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YOASOBIのikuraがピーナッツくんファンの古参アピをしてた件

2023年2月12日のラジオ番組でYOASOBIのikuraこと幾田りらが、星野源の「喜劇」を流したあとで、唐突にVTuberであるピーナッツくんの「グミ超うめぇ」をかけて「tiktokでバズる(流行する)前から聴いてた」と古参アピールをしていた。

ラジオ番組【FM ROCK KIDS】2023/02/12放送分で紹介された「ikura選曲の春の応援プレイリスト」がコチラ。

  1. YUI / CHE.R.RY

  2. Official髭男dism / パラボラ

  3. 星野源 / 喜劇

  4. ピーナッツくん / グミ超うめぇ

ピーナッツくんの圧倒的場違い感である。

ikuraは「春は関係ないけど、私の大好きな曲」と断りを入れて【グミ超うめぇ】を紹介した。「めちゃくちゃイヤなことがあった日、気合を入れたいときに、シャワーを浴びながら無心で熱唱している」とのこと。「tiktokで流行する前からピーナッツくんを知っていた」と力説し、「ピーナッツくんの音楽性は素晴らしく、いつも元気をもらっている」と熱弁し、最後に「なんかの形で届け!」と訴えていた。ガチである。

僕はTwitterでこの情報を知り、radikoでプレミアム登録をして聴いた。
(ただし、聴取可能期限は2023年02月14日22:04まで)

https://radiko.jp/#!/ts/AIR-G/20230212220000

この記事では、その内容を私感を交えながら紹介してみよう。

※2023/02/14追記
聴取可能期限を過ぎたので、該当場面の文字起こしを追加しました。


1. 初めてのソロ配信でピーナッツくんファンを宣言するikura

【FM ROCK KIDS】は毎週日曜22:00-22:55までFM北海道で放送されているラジオ番組で、2022年11月~2023年3月はYOASOBIが担当している。2023年2月12日はAyaseが欠席でikuraが初めてソロで配信した。そこでピーナッツくんの【グミ超うめぇ】が流されたのである(39:20~)

【グミ超うめぇ】といえば、NHKラジオで流れたときは、自主規制で不適切用語が銃撃音に差し替えられていたエピソードがある。星街すいせいがMCをつとめる【ぶいあーる! ~VTuberの音楽Radio~】2023年1月9日放送分だ。曲をリクエストしたのは花譜で、スタッフによる差し替えはピーナッツくんの許可を得ているとのこと。

【FM ROCK KIDS】はFM北海道なので、【グミ超うめぇ】はそのままのオリジナルが流れた。それにしても、YUI→Official髭男dism→星野源→ピーナッツくんである。リスナーのほとんどはVTuberが何であるかも知らずに聴いていたのではないかと杞憂してしまう。

そんな番組のなかで、ikuraはピーナッツくんファンであることを早口で熱弁していた。相方のAyaseがいないスキに自分の趣味を限られた時間でしゃべり倒したのだ。まさに、オタクの所業である。

僕はこれまで彼女がファンであることを知らなかったのだが、ヨルシカのn-bunaが初期からのぽこピーファンだったぐらいだ。音楽業界内で、ピーナッツくん支持者は案外多いのかもしれない。

2. 刀ピーOVERDOSEの流行後に紹介する悔しさをにじませるikura

ピーナッツくんといえば【刀ピーOVERDOSE】こと「刀ピークリスマスのテーマソング2022」が40日間というVTuber最速で1000万回再生を突破したことが話題になった。

ikuraはこのラジオでその流行に便乗して紹介したように見える現状を悔しがっていた。tiktokで流行したとき、刀ピーが何であるかを知らないまま踊っていた人が多い印象だった。私はそうじゃない、とikuraは伝えたかったのだろう。

なお、この火付け役になったのは、ピーナッツくんアニメの登場キャラであるオレンジ博士にガチ恋しているファンである。

【刀ピーOVERDOSE】を広めたのは、刀ピーの「刀」である剣持刀也(にじさんじ所属VTuber)のファンであると誤解している人が多いが、実際はピーナッツくんのファンなのだ。

この曲はピーナッツくんが剣持刀也だけに捧げているという理由で楽曲登録されていないため、この人がtiktokではオリジナル扱いされている。

↑音源使用動画は5万本を突破(2023/02/14現在)

これはピーナッツくん公認である(→参照ツイート)。このtiktokに広めたファンへの感謝をこめて、ピーナッツくんは2023/01/22のサンリオVfesで「オレンジ博士のモーニングルーティン」を歌ったのだ。

刀ピー2022が1000万再生を超えるほど人気を博したのは、剣持刀也・にじさんじのファンが起因となったのは事実だろう。しかし、VTuberに興味がなくても、ピーナッツくんの音楽性に魅せられている人が予想以上に多かったことも理由にあげられるはずだ。YOASOBIのikuraがグミ超うめぇを一人で熱唱して元気をもらっていたことをラジオ番組で唐突に喋りだしたように。

3. ピーナッツくんの音楽はどこまで広がるのか?

