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「比例的に考えることの大切さ」森本隆史 先生|編集担当インタビュー#151

『算数授業研究』の編集担当インタビュー。第2弾は、2023年度の最終号151号で、比例の特集号をとりまとめた森本隆史先生です。
森本隆史先生は、授業を子どもと創っていくための教師の言葉かけを研究する、授業づくりの専門家。そんな森本先生に、本号を編集した思いを伺いました。
(聞き手:東洋館出版社 石川)

『算数授業研究』誌は、筑波大学附属小学校算数部が企画・編集をしている、先生による先生のための算数授業情報誌です。

東洋館出版社ECサイト

ーー今回は、「比例的に考える子どもを育てる」特集号でした。本誌では、「比例」の文字が特集題に入るのは初めてですが、なぜ比例を取り上げたのでしょうか?

森本 5年「比例」や6年「比例・反比例」の単元以外でも、子どもたちは「比例的に考える」ということをしています。
我々教師は、いろいろな単元で「比例的に考える」子どもを育む必要があると思い、今回の特集題にしました。

ーー比例的に考えることは、低学年の担任も意識する必要があることですか?

森本 もちろん、低学年の担任も意識する必要はあると思います。先にも述べたように、その点が、本号を特集しようと思ったきっかけでもあります。

ーー低学年で比例的に考える場面とは、例えばどんなものでしょうか?

森本 たとえば、「ドーナツが1つのはこに、6こずつ入っています。このドーナツが4はこあるとき、ドーナツはぜんぶでいくつありますか」という問題があったとき、2年生は「6×4」という式でその個数を求めます。
しかし、はこの数が「1×4」となっているということに、着目することはないと思います。「はこの数が4倍になっているから、ドーナツの数も4倍になっている」ということを、教師が意識しているのと、意識していないのでは、育つ子どもの姿は変わっていきます。

ドーナツの箱(AI生成イメージ)

ーー本号の内容で、特に印象に残っている原稿はありますか?

森本 今年度、私が2年生の担任をしているということもあって、下学年でどのように「比例的推論」の素地をつくるのかということについて書かれている市川啓先生の原稿も、興味深かったです。

ーー森本先生は、比例について新たに挑戦してみたい授業はありますか?

森本 夏坂哲志先生の「かけ算やわり算が成立するか?」という原稿の内容がおもしろかったです。比例関係が成り立つのかどうかということを、子どもたちと楽しみながら話し合える授業をしてみたいと思っています。

ーー本号を編集された思いを聞かせていただきありがとうございました。

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