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2024 西大和(本校) 算数

はじめての方はこちらをご一読ください。

<入試結果>
受験者平均点 90.3点/150点

今年の入試もかなり気合の入ったセットでした。
技術問題と思考力問題のバランスも良く、平均点からも試験としてきっちり差が出る入試であったことが伺えます。灘中超えを目指す学校の意気込みが十分に伝わってきます。
強いて言えば少し重たすぎるセットでした。気づいたらすぐ解ける問題よりも、そこから丁寧に調べ上げて答えに辿り着く論理力・作業力が求められました。
私の印象としては、国公立附属の難関高校の入試のようなレベルの高い試験だったように感じます。中学入試としては大問の前半あたりはもう少しあっさり解ける問題があってもよいと感じました。

本解説には問題はありません。

大問1(1)A (2)A (3)A (4)A (5)A (6)B

(1)の計算問題から芸術的ですね。2024/2025が最終的に24/25になるオシャレな問題でした。全体的に解きやすいものの、(3)以降は答えまでに乗り越えるステップがそれぞれ入っており、ここが合格への登竜門でした。

(6)はよく見かける問題ですが、きちんと約数と関連づけて分析できたか、約数をひたすら割り算で求めていた受験生ははじかれやすいです、注意。

大問2 (1)A (2)C (3)(ⅰ)A (ⅱ)B (ⅲ)B

西大和伝統の図形大問です。本年の難問の一つは(2)の立体の共通部分でしたね。なかなか塾のテキストで触れる機会が多くなかったので難しく感じたのではないでしょうか。
「立体の共通部分」は昨年は東大寺、今年は洛南や西大和で出題があり、全国の難関校志望の受験生はしっかりトレーニングしておきたいですね。
(3)の平面図形でもかなり差がつきます。形自体はシンプルで、分析・計算共にそこまで時間のかかる問題ではありません。ここから難易度が上がることを考えても落とせない問題でしょう。

大問3 (1)(ⅰ)B (ⅱ)C (2)(ⅰ)B (ⅱ)C

(ⅰ)(ⅱ)表記が解説では(1)(2)となっています。

大問3はさらにレベルの上がった小問集合。
(1)は桁バラシや素因数分解を駆使して数を探します。
(2)は相似を見つけ長さを設定し、丁寧に面積比を求めます。
どちらも煩雑な作業が必要なので、(ⅰ)が出来ていれば及第点です。

大問4(1)A (2)B (3)B (4)C (5)C (6)D

大問4は左ページと右ページで一見無関係な問題に見えて最後は関連づけることが
出来る伏線が見事な問題。
問題としては、(1)(2)が規則性、(3)〜(6)が場合の数となっています。実際この誘導に気づける受験生は相当準備してきた受験生のみであり、しかも最後の答えまで当て切るのは至難の業。(4)くらいまで追えれば十分といえるでしょう。しかし、それも決して簡単ではないため、(4)までの問題を処理できる基本技術はしっかり身につけておくべきといえます。来年以降の西大和受験生はぜひ味わっておきたい一題です。


対策とアドバイス

まずは最難関校の受験生が持っているべき技術を徹底的に磨きましょう。思考力問題の多い学校ですが、決着がつくのはやはり基本技術の練度の差です。
全分野ムラなく学びたいのは間違いありませんが、特に「数の性質」「図形」がハイレベルな技術や洞察力・分析力が求められます。
そして誘導付きの大問の練習もある程度必要です。難関校の問題の中から学習効果の高い大問をチョイスすべきですが、この判断が難しいです。ぜひ担当の講師・先生に選んでもらってじっくり練習を積みましょう。

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