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2024 灘中 算数

初めての方はご一読ください。


<入試結果>
1日目
受験者平均点 60.7点/100点
合格者平均点 72.7点/100点
2日目
受験者平均点 59.2点/100点
合格者平均点 72.2点/100点

1日目はバツは4つまでに済ませたいです。内容的にはやさしい問題もたくさん出題されていました。ところが、中には時間がかかるがその割に当たりにくい地雷的問題もあり、試験時間をどう有効に使えたかが勝負を分ける入試となりました。平均点がそこまで上がっていないことからも解かないでよい問題は解かない判断ができたかが大切になりました。

2日目はここ数年では平均点が一番高い年でした。これは灘中にしては大問の中で作業の分岐が少なく、直感的に答えまで辿り着ける問題が多かったこと、また、大問1〜5の中で完答しやすい問題がいくつかあったこと(大問2や大問4)が平均点の上昇につながったとみています。

ここから解説です。試験当日に私が解きながら作成したもので、雑かつ解法もその場でベターと判断したもので解いています。ベストな解法はさまざまな解説を見た上で各自でご判断ください。
また、1日目は問題文はありません。

1日目
1A 2A 3A 4A 5①A ②B

1〜4は全て基礎的です。答えが出せていれば確信を持てる問題ばかりでしょう。
5については、私は普段は11の倍数判定方法は教えないので、解説は上記のようなものなりました。確かに知っておくと早いです。
ちなみに今年の受験生には教えてあります。2024=8×11×23で出題の可能性が例年より高そうですからね。知っておけば早いものは試験対策では知っておくと有利です。

6C 7C 8B

6、7は今セットで作業量の多い2問。どちらかは見送って良いでしょう。灘中を受験する6年生は大問6のような数探しは得意なケースが多いので、多くの受験生は6を解くと判断し、粘ったのではないでしょうか。
8は分析と作業に時間がかかりますが、8、9のどちらかは正解したい。

9B 10 B 11A 12A

9番を超えたら、ここからは下り坂です。大問10はナナメ正方形の解き方(タテ正方形に閉じ込める)というよくやる手法で解決しましたが、角度ではその技術を使うか判断できなかった分難しかったかもしれません。大問11と12はやさしすぎて解けないと勝負になりません。展開図から立体を想定する問題は灘中ではよく出ます。

単純に大問6〜10までの中から最低2つとれば合格点ということになります。

2日目
大問1(1)A、BA  (2)アA イB
大問2(1)A (2)A

1枚目はミス1つまでにしたいところです。大問1の調べ上げは難しそうに見えますが、灘中の入試の中では問題文の意図を把握しやすい方なので自然とここまで到達できます。大問2はさまざまな解き方がありますが、素直に攻略したいですね。

大問3(1)A、A (2)アA、A イB ウC

イまではテキスト通りで簡単です。数値にだけ気をつけて作業する問題です。ウは様々な解法がありますが、イまでと同じように解いてみました。計算の負荷も少なくおすすめです。

大問4(1) A (2)B、B
大問5(1)アA イB (2)C

意図の見えづらい大問4でしたが、ここが完答できれば合格点はほぼ目の前でしょう。
大問5は難しいです。(1)の2つまでで十分かと思いますが、やってみると(2)も作業量は少なめ。ただなぜそれでよいのか理解が少し難しい問題です。

対策とアドバイス

平面図形・立体図形は得意で当然ののレベルまで高めましょう。
答えが合っているだけでなく、図形の本質を見抜いたり、どの「攻め方」をすれば楽に答えまで到達できるかを常に見立てて取り組む受験生が有利です。
数の性質、速さ、場合の数も練られた問題が出題されますが、数の性質が特に対策が不十分にならないようにしたい分野です。倍数、約数、素因数分解の理解や技術はもちろん、「桁ばらし」や「あまりの利用」などハイレベルな技術も使いこなせるようになっておかなければなりません。
そして、最後に明暗を分けるのは試験時間の使い方です。筆者の教え子で灘中に合格する生徒は時間の使い方が上手でした。解けない問題にどのくらい時間をかけたか、たとえ時間が少しかかっても勝負をかけるべき問題はどれなのか。(今年でいえば1日目に大問9だと思います)
普段から分析力と判断力を磨きながら算数の学習にあたることで本番で通用する力を養っていきたいですね。

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