このラジオ番組でikuraは「なんかの形で届け!」とピーナッツくんへの想いを訴えていた。これが何かしらのきっかけになるかもしれないが、ikuraもピーナッツくんも多忙だから期待せずに待っていたほうがいいだろう。

と、偉そうなことを言っている僕は、ピーナッツくんの古参ファンではない。僕は2019年1月~3月に放映された「バーチャルさんはみている」を冷めた目で見ていた一人である。当時はVTuberのことを、知りもしないのに批判的にとらえていた。

そんな冷たい世間にさらされながら、ピーナッツくんは必死で爪跡を残そうとしていた。刀ピーだって2018年から5年も続いているのだ。剣持刀也に飽きられないよう、刀ピークリスマスのテーマソングは毎年趣向をこらしていて、ピーナッツくんの表現力の豊かさを証明している。もともとの才能だけでは、刀ピー2022テーマソングという傑作は生まれなかったはずだ。

だからこそ、僕はピーナッツくんファンの古参に対して「ありがとう」という感謝の念を抱いている。僕が刀ピーのテーマソングを初めて聴いたのは2020年だが、それは2018年から楽しんでいるファンがいたからこそ聴けた曲なのだ。もし、刀ピーを初回から楽しむファンがいなければ、とっくの昔に終わっていたかもしれない。

そして、ピーナッツくんは自分の可能性を追求し続けている。売れるためではなく、愛される音楽をつくり続けている。バーチャルでは相方だがリアルでは妹であるぽんぽこの5周年配信で披露された新作でもそれは示されていると思う。

ピーナッツくんがぽんぽこに作った曲のデモは1:17:33~。本人は照れ隠ししていたが、ファンにもわかるフレーズをふんだんに盛り込んだ思い入れたっぷりの歌詞に僕は感動した。肝心の相手に伝わっていないのは刀ピーと同じだが。

YOASOBIのikuraが自分のファンと知って、ピーナッツくんは大いにイキるかもしれない。そのイキりが新たな表現の可能性につながればいいと、ファンの一人として願っている。

4. 文字起こし

聴取可能期限を過ぎたので、2023年2月12日にFM北海道で放送され、radikoで期間限定で公開されていた【FM ROCK KIDS】のピーナッツくん言及シーン(39:20~42:05)の文字起こしをしてみた。YOASOBIのikuraによる春応援プレイリストの3曲目、星野源【喜劇】を紹介したあとの場面から。

そして、まったく、あの、春は関係ない私の大好きな曲を、四曲目に聴いていただきたいな、と思います。ピーナッツくんで『グミ超うめぇ』

♪ピーナッツくん / グミ超うめぇ

お聴きいただいているのは、ピーナッツくんで『グミ超うめぇ』です。はい、(星野)源さんの曲とはガラッと雰囲気が変わったんですけど…あのね、私、めちゃめちゃ、ピーナッツくんっていう方、VTuberさんなんですけど、あの、めちゃくちゃハマっておりまして、でもね、これね、今言っても、あんまりあれなんだけど…あのー、今めちゃくちゃtiktokでピーナッツくんさんの曲がバズってるんです。で、その曲も大好きなんですけど、私その前から実は知ってて、ちゃんと聴いてめちゃハマってたから…なんか、そのバズりで知って、ここで曲を流してるみたいな感じに、タイミング的になっちゃったんですけど、けっこう前から好きです。で、なんでこの曲かっていうと、とにかくね、私聴いたときに「わぁ爽快」って思ったんですよ。あのーなんだろうねー、これを無心で、家で熱唱してるときが、一番何も考えずに過ごせる時間っていうか、私これシャワー浴びながら熱唱するんですけど…例えば、めちゃめちゃイヤなことがあった日とか、朝、気合を入れたいときに、これをシャワーで熱唱すると、皆さん、気合が入るんでいいですよ、よかったら歌ってください。グミ超うめぇ! ほんと恥ずかしがらずに思いっきり、発散するつもりでやってください。あの、ほんとに…ちょっと話が止まらないわ、ピーナッツくんさんの楽曲、いろいろ聴いてるんですけど、ほんとに音楽性が素晴らしくて、いつも聴いて元気もらってます。なんかの形で届け! っていうわけで……

https://radiko.jp/#!/ts/AIR-G/20230212220000
(39:20~42:05)

タイトなタイムテーブルのラジオ番組、YOASOBIのツアーの宣伝をしなければならない使命のもと、わずか3分未満という限られた自由時間のなかで、ソロ放送だからこそできたikuraの熱弁したいことがこれである。「なんかの形で届け!」と言っていたので、文字に起こしてみた。

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