見出し画像

#78 ヒンドュー教の神様

今回、RishikeshにSanthoshaの人たちと一緒に行く機会に恵まれ、色んな人と色んな話をする機会がありました。

ヒンドュー教の話無しではヨガは話せないのですが、アジア人は仏教をベースに考える事と、ヨーロッパ人はキリスト教をベースに考えるので、よく誤解が生じてるなーと思う場面がありました。

キリスト教、イスラム教、ユダヤ教は元は同じで、預言者と呼ばれる人が異なるだけです。仏教も、ブッダが預言者のような立ち位置なので、神様がいて、預言者というかそれを伝える人が宗教を始めたという構成的には同じ。一方、ヒンドュー教は、メインになる神様が3人いるのですが、それらは実在した預言者ではないんです。

3人の神様は、ブランマ、ヴィシュヌ、シヴァと呼ばれる3人で、彼らはこの自然界のエネルギーのメタファーとして人格が与えられています(擬人化)。ブランマは創造のエネルギー、ヴィシュヌは継続のエネルギー、シヴァは破壊のエネルギー。この地球上にあるすべてのものが、この3つのエネルギーに生かされています。

例えば、春になって植物が育つのが、創造のエネルギー。それから水や酸素、土や栄養が与えられて生命が維持されるのが継続のエネルギー。それから、枯れて土に戻っていくのが破壊のエネルギー。そのエネルギーを説明するために、わかりやすく擬人化してたくさんの神話が用意されています。

ここが他の宗教と大きく違う点で、このことを前提に神話や宗教の話をみると、ずいぶん違った見え方になってくるのではないかな、と思います。

インドにはたくさんの神様がいますが、多くの人が、このヴィシュヌ神とシヴァ神を崇拝しています。ちなみに、このヴィシュヌ神は、何度もこの世に姿を変えて、降りてきていて、Ramaと言う神様になったり、Krishnaと言う神様になったり。本当かどうか、仏陀も、このヴィシュヌ神の化身だと言われていたりします。

今回、リシケシという世界のヨガの中心の地で、由緒正しいお寺が経営する大学の博士号を持つ教授達と、Santhoshaリトリートのための講義の内容をデザインするという光栄極まりない時間を持つことができました。その時に、私が長年思っていた質問をランダムに何を聞いても、みんな、簡潔にストレートにバシッと答えてくださったんです。もう、感動の嵐でした。

私が知る限り、インド人のほとんどの人がヴィシュヌ神かシヴァ神を崇拝しているがブランマ神を崇拝している人が少ないように思うんだけど・・・。
それはね・・・・。こういうストーリーがあって・・・・。この神話が伝えようとしている裏の意味は・・・・

へ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

こういう贅沢な時間を半日も。お菓子を食べながら。ガールズトークのノリで。本当に楽しい時間でした。スタッフ冥利。

私が中でも、おおおお!って思ったのが。シヴァ神の大きなお寺に行ったらわかるけど、シヴァ神って破壊の神様だから、よくサードアイからビームが出ている像とかがあるのよ。私のイメージは、すっかりそこから来ていて、サードアイからビームが出ていて、それで世界を焼き尽くす神様のイメージがあって。しかも、奥さんだかガールフレンドだかは、人間の生首を腰にぶら下げて、血の滴るナイフを舐めながらシヴァ神を踏んづけてたりして、なんか、超怖い家庭だなーっていうイメージがあったんです。で、なんで、インド人は、そんなおっかない神様を崇拝してるんだろう?ってずっと疑問だったんだよね。

そしたら、教授が一言。シヴァは、バランスの崩れたネガティブな物しか破壊しない。調和しているものは壊れない。と。この世のすべては、3つのドーシャの絶妙なバランスで成り立っていて、すなわり、善良なもの、中庸なもの、それから悪質なもの、そのどれもが必要で、バランスを保っている状態が均衡の状態。そのどれかが大きくなりすぎたり、弱くなりすぎたりしてバランスが崩れてしまうと、シヴァ神のエネルギーが、ネガティブに作用しているものを破壊して、ブランマが新しいものを創造して、全体としてバランスを取り戻すんだそう。

ここのポイントは、正しい正しくない、良い悪い、じゃないんです。この絶妙なエネルギーのバランスで成り立っている宇宙が均衡するために足をネガティブに引っ張っているものが破壊されるってこと。

もう、私は、そこで、目から鱗が出るほど感動してしまったのですよ。

何度も言いますが、ヒンドュー教の神様は、宇宙エネルギーのメタファー。つまり、エネルギーの法則。それが、ネガティブで不要なものしか破壊されない。と。つまり、逆を言うと、壊れるものは、世界調和のために全て、不要なもの。ヒンドゥー教では、物事に良い悪いはないと言われます。人間の誰かが勝手に世界で起こっている一部だけを切り取って判断した善悪なんかあてにならないと。世界は、無限、無数の人や物が行動して複雑に絡まり合ってできた行動の結果の集合体に過ぎず、目の前のそれがいいか悪いかなんて、目が2つしか無い人間にはわかりようもないと。

天災の時に破壊される街はどうなんだ。っていう話だったり。戦争で殺される無垢な子供はどうなんだ。っていう話だったり。モダンスピリチュアルな方々も、自分にとって不要なものが自分から離れていくから気にしない。みたいな事をよくおっしゃいます。なので、誰にとって。と言うのが、また誤解を生みそうですが。世界の複雑怪奇に絡み合ってるカルマ(行動の結果)の均衡のために、崩れているバランスを戻すために破壊が起こる。そこに神様の意識はないんです。エネルギーの法則だから。ジェンガと一緒。バランスが崩れると、壊れるの。

シヴァ神(破壊のエネルギー)は、調和している時は働かない。だから、人はシヴァ神を愛して、崇拝する。

Life is all about balance.
なんか、全て、つながっているね。

とっても素敵な考え方で、好きな考え方だなーと思いました。白黒しかない欧米文化や、ルールに沿ってる沿っていないの日本の文化、経験則からくる良し悪しで判断する現代文化。その線引は無意味で、白も黒も良いも悪いも、宇宙の調和のためには全部必要であって然るべき。キーになるのは、そのバランスと均衡。

私の中で、また、何かのピースが、ばっちりとハマった瞬間でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?