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海の日に寄せて:奇跡

生命を育む海の奇跡

7月の第三月曜日、日本では「海の日」が祝われます。この日は、海の恩恵に感謝し、海洋国家としての日本の繁栄を祈る日です。私たちが日々の生活で意識せずに受け取っている恩恵の一つに、広大な海があります。海は私たちの生命の源であり、地球上のあらゆる生物にとって不可欠な存在です。その偉大な仕組みを理解することで、海への愛と感謝の気持ちをさらに深めることができるでしょう。

海の水の成分と循環

海の水は単なる塩水ではありません。海水は約96.5%の水と3.5%の塩分を含んでおり、その塩分は主にナトリウムと塩化物イオンから成り立っています。しかし、海水にはその他にもカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれており、これらが海洋生態系の健康を支えています。さらに、海洋には二酸化炭素が溶け込み、炭酸塩システムとして生態系の酸塩基平衡を維持する役割を果たしています。

海の水は地球規模で循環しています。太陽の熱によって水が蒸発し、雲となり、雨として降り注ぎます。この水は河川を通じて再び海に戻り、循環を繰り返します。こうした循環は、地球の気候を調節し、海洋と陸地の生態系を結びつけています。

生命の誕生と生育

生命は約35億年前、海の中で誕生しました。海の水は生命の誕生に最適な環境を提供しました。水は生命の基本的な構成要素であり、海洋は豊富な栄養素と安定した環境を提供していました。微生物が海洋で誕生し、やがて複雑な生物へと進化していきました。海洋の化学的および物理的な特性は、生命の進化と多様化を促進する重要な役割を果たしてきました。

また、海洋には光合成を行う植物プランクトンが存在し、これらは地球上の酸素の約50%を生み出しています。植物プランクトンは海洋の食物連鎖の基盤となり、多くの海洋生物にとって欠かせない存在です。

浄化の役割

海はまた、地球の浄化システムとしても機能しています。海洋は二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の進行を遅らせる役割を果たしています。さらに、海洋の植物プランクトンは有機物を分解し、海水を浄化するプロセスに寄与しています。これにより、海洋生態系は健康を保ち続け、地球全体の環境バランスを維持しています。

海への感謝と希望

海の持つ驚異的な力は、私たちに安寧と希望をもたらします。広大な海を眺めると、その広がりと深さに感動し、私たちの生活の一部であることを実感します。海はただの風景ではなく、私たちの生命を支え、未来の可能性を秘めています。

海の日に際して、私たちは海の恩恵に感謝し、その保護と持続可能な利用を心に誓うべきです。未来の世代がこの美しい海を享受し続けるために、私たち一人ひとりができることを考え行動に移しましょう。

海は私たちに安寧と希望を与える存在です。その奇跡を理解し、大切にすることで、私たちの生活はより豊かで平和なものとなるでしょう。海の日を迎えるにあたり、海への感謝の気持ちを深め、共に未来を築いていくことを願います。


この記事の草稿中に、トランプ前大統領襲撃事件のニュースが飛び込んできました。海を隔てた合衆国の悲劇に胸を痛めています。不幸中の幸いでトランプ氏の耳の上部を弾が貫通したとのことですが、近くにいた1名が死亡され重傷者もおられるとの報道に、一昨年7月の安倍元総理の襲撃事件を想い出した方も多いと存じます。痛ましく忌まわしい事件です。

彼らの評価はともかく、ともに再起を誓った二人が一人は亡くなり、一人は一命をとりとめました。暴力は決して許されるものではありません。こうした事件が起きるたびに叫ばれるものの、まるで喧嘩腰の姿勢は社会の至る所で見受けます。非難の応酬が繰り返されているのです。

海は広く大きい。童謡のフレーズを思い出します。月が昇るし日は沈む。月日の流れは迅速です。毎日のように悲しい出来事が起き、毎日のように考えさせられます。昨日は大変お世話になった方の訃報まで届きました。今日は夕方その恩師のお通夜に参列いたします。

オリンピックの聖火がフランスに到着する予定だとか。信仰は違っても、平和を祈る気持ちに変わりはありません。海はときに荒れますが、普段はいたって穏やかです。この穏やかな海のように、こころを静め、こころ穏やかに過ごすことが一番大事であるように強く感じています。

今日もご覧頂き有難うございます。
念水庵


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