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好きな子に対する幻想を打ち砕きたい

人生とは、幻想を抱いてはそれを自分の五感で経験して、「こんなものか」と感じるのを確かめることの繰り返しだ。

大概、手に入れたいけど手に入れていない対象に幻想を抱く。つまり、幻想を抱くことが夢と言い換えてもいいかもしれない。夢の実現≒幻想を打ち砕いて生々しい現実を目の当たりにできること

お金を稼ぎたいけど稼いでいない人はお金持ちになることに幻想を抱き、実際にお金を稼いだ人は「高級寿司を食べても、高級車に乗っても、高級風俗行ってもこんなものかという感じ」と言う。

結婚をしたいけどしていない人は結婚生活に幻想を抱き、実際に結婚した人は「結婚生活は大変だよ。人生の墓場だ。」と言う。

大企業で働きたかったけど就活失敗して無名企業で働いている人は大企業勤務に幻想を抱き、実際に大企業で働く人はそれなりの不満を垂れる。

これは決して、お金持ちになることや結婚すること、大企業で働くことが良くないわけではなくて、手に入れたいけど手に入れていない対象には過度な期待を抱くもので、手に入れると良い意味で幻想から解放されるということだ。

幻想を打ち砕くことは悲しいことではなく、幻想の中でがんじがらめになりながら生き続けることが苦しいのだ。つまり、結婚という幻想の中で生きていた人が、実際に結婚をして「結婚なんてそんなに良いもんじゃないよ」と言えることが幻想からの解放を象徴していて、それ自体が良いことなのだ。

幻想から解放されるためには、足るを知る精神を習得するか、なんとしても手に入れるかのいずれかが必要だ。

私の場合、好きな子に対する幻想に支配されている。その子とは付き合うことができたが、肥大化しすぎた幻想が邪魔をし、コミュニケーションにも支障をきたしたのもあり、付き合って3回しか会わずに電話で別れを告げられた。

付き合ってから会った時間は24時間足らずで、しっかりとハグをすることすら1度もできず、手を繋いだのも全部合わせて数分だと思う。これではほとんど友達と変わらない。でも、たくさん会話を重ねる中で、以前よりはその子の実像が見えるようになったと感じる。

とは言え、もっと深い関係になりたかった。悔やんでも悔やみきれない。

恋人(好きな人)と別れて(振られて)苦しい思いをする人は多いが、その恋人(好きな人)との関係によって苦しみの内容が違ってくると思う。会話の幻想、デートの幻想、付き合う幻想、セックスの幻想、同棲の幻想、結婚生活の幻想、子育ての幻想、老後生活の幻想。自分なりに打ち砕きたい幻想がまだある状態で別れたらその人は苦しいし、そういった幻想がなかったり弱かったりする人は別れても比較的辛くないだろう。

この幻想は特定の個人に依存しているため、他の女の子と付き合ったり、風俗に行ったりすることで晴れるようなものではない。

千載一遇の機会が水の泡になってしまった後悔は計り知れない。好きな子とデートに行けることを千載一遇と捉えてしまうこと自体、舞い上がっていて良くなかったかもしれない。

このまま現実から逃げてしまえば、この幻想を打ち砕く機会が遠のくのは明白だ。

今自分にできることをやるしかないのだ。あの時こうすれば、、という妄想は不毛だ。その「あの時こうすれば、、」を実行して悪い結果を招いていれば、逆に私の過去の言動が「あの時こうすれば、、」の中身になっていたはずだ。

心の底から悔やまれるし、本当に苦しい。

でもこの出来事がこれからの出来事にどう繋がっていくかは全く分からない。人間万事塞翁が馬。


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