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認知度0の赤字会社を小さくても強い会社にする為に絶対譲らなかったもの。山陽不動産

弊社は1969年に私の祖母が創業した会社で今年で創業53年目を迎えます。

私がこの会社を継ぐと決めて横浜から福山に帰ってきたのは18年前。

私が24歳の時。経営の右も左もわからないなか、蓋をあけてみたら赤字の会社だったという状態でがむしゃらに経営を行ってきました。

お陰様で15年連続で右肩上がりで成長することも出来、家族経営だった会社も今は従業員11名の会社になりました。

会社をどんどん大きくしたいという気持ちは一切ありません。

ただ現状維持は衰退だと思っているので進化しながら変化していきたいと思っています。

山陽不動産の強味は「山陽不動産」です

山陽不動産は山陽不動産?

当たり前です。ただこの福山市で不動産のことを検索するときに弊社の場合は「福山市 不動産」ではなく圧倒的に8割の方が「山陽不動産」として検索します。

今回は、このような形になるまでに私が山陽不動産ブランディングとして心がけていたこと、絶対に譲らなかったことをお伝えします。

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山陽不動産としてのブランディングの基礎部分

まず、山陽不動産に帰ってきて創業者の祖母からの一言

『私はこの福山で創業してJR福山駅から歩いて15分くらいの位置にあるのに福山駅でタクシーに乗って「山陽不動産まで」って言ってもタクシーの運転手さんに「どこですか?」って聞かれるのが悲しいんよ・・・。』

当時、創業して34年も経っているのに全く地域の方に知られていないという現状・・・。確かに存在感はなかったです、、、。

まずは赤字の経営を立て直す・・・(この詳細についてはまた後日)

それから目指したのは認知度を上げていくこと・・・。

ただただお金がありません。

宅建協会以外、全く経済団体にも入っていないので人脈もありません。

ということで、私がHTMLタグの分厚い本を買って夜な夜な一からHPを作り、会社の物件をどんどん登録していく・・・そしてそれを毎日更新する・・・。

当時は2003年。まだHPをきちんと整理して更新している会社は少なかったですが「情報は生もの」という意識を持って毎日毎日更新を心がけました。

そしてもう一つはブログです。自分が福山に帰ってきて感じたことや物件情報などもどんどんブログに掲載していきました。

お金がないのでとにかくお金をかけないで出来ることをコツコツ継続することを心がけました。

何年か継続すると当時そもそもHPやブログをきちんと更新している人がいないので検索しても上位に出るようになりアクセス数も伸びていきました。ただ「山陽不動産」として検索はされません。

「福山市 不動産」「福山 不動産」などの検索でどうしたら上位に行けるのか、、、を考えていました。

私は全くパソコンやIT関係に強いわけでもないので分厚いHTMLタグの参考書と自分で検索したやり方でキーワードとなるタグを埋め込んだり、、、出来ることは全てやりました。

もちろんお金をかけてサイト広告や検索で上位になるようにすることは出来ますがとにかくお金がないんです、、、。

そこでとにかく実践です。

自分が「福山市 不動産」とか「福山 家買いたい」などで検索した時に上位にくるものは何なのか・・・を調べていくとあるブログサイトはタイトルが検索にかかりやすいという法則を見つけました。大手サイトではありませんでしたが、このブログサイトに変更してブログのタイトルに毎回検索にひっかかりやすいwordをいれよう!ということで即ブログサイトを引っ越ししました。

そこからは様々な検索にもひっかかってアクセス数が一気に伸び始めました。

甘い誘惑

それにしても福山市内には約400社も不動産会社がある中で「山陽不動産」を検索してくれる人は少ない、、、。

不動産業としてはお客様に選んで頂かないといけないので、より多くの人に見てもらいたい、、、。

数年経った頃に来られたのは様々な大手メーカーのフランチャイズ店にならないか?という営業の方でした。

大手メーカーが全国にTV CMも流すし、法人との契約もある、加盟料を払ってくれればそこからお客さんも紹介出来る、、、。

そこの加盟店として紹介出来るので、今までに知られなかった人たちからの問い合わせが増えますよ。

そんな話をたくさんいただくようになりました。

ただふと思ったのはそれでお客さんが来て、利益があがることで山陽不動産の価値は高まるのか?

