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2023年エイプリルフールでネタを披露するVTuberたち

VTuberにとってエイプリルフールは一大イベントであるらしい。2023年4月1日、V界隈では、Twitterのアイコンを変える者、性転換する者、ここぞとばかりラインを超える者など様々な悪ふざけがあふれた。この記事では、個人的に楽しめた2023年VTuberエイプリルフールネタを紹介する


1.課金が仇に! アイコンを変えられないVTuberたち


中身はおじさんだが、女子よりも女子力が高いことで有名な兎鞠まりは、4月1日にさっそく兎のアイコンに変更し、笑いを誘おうとした。

https://twitter.com/tomari_mari/status/1641822075857010689

この認証バッチは、日本では2023年1月11日から始まったTwitter Blueという有料会員サービスに加入しないとつけられない仕様になってしまった。しかし、この課金が仇(あだ)となってしまったのだ。

Twitter Blueに加入し、認証バッチを取得すると、プロフィール画像とユーザー名の再変更には審査が必要なのである。これにより、多くのVTuberが軽いノリで変更した名前と画像を変更できずに、阿鼻叫喚地獄と化している。

↑兎鞠まりに激しく同意する柚原いづみ
https://twitter.com/Izumi_Yunohara/status/1642010378413690881

ロケット工学系アイドルVTuber宇推くりあもその一人。あまりにも詳しいロケット工学の知識から、彼女には「おじさん疑惑」がついてまとっていたが、それを逆手にとって、4月1日は宇推晴輝というおじさんに変更。

https://twitter.com/clearusui
(2023年4月1日現在)

彼女はツイ廃(Twitter廃人)と呼ばれるほどツイートが多いため、謎のおじさんアイコンに困惑する人が続出する被害が出ている。
(なお、この顔写真はファンがAIで作成したもの)

https://twitter.com/8a6un0suke/status/1595810187117748224

この再変更できない現象は、審査を必要としない無課金ユーザーは被害のない話である。そして、Twitterはイーロン・マスクCEOになってから大規模レイオフ(雇用解除)を行っているので人員が足りない状況。課金した人が損をするという悲しい現実が打開されるのはいつになるのだろうか…。

2.ここぞとばかり実写化するVTuberたち


個人勢VTuberぽこピーことぽんぽこピーナッツくんは、実写化したという動画を公開した。その再生数の伸びから、本人が仮装したと思いこんでいる視聴者も一定数いるかもしれない。

このモデルはファンにはおなじみの人。もともとは2022年2月20日に開催されたピーナッツくんのXRライブ「ONAKA no NAKA」のグッズ販促のために撮られた画像だった。

https://twitter.com/osyarenuts/status/1495354690002767874

この宣伝写真がまるで実写版ぽこピーだとファンの間では話題になった。これに悪ノリした公式によって、コスプレした画像が再度投稿されるのである。

https://twitter.com/MomentTokyo/status/1497848421998555137

2023年4月1日にぽこピーのエイプリルフール動画に出ているのも、このモデルである。ファンからすれば待望の動画といえるだろう。

この実写動画、時間は短いが見どころは多い。セリフが冒頭から棒読みだったのに、ガチ恋さんになるとなぜか流暢になるぽんぽこ、ウマッドMAXの勢いで壁に色をつけてしまった田中さん(ピーナッツくんになった人)、アプリでAI変換したら謎の花になってしまったピーナッツくん、などなどである。

この実写化に成功(?)したVTuberは、ぽこピーだけではなく、ホロライブの兎田ぺこらもそうである。ネタがかぶったとはいえ、両者のスタンスがまったく異なるので、動画の方向性の違いが出て、比較すると面白い。

3.エイプリルフールなら許されるとラインを超えるVTuberたち


エイプリルフールだからといって、何でも許されるものではないが、そのラインを軽々しく超える者もいた。その代表格が、にじさんじに所属する笹木咲椎名唯華。彼女たち「さくゆい」は一日だけ笹木漸九と椎名獅亥という「ざくしい」という男コンビになるのだ。

今年は、3Dお披露目といいながら、まさかの黒子スタイル。だからこそ、トークだけではなくアクションが面白い二人の配信が楽しめた。特に良かったのが、同じにじさんじ所属VTuber加賀美ハヤトをネタにしたもの。その切り抜き動画がコチラ。

悪質すぎる編集動画を本人に見せるという地獄である。一般ユーザーがこれをすれば、開示請求が避けられないだろうが、相手は笹木と椎名ということで、加賀美ハヤトもキレのいいツッコミを魅せていた。この元ネタは「にじさんじ甲子園」のインタビューで、加賀美ハヤトの信念に基づいた育成への自信がカッコいい応答だったが、それゆえにさくゆいの格好の素材となったのは皮肉というべきであろうか。

↑笹木と椎名の動きにも注目

また、黒子スタイルだからこそ、さくゆいのアクションが楽しめたのも良かった。椎名はボイスチェンジャーを貫通してしまい素の声になってしまったが、動作の面白さで視聴者の笑いを誘い続けた。笹木も音圧のすごいボイチェン声で場の流れを止めることはなかった。配信につきものの技術トラブルに襲われても楽しませるエンタメ力が、この両者が人々に愛される所以である。

と、2023年VTuberエイプリルフール、年に一度だからこそのネタを僕は楽しんだ。皆さんは、どのネタが一番面白かったですか?

追記 2022年のぽこピーのエイプリルフールネタ

4月1日は毎年訪れる。お気に入りのVTuberがいれば、過去のエイプリフールネタを振り返るのも良いだろう。

ぽこピー(ぽんぽこ&ピーナッツくん)の場合、2022年は「タコピーの原罪」のパロディであった。原作は子どもたちのアンモラルな暴力を描いた問題作だが、風刺描写の得意なピーナッツくんにより、コミカルな展開に仕上がっている。このnoteでも去年に記事を書いている。

4月1日に公開されたVTuberぽこピーによる【ポコピーの原罪】がパロディ動画として最高だった - さんざんnote

ファンならば、このあとに「ポコピーの原罪」収録中に起きた事件がNGシーンとして公開されたことを知っているだろう。

「ポコピーの原罪」のNGシーンは6:02~。撮影中に地震が起きて、ぽんぽこが動揺するなか、ピーナッツくんが冷静に対応する場面である。バーチャルでは他人だがリアルでは兄妹である二人の関係性が味わえる貴重なシーンだ。

ピーナッツくんならぬピナピーが、こんな外見なのに、素の声になっているのがシュールである(いわゆる兄ぽこの声)。このような場面をNGシーンとして一般公開するのが、ぽんぽこのスゴいところ。みずからの醜態をさらしたとしても面白ければOK、というぽんぽこのエンタメ精神のおかげで、今日も我々は楽しく生きていけるのだ。感謝したい。

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