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#71 インドロジスティクス

サロンでのお話を聞いていると、皆さん、インドリトリートには行きたいけれど、現地集合現地解散なので、自分でロジスティクス(旅程)を組むのがわからない。という話を聞くので、私の体験談をシェアしたいと思います。あくまで、個人の体験談なので、ご参考程度に。インドは、皆さん、個々人の体験が、本当に様々なので、色んな人にお話聞くのがいいと思います!

ヨガにはまる前、私は、出張族だったので、色んな所を旅しました。皆が憧れるような先進国の大都市の超綺麗なオフィス街から、レンタカーがないと行けないような超田舎から、後進国の山奥にあるガス会社のプロジェクトやった時は、信じられない位の悪環境で数週間缶詰とか。プライベートでも、日本のパスポートは無敵ですからね。色んな所で色んな合法の楽しい事(?)をして遊んできました。

インドも、会社がお付きの人とお迎えを手配してくれるような出張から、現地の人とバイクで駆け巡るローマの休日的な旅行まで、色んなタイプの旅行を楽しんできました。

そんな私の旅人生の中で、一番緊張の走る怖い思いした経験をご紹介します。

お察しの通り。それは、インドでした。そして、まさに、私が今から皆さんにご提案しようとしているデリーからリシケシまでの道の途中で起こりました。(←リトリートのお誘い文句に全然になってない。笑)

当時の私は、一年に2回、一ヵ月位南インドにあるITタウンのバンガロールに滞在するようなプロジェクトを何年かした後で。バンガロールを拠点に、ゴアやらチェンナイ、ムンバイなど、週末を利用して色んな所を旅していました。プライベートでも、ケララで、瞑想とヨガのリトリートに一人で一ヵ月ジャングルに籠ったり。マイソールのインターナショナルなヨガのTTCの学校で資格をとったり。それなりに、インドはわかったつもりでいた頃でした。

ビボの経営していたリシケシのスタジオにお呼ばれされて、お邪魔する事になった時。私の南インドの友人たちは、口をそろえて反対しました。笑。北インドは、ものすごく治安が悪くて有名で、特に、デリーとリシケシの間にある街は、私の大好きなマハバラータの舞台になった地域もあるのですが、地元の人も立ち寄らないほど、荒れている地域が一部あるそうです。

私は、お金より時間を節約したいタイプで、移動時間を睡眠に充てたりして、現地でなるべくたくさんのアクティビティーを満喫したいタイプ。なので、ANAの直行便で日本の午後に出発してインドの真夜中にデリーに着く便があったのですが、これを使って、真夜中にデリーからリシケシを車で移動して、有給を取った翌日の朝からガンジス河でヨガやるぞー!っていうプランで行ったんです。

一応、南インドの友人にも、北インド出身でシンガポールに住んでる友人にも、確認したんですが、皆、結構、渋い顔。

〇空港のホテルをとって、朝まで待って飛行機で移動した方がいい。
〇空港のリムジンタクシーは絶対使うな。
〇信号が赤でも、絶対に車を止めるな。
〇空港の外に出たら、もう30秒の安全もないと思え。
〇長距離移動は、絶対にハイウェイを使え。

などなど、色んなアドバイスをもらいました。私のインドの友人は、皆、ヨーロッパやアメリカに留学経験があって、グローバルな大企業で働いているような人達ですから、まぁ、裕福なお坊ちゃまとお嬢ちゃまだから、そういうんだろう。と思って甘くみていました。

全くグローバル経験のないビボに話すと、迎えに行くよ!というのですが、まぁ、真夜中に6時間もかけて来てもらうのも申し訳ないし。空港近くのホテルに泊まって、次の日に飛行機で移動したら半日以上無駄にしちゃうし。リシケシの中では、まぁまぁいいホテルに予約して、お迎えお願いしたし。皆、外国人のヨガの先生は、普通のバスでリシケシまで移動するって言うし。

