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希望の「光」

週末、まだ6月だと言うのに気温は30度を優に超えた京都。
露の着物も間に合わず、襟元の汗を気にしながら、第1回表千家短期講習会修了生同窓会に参加しました。

1200名に迫る参加者の前でご講演されたのは、株式会社聖護院八ッ橋総本店 専務取締役の鈴鹿可奈子氏。
30分近くのスピーチでしたが、ご自身と茶道の関わりについて、聞き取りやすい優しい口調で話される姿は、聴衆を惹きつけ、あっという間に時が過ぎて行きました。

様々な仕事に忙殺され、マルチタスクで頭の中がぐちゃぐちゃな私たちの日常。
そのような中で、全てを忘れて畳に座り、稽古に没入するそのひと時。
ただ一つのことに専心できる素晴らしさが茶道にはあると説く、トップビジネスパーソンの等身大の言葉に、この時代にお茶をすることの意義を再確認し、共感する嬉しさがありました。

また、子育てをしながら茶道に向き合う氏のエピソードは、育児で茶道を中断している同年代の女性たちを勇気づけ、彼女たちがお茶に向き合うその意欲を、優しくも強く繋ぎ止めているように感じました。

茶道人口が減る中で、如何にその素晴らしさを次世代に伝えることができるのか。
気高い伝統でもなく、高尚な何かでもなく、自らの経験に生きる茶道の「魅力」は、いつの日か氏がその「茶碗」に認めた「光」と同じであるように感じました。


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