
《不毛の大地/Wasteland》で《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を壊してみるが、ワタナベの有利は揺るがない。

ワタナベは更に《嘘か真か/Fact or Fiction》。
《対抗呪文/Counterspell》
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
《島/Island》
《島/Island》
そこそこの面子がめくれる。
パッと見は対処札を2枚取らせると埒が空かなくなるため《対抗呪文/Counterspell》《島/Island》《島/Island》と《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》の分け方が良さそうだが。もし《ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery》のようなカードで行くなら《剣を鍬に/Swords to Plowshares》は取らせたくないところである。

キムラの選択は、次のゲームで《謙虚/Humility》を割るためにサイドボードに手を伸ばすことだった。

ワタナベ 1-0 キムラ


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ワタナベはマッチ的に弱そうな《行き詰まり/Standstill》を減らしにかかるが、サイドアウトで悩んだ結果提示したサイドボードはなんと14枚。61枚に運命を託す。
対して木村は「思い切ったサイドボードを敢行した」との言。内容は不明。
双方の奇策が吉と出るか凶と出るか楽しみである。

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【ROUND:2】

キムラの先攻でスタートし、《低木林地/Brushland》からなんと《隠れたるテナガザル/Hidden Gibbons》!

絵、少しは隠れる努力をしてくれ

開幕の対策カードに周囲もざわつく。思い切ったサイドボードが功を奏したか。
ワタナベは《島/Island》から《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》。ひとまずは《隠れたるテナガザル/Hidden Gibbons》を干さなければいけない。
その間にもキムラは《不毛の大地/Wasteland》を置き《浄化の印章/Seal of Cleansing》、マナが立つ前に《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》を破壊しゲームを前向きにしていく。
ワタナベは《島/Island》を置き、青マナが2つ立つ由緒正しきポーズで迎え撃つ。

キムラは《獣群の呼び声/Call of the Herd》で選択を迫る。3/3か4/4ですよ?どうしますか?

当時高かったのよね

ワタナベは悩んだ末これを《マナ漏出/Mana Leak》。《隠れたるテナガザル/Hidden Gibbons》が姿を現す。
4/4の登場に周囲もざわつくが、ワタナベは落ち着いて《広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse》を置いてターンを返す。

キムラはこれに《不毛の大地/Wasteland》を起動するが、ワタナベはこれに《テフェリーの反応/Teferi’s Response》した上でフィルターの白1マナを《剣を鍬に/Swords to Plowshares》に充てて《隠れたるテナガザル/Hidden Gibbons》を除去するビッグプレイ!
この攻防でワタナベは2枚使って2枚引いており、キムラはリソースを2枚失っている摩訶不思議な状態。

ドラマ発生カード

ワタナベは《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》で返し、キムラは《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》から《獣群の呼び声/Call of the Herd》の裏。
ワタナベは《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を更に追加し守りを固める。
キムラの《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》にも《意志の力/Force of Will》素撃ちと、このゲームも少しずつワタナベに傾きつつあった。

ここでキムラは《孤独の都/City of Solitude》と一味違ったスパイスを加えるが、重要な攻防の後であるためいまいちリターンが見出せない。
逆に《孤独の都/City of Solitude》でワタナベの腹も決まったか、X=2の《正義の命令/Decree of Justice》素撃ちで天使2体。《大変動/Cataclysm》を恐れてはいられない。
続くターンで天使2体が突撃し、メインのサイクリングで兵士トークンをずらりと並べる。

表も2体以上なら結構強い

序盤の攻防でクロックのほとんどを捌かれてしまったキムラに、この天使と兵士の群れを対処する術は残されていなかった。

ワタナベ 2-0 キムラ

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優勝はワタナベダイキ(ランドスティル)!おめでとう!

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