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【特集】 オヤジの科学 "レコードプレーヤーを作ろう”02 ~ユニットを勉強しよう~

 大人の科学に触発されて、実際にレコードプレーヤーを作ってみよう!な連載をしていますが、その第二回です。

 今回は、ちまたに溢れる「中国製レコードプレーヤーユニット」を勉強することで、その構造を理解してゆきます。中国直送で2000円ぐらいから入手できます。

(このユニットのB型が、DN-USB-TP01という型番で、最低限の筐体をつけたものが2011年ごろから流通していましたが、今は販売がありません)

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 じゃん!ではユニットの裏側です。右上にカバーのついた針とカートリッジが見えています。(前回の説明でいうところのA型・自動リターン付きユニット)

 中央上がモーター。いわゆる530モーターです。

 右半分全体に、白いプラスチックや、ばねなどの複雑そうにみえる機構がついていますが、これがレコード終端でアームを自動で戻すためのしくみです。

 中央下に小さな基盤が見えますが、たいした基盤ではなく、L/R/GNDなどの音信号と自動オフのコントロール信号が出ているくらいで、ほぼ素通しです。

 ちなみにアームリターン機構がないC型だと

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こんな感じ。裏面がかなりシンプルです。


◆カートリッジ 中電CZ-800の模倣品 (ION製品は中電の正規品が載っています)

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 中電のオリジナルはプラのカンチレバーですが、模倣系ではこのアルミカンチレバーのものもたくさんあります。レコード針のJICOさんからもアルミタイプが出ており、それに取り替えると劇的に音が変化するといううわさも。

 学研さんのもプラカンチなので、JICO品と取り替えると何か変化があるかもしれません。


◆ モーター EG-530SD-3F

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 530モーターも互換品が多数出ていて、今回のユニットA型に載っていたのは、

「EG-530-SD-3F」の9/12VDCタイプでした。

 学研さんのは5Vからいけるタイプかもしれません。

 このモーターからゴムベルトを通じて動力がターンテーブルに伝達されるのですが、面白いことに、学研トイ・レコードメーカーも、この中国製ユニットも基本的におなじモーターを採用しているので、動きは共通なんですね。

 実はユニットA型は、大きなターンテーブルの下に小さな円盤があって、そこにベルトをひっかけて回しているのですが、その小さな円盤の直径が12.5センチです。

 学研トイ・レコードメーカーもターンテーブルの裏側に円盤があって、そこにベルトをかけますが、これも円盤の直径が12.5センチです。

 ということはつまり、学研さんもこのユニットも「まったくおなじことをやっている」んですね。オドロキであり、納得です。


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 ちなみにこれらの中国製ユニットの歴史は意外に古く、今でこそOEMのようにいろんなメーカーで使われていますが、古くは日本コロムビアの「音聴箱」シリーズのプレーヤーユニット(プラッター経が大きいモデル)やら、そのOEM製造で関係していた「創和」さんの機種、PRP-21あたりが源流になりそうです。

 創和取り扱いとしてはLIEBEINSというブランド名でも、何機種か出ています。

 当時から「スピンドル固定」「圧電セラミックカートリッジ」などの作りや基本構成がおなじに見受けられます。

 

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