皆、大げさだなー。余裕だよ。って思ってたんですね。

で、結局、自分を過信して、夜中の12時にデリーについて、空港の外に。ホテルのお迎えの人がたくさん待っているエリアで、私の名前を見つけて、ほら、もう安心。と思ったが、最後。待てども待てども、車が来ない。ホテルの人に聞いたら、車がテクニカルプロブレムで、別の車をすぐに手配するから、ちょっと待ってて。と。

飛行機の送り迎えで、まだ人もいたし、ま、インドだし、こんな事もあろう。と、最初は余裕だったのですが、だんだん、お迎えの人達もいなくなってきて、気づいたら、真夜中2時。掃除のおじさんと、バスの運転手さんしかいなくて、女性も外国人も周りに誰もいない。

あ。さすがに、これ、やばいかも。と思って、空港の中に入ろうとしたら、インドの空港ってセキュリティーがめっちゃ厳しくて、いくら事情を説明しても、その日の飛行機の搭乗券がないと、中に入れてもらなくて。

あ。これ、まじで、やばいやつかも。と思って、インドの友達に電話するんだけど、皆、12時の到着までは起きててくれてたけど、ホテルの人に会えたし、無事到着したよーって連絡した後だったし、さすがに午前2時は皆寝てて電話に出てくれる人がいなくて。リシケシのホテルに電話したんだけど、車をすぐに手配するから、ホテルのお迎えの人と、もう少し待ってて。の一点張り。で、後ろを振り向くと、肝心のホテルのお迎えの人がいない。

ベンチに置かれた、私の名前。

空港のベンチに置き去りにされた私の名前

えええええ?!?!ってちょっと焦り始める私。これ、どうしよう。って思って、ホテルに何度も電話するんだけど、落ち着いて、車を探しに行ったんだと思う。と、誰も、彼がどこに行ったか把握していない。

掃除の人とか、バスの運転手さんも、外国人の女が一人で、真冬の寒い空港の外で慌ててるの見て、だんだん、人が集まってきて、皆、ジロジロ見てくるし、寒い?大丈夫?とか心配して話かけてくれるんだけど、怪しい人にしか思えなくて。うーん。うーん。って思ってたら、ホテルのお迎えの人が戻ってきた。

車、いつ来るの?って聞いたら、車が見つからない。と。

ええええ?!?!ってなって、空港のリムジンタクシー使うしかないか。と思ったけど、私の信頼するラチットが、デリ―空港のリムジンタクシーは絶対使うなって言ってたし、ウーバーもオーラもリシケシまで行ってくれる人、誰もいない。デリーにとりあえず行って、5スターのホテルに泊まろうと思ったけど、そこまで、どうやって行っていいのかもわからない。

どうしよう。どうしよう。ってなって、空港のリムジンタクシーをとりあえず使わないと、デリーのホテルにも行けない。リムジンタクシーとりあえず使うなら、リシケシまで行っても一緒じゃない?という計算結果。

ホテルのお迎えの人に、私の傍、絶対、離れないでね。私が危険な目に合わないように、タクシーの人と話して、リシケシまで一緒に行ってね。って言ったら、Yes、マダム。というから、黒くて大きな車がずらっと並んでる、一番高そうなリムジンタクシーの会社のカウンターに行って、空港の人に、何かあった時の電話番号もちゃんと聞いて、ホテルのお迎えの人と、タクシーに乗る事に。

当時の値段で、片道、2万円位だったと思う。今だと、2万5千円位かな?これだけ払ったら大丈夫でしょう・・・綺麗な車だし。空港にカウンター構えてるし、空港の人も、ちゃんと電話番号控えてるし、ハイウェイ乗るから、大丈夫って言うし。

車は綺麗だけど、運転手さんはへらへらしてて、言っちゃ悪いけど、私が出張の時にお迎えに来てくれる車会社の人と、全然、違う普通のおじさんの運転手。

空港からハイウェイに乗るまでは緊張してたけど、とりあえずハイウェイに乗ったから、ちょっと安心して、よかった。問題なさそう。ちょっと寝るか。と思った矢先、車が止まる。

