笑い声の話

私が若い頃、お笑い界の一部では女性客はミーハー顔目当て、みたいにバカにされてた。
男性の客がついていて、男性人気のある芸人こそ本物みたいな風潮があった。

劇場に足を運びグッズを買い、シーンを支えてるたくさんの女性たちがいて、それでもなおだった。

おそらく今でもそれは根強く残っていて、私は女性のファンに支えられてる人たちが女性客をバカにするのを見聞きするたびすごく苦々しく思っていた。
別に特別扱いしろとか敬えとかは全然思わない。
ただせめてお金を払ってわざわざ劇場にまて足を運ぶ女性に対しては、他の客に対するものと同じように最低限のリスペクトはもってほしい。
じゃないと、少ないお給料から交通費やともすれば宿泊費、チケット代に滞在費、そのたもろもろ多大な労力と資金を費やして、好きな芸人さんを見るためにたどり着いた劇場で、女性というだけでバカにされせせら笑われたのではあまりに理不尽すぎる。

でもある時、笑い飯がテレビの番組で女性の笑い声は明るくて華やかだから、劇場も女性にたくさん来て欲しい、女の人はよく笑ってくれるから、という旨のことを話していた。

あの、ゴリゴリの関西お笑い芸人の笑い飯が、だ。
それにすごく救われた気がした。

男性の笑い声がどうこう言うつもりはないし、感じ方は人それぞれだ。
けど、子どもや女性の笑い声は平和で安全であることの象徴というか、本当にパッと場が華やかになる。

唐突なんだけど、私はゆにばーす川瀬名人の鈴をならしたような、まさに明るくて華やかな笑い声が好きで、自粛期間中、吉本興業が無料配信に力を入れていた時期、彼の笑い声を聞くだけで気分が上向いてたし、それだけで気持ちが和らいだ。

あの時期は本当に人の笑い声っていいなあと思った。

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