カジキマグロはガラスの靴だった

一年以上前、というか実際はよく覚えてなくてざっと検索したら2020年の2月くらい?
寒い時期で私の調子が悪かったことは覚えてる。

その時見て強く印象に残ったのがフジテレビのネタパレ、ショートネタのコーナーで“カジキマグロが刺さる男"という超絶斬新なネタだった。

何だこれすごい天才じゃんと衝撃を受けたあまり、やった人の顔とかコンビ名とかまで気が回らなかったし、これで近々絶対ブレイクするだろうから覚える必要もないと思ってた。

が、その後そのカジキマグロの天才をテレビで見ることはなかった。

その時はコロナ感染者も増えていき、ライブなどが開けなくなり、劇場の配信が始まったり、芸人さんたちがインスタライブやYouTubeのzoom配信が流行り始めた。

地方に住んでいる私にとってこれは本当にありがたかった。
私にとってはヨシモトファンダンゴTV以来、吉本の若手の劇場芸人の動向を知れるようになった。
何組か新しく好きな芸人さんたちを見つけ、配信をチェックするうち、出演ゲストでランジャタイ国崎さんを知った。
何組かの吉本芸人のYouTubeにゲストで出てるのを連続して見て、おもしろい人だなと思った。

その後、みなみかわさん主催のYouTube配信(現・踏み台TV)にコンビで出演したランジャタイを見た。
お笑い好きな子鬼コンビみたいにみなみかわさんを翻弄するランジャタイに魅了されて、時々やってくれる生配信や出演してるYouTube動画をチェックするようになった。
ツイキャスで月一でやってる有料トークライブもだいたい見るようになり、にわかではあるけどファンを名乗っても差し支えないだろう頃に、これも配信だったと思う。

自宅から配信してる国崎さんがカジキマグロを取り出した。
それはまさにシンデレラにおけるガラスの靴だった。
そうか、君があの天才だったのかと。
あのカジキマグロの天才とランジャタイ国崎さんは同一人物だったのかと、衝撃と、納得と。

とはいえそれまでもにわかとはいえ割とランジャタイは見てきたので、ちっとも気づかなかった自分にも驚いた。

私はカジキマグロのネタに才気走った天才性を感じていた。
でも、国崎さんについては、何でもすごく面白い人だとは思ってたけど、その感じ方は天才とはまた違ったものだった。
一コーナーとはいえ、割と大きなネタ番組で華々しい様子を見たのと、主にzoomで小じんまりとした配信で見る印象がずいぶん違っていたせいかもしれない。

けどその瞬間、この人は天才だったんだとすっと理解できた。

それくらい、本当にカジキマグロの小道具の仕組みのインパクトが強すぎて、肝心の芸人の顔も声もちっとも覚えてなかったのだ。
ちょっと検索したら他の人のライブにカジキマグロをひっさげて登場する国崎さんの動画もあったので、本気で探そうと思えば探せてたはずで、自分の怠慢ぶりに嫌気がさす。

この話には何もオチはなくて、ただただそうだったという事実のみ。

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