え?でしょ。

ハイウェイで車が止まる。

いやいや、先進国ではあり得へんやん。事故でもないのに、ハイウェイのど真ん中で、車が止まる。

そして、車が止まったそのすぐ前に、小さい、埃だらけの汚い乗用車が止まってる。で、タクシーの運転手に、車を乗り換えろ。と言われたの。

え?ハイウェイのど真ん中で、高級リムジンタクシーから、なぜ、埃だらけの汚い乗用車に乗り換えるの?真夜中の3時に。なぜ??じゃない?

リシケシのホテルの人が一生懸命、このまま、マダムをリシケシに。って言ってくれてるんだけど、この車は、客一人だけ乗せるには大きすぎるから、小さい車に乗り換えるんだ。車は小さいから、お前の乗る場所はないから、お前はここで降りろ。と。

明らかに不安げな顔のホテルのお迎えの人。大丈夫、マダム。大丈夫、落ち着いて。って言ってくれるけど、明らかに動揺してる。

ホテルの人にも電話するんだけど、リシケシにいる我々ができる事はありません。God Bless Youって言われて、電話を切られる。ビボに電話しても、うん?いつ来るの?って状況が分かっていない様子。

そうこうしている間に、私のスーツケースが移動され。ホテルのお迎えの人は、車を下ろされ。私はその汚い車から出てきたもう一人の人と、リムジンタクシーの運転手のへらへら笑ってる運転手に両腕をつかまれて、その埃まみれの小さな乗用車の中に。

不安げな顔で、置き去りにされて、ナマステして頭を下げてるホテルのお迎えの人。

真夜中のインドのハイウェイのど真ん中で!

めっちゃ、めっちゃ、本当に怖かった。でも、このまま、命だけは無事に、ハイウェイでリシケシまで行ってくれたら・・・って祈ってたら、当然のように、ハイウェイを降りる車。

この辺からは、本当に泣き叫びながら、リシケシのホテルに電話するも、もう電話に出てもらえない。

私、本当に、このまま、日本に二度と戻れないんじゃないかと思いました。この時ばかりは。

連れてこられたのは、建築途中の大きなビルの工事現場!大きな焚火があって、その周りに裕福でないというか、日雇いの人夫さんのような人とか、道にホームレスの親子がたくさん寝ている、あんまり安全に見えない所。皆、肌の色が黒いから、白い目だけがぎょろぎょろしてて、怖いったらない。

車の中に外国人の女の私がいるのを誰かが見つけたみたいで、だんだん、皆が車に近づいてくる。

私、本当に泣き叫びながら、お願いだから、リシケシに今すぐ連れてって。って運転手さんにお願いするんだけど、彼は、真夜中のドライブは眠くて危険だからさー。カフェインが必要なんだよ。この時間、空いてるチャイ屋さんは、ここしかなくて。飲む?って、ドアを開けて、チャイをくれようとするんだけど、その彼の後ろには、真冬なのに上半身裸の超ガリガリのおじさんとか、明らかに肉体労働してそうな人とかが、車の中を覗こうとしてる人が一杯。ドアを閉めて、フードで顔を隠す私。

絶対、このチャイ飲んだら、睡眠薬とか入ってて、私、絶対やばい事になる。と思って、チャイ要らない。お願い、もう出発して。ってお願いするんだけど、Don't Worry Don't Worry, No stressとか、呑気に言われて、もう、私、本当に怖くて、ずっと泣いてて。

そしたら、タクシーの運転手と、その埃だらけの小さな車の運転手が車に戻ってきて、さぁ、行こうか。って、ノロノロと車を走りだしたの。ハイウェイに戻ると思うじゃない?そしたら、真っ暗で、窓が割れてる雑居ビルの前で、車が止まる。