お金を儲ける為に仕事ってしてるんだっけ?

他人が作った会社を宣伝してあげて、それを見たお客さんが購入して頂いたお金をその会社へも分配する、、、

んー-、それは私が目指している企業の形ではない。。。

27歳の時、そこで気付いたのは私が3代目として大切にしないといけないのは

「山陽不動産だからお願いしたい」

「山陽不動産の物件に住みたい」という人を増やすこと。

そこから、山陽不動産の自社物件を作る為に動き始めます。

今から約15年前のことです。


赤字経営も立て直していたので銀行へ初めて事業計画書を作り、自社の投資物件の計画を立て動き始めました。

27歳で何億の連帯保証人に入ることになります、、、

とにかく失うものがなかったのであと必要なのは覚悟だけでした。


今では会社の売り上げの7割は自社物件の売り上げです。

15年前、フランチャイズの加盟店には入らず、メーカーの物件を紹介するのではなく弊社が持っている自社の物件を売ったり、貸すことで1から独自の山陽不動産ブランドを作りました。

全て手探りです。

今では分譲地の開発、中古住宅の買取リノベーション、賃貸マンション・アパートもほとんどが自社物件です。

独自物件を作ることで会社としても3位との圧倒的な差で1位の「山陽不動産」で検索していただくことが出来ています。


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18年間続けている自社物件が満載のHPのコンテンツ、SNSでの発信、更に2016年からは山陽不動産のTV CMも放送開始。

会社の名前しか言いません!笑

不易流行 守るべきもの変えていくべきもの

私の祖母が作った「山陽不動産」

昨年祖母は101歳で他界してしまいましたが、TV CMも始まり、タクシーに乗って「山陽不動産まで」と言った時には「TV CMよく見ますよ!」って運転手さんにも言ってもらえたと嬉しそうに話してくれて私も嬉しかったです。

加盟店に入るということが全て悪いわけではないと思いますが弊社としては祖母が作った「山陽不動産」で勝負したいという気持ちが強かったです。現在も様々なメーカーさんの賃貸物件なども取り扱いはしていますが、自社が貸主の物件や直接オーナー様から弊社のみに預かっている物件も多いので様々なサイトで検索しても出てこない物件が弊社のホームページには数多くあるので閲覧数は多いです。(大手サイトにも抜粋した一部情報は掲載しています)

山陽不動産HP↓

また弊社は自社のタスク管理や顧客管理などのシステムも大手のサイトを使わずシステム開発会社に依頼して1から作成しています。

大手サイトが急に方向転換した際も自社のやり方がきちんと維持されるように、、、。

費用はかかりますが、自社としての大切な顧客情報や契約のひな形などは独自で守っていくべきだと思っているのでそこにはお金をかけています。

また、最近はSNSを更新したりするのも委託できるサービスが増えていますが、それこそ自社の強味の部分を他社に委託するなんてありえません。

SNSに気持ちがやどらないと「いいね」が増えても「ファン」が増えていかない。数字だけを増やしても意味はない。

なので弊社はSNSの更新もスタッフや経営者自ら行っています。

伝えたいことを直接伝える場所がある。

また伝えたら見てくれる土台がある。

SNSやHPは片手間にやるものではない。

山陽不動産としては核となる土台の部分で小さく小さく積み重ねてきた部分。

この土台をスタッフとみんなで守り育てていく。

この土台の上に、スタッフの営業力などがあり売り上げに繋げていく・・・。

「山陽不動産」の強味は「山陽不動産」

様々なHPのデータ、SNSのデータ、CMの反響のデータ、顧客情報などのデータを全て独自で持っているということ。更にそれが18年間継続しているデータになっているこということ。見えない部分ですが継続しているからこそ見えてくる部分があります。

目先の一時的な利益に惑わされず、

今目の前にあることをとにかくコツコツと積み上げていく。

まだまだこれから変化進化して「山陽不動産だからできること」に挑戦していきたいと思います。






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