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過度の一般化に囚われた男の末路

かつての私は大学2年からベンチャー企業でアルバイトをし始めた。

高校生の頃に「起業 本」みたいな検索語でググって表示された本を片っ端から買って読んでいたことがあるから、その時から自分で事業を起こすことに興味があったのかもしれない。

いざ働いてみると、今まで見たことない世界だったからとてもおもしろかった。しかし、それと同時に嫌悪感も芽生えてきた。

ある会社では社長がほとんどの株式を持っていて、高額で会社を売却して大金持ちになっていたけど、売却直後にGoogleの検索エンジンのアルゴリズムが変わったことで売上が爆下がりしていた。買った側の企業は大損だ。可愛い女の子を充てがって大手広告代理店から良い案件を獲得してたり、社長がミスコンだのアイドルだのを抱いたという自慢を聞いたり、なんだか気持ち悪く感じてしまった。

ある会社では運営してるサイトが競合の大手上場企業のサイトに掲載されている情報をスクレイピングして丸々引っ張ってきていて、デザインは別の他社のサイトを丸パクリしたものだった。その会社も高額で会社を売却していたけど、その売却額に見合うほどの収益が出ていなかったし、売却後に会社は萎んでいった。買った側の企業は同じく大損だ。会社のクレジットカードや印鑑、株主総会で使った紙などがオフィスに転がっているのもテキトーすぎる。

これじゃまるで、お金を余している大きな企業を騙していかに会社を高く売り抜けるかのゲームみたいだ。

こんな経験を元にベンチャーを括って、毛嫌いするようになってしまった。これは特定の会社のネガティブなところに注目してしまっただけかもしれないし、私がネガティブに受け取っただけかもしれないし、こんな会社はごく一部かもしれない。

大企業に対しても、過度の一般化によって、一括りにして嫌悪感を抱いてしまったことがある。

かつて一緒にご飯行ったり、ドライブしたりする仲の同じバイト先の女の子がいた。彼女は就職活動を始めて、OB訪問アプリを通じて色んな大手企業で勤務する人たちに話を聞きに行っていた。

しかし、彼女はOB訪問で何度も怖い目に遭っていた。博報堂の社員にES添削するからと言われ、自宅へ呼ばれて、そこで酒を飲んで、半ば無理やりセックスをしたらしい。少しでも意識があると辛いから、セックスする直前にさらにたくさんのお酒を飲んだと言っていた。他の企業のOB訪問でも、時間を夜に設定されて、飲んだ後にしつこくホテルに誘われたりすることが何度かあったらしい。

大手企業勤務という肩書きを餌に、その企業へどうしても入社したい学生の弱みにつけ込むなんて気持ち悪すぎる。彼女は自分にも非があると感じているようで、OB訪問アプリの規約に明らかに違反している彼らを通報することはしなかった。

この経験を経て、そんなのは一部の人ではあるが、大企業を括って嫌悪感を抱くようになった。

そして大人、そして働くことに嫌悪感を抱くようになった。

そして身動きをとれなく(とらなく)なり、ろくに就職活動をせずに大学卒業を迎えることになった。自分以外に原因を求める考え方はイケてないけど、あえて過去に原因を求めて書いている。

少ない事例を元に過度の一般化をするのは誤った捉え方だから、今後はそうならないように気を付けたい。そして、何事も良い面と悪い面があり、全ての条件が良いことなど存在しない。その中でどのようなトレードオフを受け入れるか、その決断の積み重ねがその人を作っていく。

かなり遅くなってしまったが、来年4月入社を目指して、初めて就職活動を始めていく。


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