ここに私監禁されるんだろうか・・・って、また、頭がパニックに。

そしたら、埃だらけの車の運転手がGood nightって言って降りて行ったの。

で、黄色い歯をニヤニヤ見せながら、リムジンタクシーの運転手が、さぁ、行こう、リシケシへ。って言って、ちゃんとハイウェイに戻ってくれて、無事にリシケシまで行ってくれました。

ビボも、I don't know what's going on. Just share your location via WhatsApp. って言ってくれてたから、ずっとロケーションシェアしてたら、私がリシケシに着いた時、お花を持ってホテルで待っててくれました。

彼、当時は英語もあんまり上手じゃなくて、よくわかんないけど、真夜中に、泣き叫びながら、何かしら怖い思いをしたみたいだから。って、早朝に空いてるお花屋さんを探して、お花を買ってお出迎えしてくれたんです。

心配してくれていたホテルの人も出てきてくれて、私は、ホテルに到着するなり、無邪気にへらへらしてるビボにお花をもらって、ほっとして、号泣しました。

これ、何もなく、無事に終わったから、何ともなかったけど、一歩間違えたら、本当に、命に関わる大変な事だったと思うんです。

そして、たまたま、黄色い歯の運転手さんは、仲間とシェアしている高級車で外国人の客寄せして、高級車は空港にすぐ戻して、汚い乗用車で小金を稼ぐという、ちょっとセコイだけの悪党で本当にラッキーでしたけれど、何が起こってるかわからない私のその6時間くらいの時間は、本当に、私、一生忘れない位緊張したストレスだったし、そんなもの、できれば、経験しなくてもいいと思うんです。

しかも、テクニカルプロブレムで車を手配できなかったのに、そのホテルは、車代片道、2万円をしっかり請求してきたし。私は、お金はそんなに執着がないので、許せるけど、限られた予算で来てる人は、これも、すごくストレスになる出来事だと思うんです。ビボ達は、憤慨してて、めっちゃホテルと喧嘩してくれたけど、私は、もうどうでもいいよ。命あるだけで。。っていう境地でした。

ちなみに、後日談ですけれど。私、今、インドの会社でお手伝いしてるんですが、その会社、外国人の従業員やお客さんがインドに来るときは、午後5時以降の陸路の長距離移動を禁止しています。

私がそれを言われたのは、プネという街からムンバイという街まで、車で5時間くらい移動する出張をした時。飛行機も飛んでいなくて。インド資本の大きな会社だから、会社が手配してくれる車屋さんとかも、それなりの安心できるビジネス専用のタクシー会社なんですけれど、それでも、5時以降は、車の手配を絶対にしてくれないの。ムンバイもプネも、安全で有名で、真夜中でも、女の子が一人で歩いても大丈夫って言われているような街だけど。やっぱり、ハイウェイとか、そういう街と街の間っていうのは、色々と闇があるそうです。

なので。

皆さん、色んなお考えがあると思いますし、うちのインド人の先生に聞いても、大丈夫だよ。インドは安全だよ。ってプライドを持っていうと思うし、それは、多分、98%正しいです。

私のあんな経験は、多分、稀で、ほとんどの人は、電車やバスで移動しても問題ないと思うのですが、私は、いつも、リシケシに行きたいっていう人がいたら、デリーからデラドンという空港まで、飛行機での移動をお勧めしています。片道、1~2万円ほどで、1時間くらいの飛行時間です。Indi Goという航空会社を使うのが王道。

デラドンから、リシケシまで、オーラやウーバーで、40分くらい。1000円もしないと思う。注意すべきは、チェックインや手荷物がとっても厳しくて、個数や重量で、結構な別料金が発生するから、インドの中を国内線で色々移動する事を考えている人は、バックパックとかコンパクトにして来る事をお勧めします。前回、ビボと私が、インテリアの買い出し兼リトリートの場所を探すために、国内移動をした時は、スーツケース4つと手荷物で、都度、2万円位の別料金を支払っていました。(航空券1万円ちょっとなのに!笑)

リトリートの参加をご検討中の方は、参考にしてみてください!







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