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パンデミック条約・IHR改定反対運動をHNKが誤情報認定?

パンデミック対策で迷走し、加盟各国の合意が得られず今回のパンデミック条約を成立させることができなかったWHOのテロドロスが、誤情報対策強化を主張したと思ったら、さっそくNHKがこれに続いた。ワクチン被害者についての誤報道でBPOから違反認定されたNHK。報道の自由度ランキングで坂を転げ落ち続けている日本のマスメディア((2024年70位))のいうことを鵜呑みにする人は流石に少ないと思うが、SNSから隔絶されている高齢層には未だ絶大影響を持つNHKなので、放置はできない。



WNHKの今回の報道は、名指しはしていないが先日の日比谷の集会・デモを意識したものであることは間違いない。記事では、パンデミック条約案やIHRには接種強制や人権・主権を制限んする文言がないこと根拠に、それら危惧する意見を「誤情報」と断定しているが、この論法によれば、日本国憲法の条文が存在しているのだから日本で軍拡を危惧し、あるいは人権制限を危惧する意見は、誤情報の流布だ、ということになりかねない。

確かにWHO批判の意見の中には、勇み足でむしろ運動にとっては足を掬われかねない主張をする人もいるが(案件としての分断工作としてそうした主張をす人が紛れ込んでいる場合多いので要注意)、少なくとも主催者の公式的な見解は、表現の自由によって保障されるべき内容である。

また、今回の条約・IHRは、いわゆる枠組み条約と呼ばれるもので、抽象的な文言や原則が書かれた条文に合意をすれば、その内容を具体化するルールは、執行機関(政府)の解釈・運用でいかようにも決められる可能性があるものであり、法治国家原則、立憲主義の観点からは十分な警戒を要するもの。

また、主権制限の危惧については(それは当然に人権制約にも繋がる)、この間のWHOにおける審議と日本の国会審議におデユープロセス・オブ・ローの軽視(特に条約の国会審議に関する大平3原則無視)などを見る限り、単に表現・政治主張の自由の問題という以上に、十分に根拠のある主張であるように思われる。特に、昨日、最後まで合意が得られず成立不可能とされていたIHRについて、加盟各国の代表団への周知も十分にされないまま、新たに提案された内容を数時間(数十分との説もあり)で強行採決したとされているとこから見ても(定足数を満たしていたのかも定かではない)。

これまで、数々の事実のにはあまり関心を示さずもっぱら右巻きの人たちが多く集っている姿だけを見てWHO批判の運動に懐疑的であった護憲派・リベラル勢が、今回のHNK報道をみて、「やっぱりあいつらのやっていることは近づかない方がいい」と思うとすれば、それこそ権力の思惑通りだし、いずれは自分達の運動が「誤情報の流布」のレッテルが貼られても抵抗できないことになるだろう。自分の首を絞めるような愚かなことはしない方がよろしかろう。

なお、パンデミック・IHRに関する誤情報の問題は、楊井人文弁護士の発信が比較的信頼がおける(もっともやや制定法規実証主義に傾きすぎのきらいはあるが、このあたりは今後ご本人とも議論を重ねていきたい)。

https://x.com/yanai_factcheck/status/1797025902687334751

それにしても、この記事に登場する先生、ウクライナ問題でマスメディアに使い倒されてしまった同じ慶応の政治学者H先生と同じようなことにならないことを祈りたい。

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